2012年8月8日水曜日

知人からの寄稿文×『勤めないという生き方』(メディアファクトリー)

学生さんの中には「いますぐ学生のうちに起業したい」
という方がいらっしゃいますが
・・・実のところ「うーん、就職してからのほうがいいと思うなぁ」と
思っています。
そこのところは、自分ではうまく説明できないので
今回は、知人の飲食店経営者Aさんに
文章を依頼して書いてもらいました!

・・・とその前に自分とAさんの関係性について説明します。
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Aさんと初めてお会いしたのは
私が大学院生(27歳)で
Aさんが30代半ばの頃でした。
Aさんはマスコミで働いていて、
私に小道具(映画を解説する絵)をつくる仕事をくれました。

当時、自分は博士課程に入ったものの、
博士論文が書けるかどうか自信がありませんでした。
毎日、毎分、毎秒泣きそうでした。

うーん、いつか論文は完成するのか?!
周りは就職したり結婚したりしているのに、
置いて行かれている気がする!と思ったし、
何度も研究から逃げたいと思いました。
というか、実際、半年くらいすっぽり逃げてたこともありましたW
(また戻りましたが・・・)

周りにも「研究してなんになるの?(苦笑」と
何回言われたかわかりません。
(あの頃を思い出すとマジで泣ける・・・)

そんなときに、マスコミでバイトしていたときの
知人KさんがアリコのCMに出ていてビックリしたので
「CM見ましたよ」と年賀状に書いたら、
その知人の紹介でAさんの作っている番組の
小道具をつくる仕事を紹介してくれました。

「とり急ぎ、生きている手ごたえ」みたいな存在が
欲しかった自分は、この仕事をもらったことで
なんとか持ち直しました。

毎週、映画を1本観て、その絵を描くのです。

趣味だったら、ぜったい観ないような
映画も観なければいけないので、すごく勉強になりました。
(あの時に学んだ映画の知識は本当に役立ってます)

映画のストーリーを1枚の絵で表現するので
映画も真剣に観たし、その絵が毎週TV画面に映ることで
自分が認められた気がしたので、
それをヨスガにして生きてました。

そのうちに、大学院の研究もコツコツ進んでいきました。
はじめての学術大会での発表も
その頃に経験しました。

映画を観て励まされ、映画の絵を
描く仕事があったからこそ
めげずに研究も続けることができました。

その仕事はたしか2年くらい続いて
描いた絵は総計100枚くらいになりました。

それがこの絵↓


疲れていたときは、やたらめったら絵が
濃くなったりしましたが・・・W

なんの自信もなく、不安に押しつぶされそうで
ホントにボロボロだった自分に
お仕事をくれたAさんの恩は
忘れません。

えーと、最後にAさんに会ったのは
Aさんが会社を辞めようとして飲食系での起業を考えている時で・・・
私が博士論文の佳境にさしかかっていた時です。
(いまから4年前くらい)

私はたしかその時にAさんに「飲食店系の起業は
やめたほうがいいと思う」と
言った覚えがありますW

なぜかというと、自分の家がかつて飲食店だったため、
大変さを知っていたからです。
うちの親は公務員を辞めて飲食店で起業した派なんですが
苦労することは目に見えていたので
内心「ウワ~この人大丈夫かいな」と思っておりました。(すみません

が、しかし、Aさんの起業は成功し
最近では店舗も増えているそうです。

ただ、Aさんの場合を見ていると、
会社勤めの経験あってこその成功
なんじゃないかな?と思いますので、
そこらへんをAさんの文章から学んで参考にしていただければ
いいと思います・・・。
(一方、知人の中には就職せずに大学卒業後に
いきなりカフェ経営で
成功して10年以上続いている人もいるので、
そればかりは個々のケースによりけりで 
なんとも言えませんが・・・)

自分は
こうして、Aさんの成功談を学生さんに伝える機会を
持つことができたことをうれしく思います。

映画の絵を描く仕事をもらうきっかけとなった
番組は終了し、Aさんもその会社を辞め、
自分も博士号を取得して違う道に進みましたが
映画と共に過ごしたあの貴重な2年間は
一生忘れないと思います。

