2012年9月18日火曜日

柚木麻子『嘆きの美女』(朝日新聞出版)&他3冊の紹介


我々パンピーには理解しがたい「美人の悩み」。
たまに、
質問系掲示板などで「美人ゆえに同性から嫉妬され、
男性からストーキングされます」系の悩み相談を
見かけるものの、
そんな悩みに悩まされたことのない
我々パンピーにとっては、
「贅沢な悩みだなぁ」とかえって反感を持ってしまいがち。
今回はそんな「美人ゆえの悩み」について書かれた本を4ご紹介します。

==========================
*柚木麻子『嘆きの美女』(朝日新聞出版)


この『嘆きの美女』は長編小説です。ガッツリ読みごたえあります。
美人ゆえの悩みを吐露しあうインターネットサイト「嘆きの美女」に集う
「美女たち」と、その美女に嫉妬して掲示板を荒らす
「美人じゃない女性」両方の成長物語。

美人にも、そうでない人も、それぞれにプラスとマイナスがある、
というところに着地しているところが、なんだかとても倫理的。

もっとめっちゃくっちゃに破壊されたラストにしてもオモロイ気がするがW

ちなみに、
ハッピーターンなどの駄菓子を手料理で再現
(駄菓子の再現ネタだけでも料理本が出版できそうな気がする)
映画『キック・アス』のマニアックなネタなど
本筋に全然関係ない小ネタが意外に笑える。

著者、どんだけヒットガール好きなんだろ。私も好きだがW
☆ちなみに、柚木さんの本はこの記事
でも紹介しております↓『けむたい後輩』
女性の容姿とか自意識を題材にした小説なら
                柚木さんの本はイチオシ!
===============================

*遥洋子『美女の不幸』(筑摩書房)

この本は、実話と小説の中間のようなものになっています。
著者・遥さんの体験や見聞が本のベースになっているが、
プライバシーも考慮して小説仕立てにしたらしい。

(っつーか、遥さんはおそらく「美女という自意識」で美女の本を書いてますね。
 彼女の著者近影を見ても、そんな感じのオーラでまくっている・・・。
 たしかに綺麗な人だー
 しかし、彼女がもし美女の不幸を感じているなら、おそらくそっちじゃなくて
 その自意識ゆえの不幸な気もうっすら感じるが・・・)


この中に、「美しい」と言われることに孤独を感じ、
「ブス」と言われると喜ぶ女優さんのエピソードが出てきます。
うーん、やっぱり理解しがたい…。
美女の不幸、というより、「美人自意識を過剰に持った人」って
トンチンカンな感じするし、
それゆえに、ちょっと世間とズレるよね。
という感じで読めば面白いかもしれん・・・。
==============================


*犬山紙子『負け美女』(マガジンハウス)

次にご紹介するのは、『負け美女』。
この本は美人に見聞した実話を元に構成されています。
ちょっとゆるめのイラストが添えられていて読みやすい。
一番印象に残ったのは「Sちゃんが男5人に絡まれた話」。
美人だけと悪質なストーカーやナンパに慣れているらしく、
Sちゃんは「村上ショージのギャグ」「ダンディ坂野のマネ」で
強引なナンパ(ガタイのいい5人の男の絡み)を切り抜けたらしい。

美人は生きていくためにそこまでしなくちゃならんのか…とちょっと気の毒になる…かも。
               
☆ちなみに、さっき検索したら、ダンディ坂野、アメリカで評価されてるじゃんかよ・・・
話が逸れましたが・・・
ちなみに紙子さん本人も美人です。
===============================
*東村アキコ『主に泣いてます』1巻~現在も連載中(講談社)

 「美女の悩み」を究極まで煎じ詰めて漫画作品にした作品。
あまりの美女ゆえに、家族関係も壊れ、仕事も得られず
不幸な人生を送る泉さんが主人公。

泉さんが「男に惚れられないようにするため」の
コスプレが段々過激になってくるのも見どころです。
あと、東村先生の漫画は小ネタが豊富すぎて、美女ネタとか関係なく
読めば爆笑間違いなしです。(ネタがマニアックすぎるが)

3回目読んでも、見落としてた小ネタとか発見するので
どんだけ濃いんじゃ!と思います。
ちなみに、この漫画は、ドラマ化されてますね!
ちなみに、東村先生も、美人だと思う↓
===========================
<余談>
ちなみに、東村アキコ先生とは別の
某少女漫画家と1回だけ会ったことありますが、美人でした。

その人に「少女漫画家って美人多いのか?」と直球で聞いたら
「あ、漫画家の会合とか行くと、いまって漫画家は美人ばっかりですよ。
自分だけじゃないですから。」
・・・・と普通にサラッと返されました。
このノーマルさが、またスゲーっと思いました。

勝手に・・・
内向的な美人→社会に適合できない→家で漫画描く→美人漫画家多発
という流れを妄想しましたが・・・
世の中どーなってんだろ?

