2012年8月20日月曜日

大塚英志『「おたく」の精神史』×エリクソン『ライフサイクル、その完結』

2日前に、デザイン専門学校のコミック科の
一日体験入学に行ってから・・・

なんか、心にひっかかるものがある。

ずーっと、モヤモヤしていたがわかった。

自分は既に「脱オタク」しているのかもしれない。
・・・ということです。

ブログのプロフィールに「オタクです」と書いてしまってあるので
それも後程考えなくては・・・。

気付いたきっかけは↓

体験入学の授業中に
講師の先生(男性)が
助手役の女子学生さん(20歳くらい)に

「苦手な同性ってどんなタイプ?」

と聞いていて・・・

「アイメイクしている人!!
マスカラ塗っている人!
あ、でもギャルみたいにやりすぎている人は
好きなんですけど!
 そうじゃないのに
目の周りが黒い人が嫌いです!」

・・・・・・と言っているのを聞いて、

「ええっ?!」
と驚いてしまった・・・。
人格とかじゃなくて化粧なのか・・・!?

私もメイクはファンデとマスカラくらいはしていたので
その場にいて、冷や汗が出てきました。
ディープなオタク界って化粧ってダメなの・・・?
でも「やりすぎ」はいいのか・・・?

あと、その場のオタク特有の「内輪で盛り上がるノリ」の
輪にまっっったく入れなかった。

自己紹介の時に、好きなラノベ作家さんを必ず挙げるとか、
社会的立場よりも先に「好きな漫画はなに?」と聞くとか・・・
漫画家の**先生知らない人、手を挙げて~
・・・と言われるとか
なにかあるたびにアニメゲームネタをちりばめる、などなど。

ファイナルファンタジー6の細かいネタとか言われても
知識はあるので理解はできる。
(そのシーンも脳内再生できる、
 ドット絵で・・・)
ただ、理解はできるんだけど、
同調して笑えない。

あと、誰かが「**って作品いいよね」っていうと
「**嫌いなんで、それ言わないでっ!」
と怒る人がいてビビりました・・・。
おおお、この空気感は・・・。

ここで、やっと、

「自分にディープな二次オタク的要素はない」

・・・ということに気づいた。32歳で。(気付くの遅い)

そもそも、思春期においても、
自分はオタク的な
作品を「作品」として愛でてはいるが
はじめっからキャラ愛を媒体とした
オタクコミュニティに入ることができていなかった気がする。
「**さま~LOVE!」という感じはなかった。

かといって、リア充でも体育会系でもないのが悲しいんですが。

オタクでもなく、リア充でもなく・・・・

いろいろ削っていって
現在の自分のアイデンティティは何か?と
消去法で考えたところ、最後に

「愛犬家」


というところに落ち着きました。
(プロフィールをオタクから愛犬家に替えよう)

そして、気分転換するなら犬を撫でたり
犬のイラストを描くのがいいなぁ~と
普通に思いました。

あと、気づいたのは、自分は
「ゲームが好き」というより「アトラス」という
ゲーム会社がピンポイントで好きなんだなぁ
ということだ・・・。
さらにいうならアトラスの女神転生シリーズが好きなだけかも。

犬と映画と音楽と女神転生が好きな人、という
アイデンティティに落ち着いた。

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さて、脱オタして・・・

(もしくは最初から二次オタクではなく
作品とかゲーム会社が好きなだけだった?)

自分のアイデンティティの変容に気づき、
そこで

自分の「オタクを自称していた時期」は何だったのか?

を振り返ると・・・

思い出されるのが大塚英志の『「おたく」の精神史』の中に
出てくる「通過儀礼」という言葉です。



この本のP399ページ

1)通過儀礼は文化人類学的の初歩的な述語で共同体の中で
「オトナ」として認められるための儀式をいう
2)エリアーデは近代を「通過儀礼無き時代」とした
3)近代の終着点として意識された80年代
浅田彰の『逃走論』は「人が主体から徹底して
逃走しうる時代がやってきた」といったが・・・・
4)大塚英志は↑浅田氏の論がしっくりこなかった
5)「おたくだから成熟しない」と居直ったほうがすっきりするはずだと主張

・・・通過儀礼についての説に戻る。

1)文化人類学的な通過儀礼は小さな共同体が確固として存在し、
同時に、「オトナ」なり「成熟」という枠組みもまた単純かつ
固定した状態で可能になる
2)その小さな共同体が崩壊した近代
3)再度世界が微文化し、多元化した世界を生きているのが我々
4)だから通過儀礼を復活させることは困難
5)しかし大塚は論理的帰結とは別に、「通過儀礼」に執着し続けた
6)宮崎事件を通過儀礼の失敗と分析した
7)ここでアニメ作品における「成熟拒否」というキーワードにたどり着く
(アトム・うる星・エヴァが登場)


<私のコメント>
オタク=成熟拒否なのか?と考えてみる・・・

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ここで、「成熟拒否」というキーワードにひっかかった。

発達心理学的にはどうなんだっけか?

そして取り出したるのはエリクソンの本。




この本のP93

1)青年期の同一性感覚の探究を潜り抜ける若き成人は
自ら進んで同一性を相互の親密性の中で融合させ、
仕事や性愛や友情の中で相補的な関係を確実に持ちうる個人たちと
その同一性を共有するようになる

2)具体的な提携関係に自分を投入する能力ってこと

3)面白いのは・・・排他性が親密性には不可欠ってこと

4)「しばしばきわめて特異的な振る舞いや話し方によって
堅く結ばれた内集団としての生き方を培う」

5)↑これらは、生殖にとって守護者の役割を果たす

6)この諸儀礼を非生産的に戯画化する儀式主義は
「エリート意識」であり、あらゆる種類の徒党を生み出す

・・・・・・とエリクソンは言っている。

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<<私のコメント>>
おそらく、「オタク自意識」も一種のエリート意識であり、
(体育会系も、ヤンキーもエリート意識だろう)
それは人間の発達段階において
必要なものなのだ。

そこには排他性があってしかるべきなのだ。

ただ、そのエリート意識に拘泥して
成人後も排他性を持ち続けることが
成熟拒否なのではないか?

オタク自意識を持つことは、
人間の成長過程で有益なこともある。

しかし、オタクというエリート意識と
共に排他性を長年持ち続けること=成熟拒否

なんじゃないかな?と思った。
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だから、「マスカラ塗っている人はダメ」と
言うのも、発達段階としてはアリだろう。

体育会系が「スポーツしていない人はダメ」と
いうのも発達段階としてはアリだと思う。

リア充が非リア充を否定するのも
そこに発達段階としての排他性があるからだろう。

ある種のママ友グル―プが排他性を持つのは
共同体をつくって排他性でグループを守護し、
その中で子育てという活動をするための
本能なのかもしれない。

排他性が消えたとき、
人は真にオトナになるんだなぁ~、たぶん。

でも、排他性が消えた時には、同時に親密性も消えるのかも。
寂しいけれど仕方がない。

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