というわけで、以上、Aさんとの思い出を
心温まる部分だけ抽出して書いて
まとめてみました(ワラ

以下はAさんの起業の成功談です。
真摯な言葉に感動します!!
Aさんのお店のアドレスも貼っておきますので
みなさん行ってみてください!!
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僕らは日本に生まれ、日本に育ち、
その価値観の中で生きてきました。
日本国民として労働という義務が定められています。

では、労働とは何かと聞かれた時、

みんな働く事と答えると思います。
ちょっと考えてみると、お手伝いをしていても働いているし、

家の扉を直していても働いているし…
普通に生きていれば、みんな働いているんです。

そこで問題となってくるのが、あと二つの義務(納税と教育)
教育は普通に義務教育があるので誰でも均等にうけれます。

ここでとても厄介になってくるのが納税です。

普通の会社員でいれば当然普通に納税をしています。
扶養家族であれば、知らぬ間に払われています。

では、労働を仕事と言う観点から見てみると、

そこにお金が発生するかどうか?と言う事になると思います。
逆に言うと接客業のようにお酒を飲んでいても

お金が発生する場合は仕事になります。

難しいです。世の中の仕組みは…

お金を設ける方法もたくさんあります。

芸術のように価値にお金を見出す場合。
宣伝業務の様にどこからかお金をもらい

その宣伝をする事や、
飲食業、製造業の様に実際に作られたものに
対してお金をもらう場合。
パフォーマーや接客業の様に人を

楽しませてお金をもらう場合等…

世の中にお金をもらい方法はたくさんあります。
でも、人は貪欲なので考えつく方法は

世の中ほとんどやりつくされています。

では、どうやって成功に導いて行くのが基本でしょうか?
と考えた時、僕の場合はスパンを完全に

区切りこの年までに何を学び、
この年から何をやり、この年になると
こういう感じになっているという
ビジョンを明確に持つ事を一番大事にしました。

世の中の仕組みは世の中でしか勉強できません。


学生ではありませんのでお金をもらい
勉強させてもらっているという
意識がサラリーマンをやっていた時はいつもありました。

僕は起業するまでの約10年で会社を8社変わりました。

それは自分の価値観の中でここでは
もう勉強することはないと感じた時に
次の自分のできない事をやらせて
もらえる会社に転職という流れです。

自慢じゃ有りませんが、どの会社でも異例の出世をしました。 
  
何故出世したかというと、僕には時間がなかったから
早く結果を出したかったという思いと、会社愛という
精神を持っていたからだと思います。 

 
会社愛という精神は時としてマイナスに

働く事があるのですが、
僕の持っていた会社愛は上司やお金に対するものではなく、
この組織の中に自分がいる限り結局そのレベルに自分が
見られてしまうので、その組織自体を良いものにしたいという純粋な心からです。

その中で常に考えていたことは、

この案件なら僕ならこうするな、
この状況なら僕ならこうするなという意識を
何事に対しても常に持っていました。
組織の中にいると組織に従わなければいけないので、

自分の意志と反する事も普通にしてきましたし、
時として自分の考えと
違う事をしてこっちのが良いなと学ぶことも出来ました。
但し常に持っていなければいけないのは、
会社を良くしたいという純粋な気持ちの上での行動です。

物事を進める方法は万と有ります。

その中でどれを選ぶかは自分次第ですが、
会社で働いてみてその方法の引き出しが
ものすごく増えた事も事実です。
若い時は自分の力量を冷静に見る事が

できないので意固地になりがちです。

とサラリーマン時代のお話を少し書きましたが、

結局僕が言いたい事は、常に与えられた状況で努力し
前を向いて貪欲に学ぼうと出来ない人は
起業しても失敗すると思うという事です。

誰しも、文句を言われたくないし、

自分の考えが正しいと思う、だけどこれは
良いけどこれは駄目とか、
柔軟に人を受け入れる事が出来なければ
起業しても絶対に失敗します。
だってワンマンになったら人はついてこないし、

又そんなの自分が嫌だと思っている事を
逆にやっているだけだから…

人は努力している人間に魅力を感じるし、

自分を大切に思ってくれる人間と一緒にいたいと思います。
そうしないと起業してもお金をどぶに捨てるようなもので、

一度会社で世の中の仕組みや人の使い方、
人の見抜き方なんかの社会勉強をして、
自分のやり方にどうしても合わなければ
起業すればよいのでは…と思います。
そして起業したらサラリーマンの時に違うと思っていたことを

ぶれずにやり通す事だと思います。

事実僕ももともと起業したい気持ちは

学生のころからありましたが、
この会社でずっと働きたいと思った
会社が一つだけありました。
経営者が変わってしまったのでその思いは、
はかなく散りましたが…

正直起業してから3年は、その中でただ単純に物事をあきらめず、投げ出さず解決してきただけで、あっという間の3年でした。もちろん自分の考えをブラしたことは有りません。お金がない時とかは、ぶれそうになった事もありましたが、そこも我慢です。最悪の場合は自分を信じて開き直る事が大切です。
やると決めた事をどんなに時間がかかり、体がつらくてもやりとおす、それは掃除とか細かな事も一緒です。

その中で、長期的な目線で考えて今後に

絶対つながると思う事は早く始めて3年踏ん張ってきたら
いつの間にかお金がたまり、共感できる人達に出会い、
店舗が増え、ちょっとずつ楽しくなってきました。

こんな感じで今がありますが。

この先も同じことを続けていきます。
今それが一番の成功への近道だと思うし、

自分が楽しいし、充実しているからです。

但し起業して年収はサラリーマン時代の半分になりましたよ。

それでも自分の追い求める価値があるならやってみるべきだと思います。
来年にはサラリーマン時代の倍の年収になっているかもしれませんから。

人は皆世の中に生かされています。

自分で生きていると勘違いすると必ず足元をすくわれます。
謙虚な心とぶれない心の両方をもちあわせてから
起業するのが一番よいと僕は経験上思います。 

Aさんの店のサイト:http://www.ncs.am/

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えーと、このブログは
一応、「読書道」という名前なので関連本も御紹介します。

今回の知人からの寄稿文に関連して・・・
飲食店の起業に関する本をご紹介します。












この本の126ページに
脱サラ→飲食店
のケースのインタビューが載っています。

この人(橋本氏)の場合も、Aさんと同じで
会社勤めの経験が見事にカフェ経営に活きていると思います。

出版社→音楽好きゆえにそっちの仕事と並行して仕事
→音楽の仕事増えて会社辞める
→音楽雑誌の編集→音楽が楽しめるカフェ経営

という流れみたいです。
カフェの絶頂期に、美味しそうな誘い話に乗らずに
軸をブラさずにやってきたのも
この人の会社勤めの経験値の高さゆえ
からじゃないですかね・・・?

でも、会社と個人の関係性って
時代によって変わるんですよね。
いまの時代に卒業後いきなり起業したい
・・・っていう
人が出てくるのは根本的に
会社に対する信頼が
バブル崩壊前と違うからだと思います。

そこのところも、この本のインタビュー(128ページ)に
書いてありました。
「バブル崩壊」と「個人と会社の関係性」の
関連性を指摘していて、
凄く的確だと思います。


「たぶん若い時期にバブル期を経験しているかどうかで
 仕事に対する感覚ってぜんぜん違うと思う。
 バブル期まではそれなりの成果を出せば
 それなりにやっていけた。
 でも、それ以降で経済も社会も大きく変わって、
 その後は会社に入っても安定や幸福といったものが
 得られなくなってしまった。会社を信用できない。
 それどころか、最近じゃいい会社に入ることすらできない。
 だから、下の世代は従来的な人生の追求はしないのだろうし。
 会社以外の人生を考える人が増えてもおかしくない状況になったよね。」

・・・・・要するに、
一度就職してから起業したほうがいいんじゃないの?
と考えるのが一般的だけど・・・

会社と個人の関係性が変容している現在。
状況が変わってきている・・・ということかな。

「一度は就職」という固定概念に縛られすぎるのも良くないかなぁ。

うーん、結論は出ません。

この本↓だと・・・・・・・・・・・・

一度、起業したい分野の
関連企業に就職して、
そこからノウハウを学んで起業しろ!と
いう意見が書いてあります。
これは要領良いよね。

ただ、すでに存在する企業からすれば
起業するために就職されて
ノウハウ持って行かれたらたまったもんじゃないけど・・・。

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