あと、漫画家みたいな倍率の高い職業って
現在は、ある程度容姿とかも
必要になってくるのか?
じゃないと、担当さんが付かないとか・・・??←これも妄想かW
==================================
☆本日のまとめ☆
1)容姿のヒエラルキーついて作品にできる作家は
 たいてい著者自身もけっこう綺麗。
    (柚木先生も和風美人だし)
 っつーか、そうじゃないと、容姿をネタにして
 作品にできないよね・・・。
 中村うさぎ氏の場合は、サイボーグ化によって
 立ち位置が超越的なところに行ったので
 女性の容姿について醒めた目で論じているので
 著作が面白い。(中村うさぎ氏の著作については、
 また今度、整理してみたい)

2)しかし美人→嫉妬でいじめられる→不幸・・・という解釈は
ちょっと違う気がする。
・・・遥洋子氏の本を読んでいると、
自意識と周囲とのズレを感じるんだなぁ。
たぶん、美人自意識が過剰すぎて、周りが扱いにくいだけのような。

「私、イイ女でしょ」みたいな自意識で接してこられると、
周囲の男性陣も女性陣も、どう扱っていいかわからんというか・・・。

とりあえず、本人が美人キャラだし
そうしとこか・・・みたいに合わせて
いかなきゃならんので気遣います。
これは、旧世代の美人自意識のような気がするなぁ・・・。

3)たぶん、自意識が健全な美女っていうのは、
一周まわって犬山紙子のコラムに登場するような
キャラになっている気がする。
(あれがリアルな現代の美女像だと思う)
自分の周囲を思い出しても・・・ショーモデルやってた
学生さんのキャラが
意外にそんな感じだったんで、なんとなく納得した。
ほんとに綺麗な人って、意外とサッパリしているというか
いろんな意味で悟ってて、
変な自意識過剰さは持ってないんだよな・・・。

4)あと、すべてを超越して、
美女の自意識で最強なのは
この人だと思う。
この中日新聞の記事によりますと
「周りが悪口言うのは、ジェラスしているから」だそうです。

それを新聞取材で言ってしまうアンジェリカ。
これくらいメンタルが超合金じゃないと
モデルの世界とか生き残っていけないのかもしれませんね・・・。

5)今回は柚木先生の本の紹介からの流れで
美人の自意識について書きましたが・・・
「美人」という枠組みも、文化や経済によって決まる
流動的なものであるので、
その「枠組み自体」を文化人類学的な目線で
解体していきたいとも思っています。
=============================
今回ご紹介した本↓
*遥洋子『美女の不幸』(筑摩書房)
*犬山紙子『負け美女』(マガジンハウス)
*柚木麻子『嘆きの美女』(朝日新聞出版)
*東村アキコ『主に泣いてます』(講談社)

内藤理恵子の読書道:記事ラベル

宗教 鷹の爪 ガールズカルチャー 哲学 若者文化 仏教 映画 文化人類学 ゲーム考 社会学 キャラクター文化 月刊住職コラム連載 ヤンキー あじくりげ映画コラム連載の掲載報告 アニメ ジェンダー 2014現代文化 仕事について 2014年「世界の宗教」講義録 中外日報シネマ特別席掲載のご報告 90年代サブカルコミックエッセイ ヲタク文化 消費文化論 2012前期哲学(火曜)講義録 2012前期現代文化(木曜)講義録 対談シリーズ テン年代自分崩しの旅 脱力系ネタ 音楽 新聞・雑誌掲載関連 漫画考 2012前期哲学(月曜)講義録 小説 2012後期倫理学(金曜)講義録 2012後期哲学(火曜)講義録 心理学 自分探し 迷走コミックエッセイ 雑学 2000年代自分探しコミックエッセイ 2012後期社会と企業講義 2012前期社会と企業(水曜)講義録 2012後期スポーツと企業講義 2013前期文化人類学(火曜)講義録 とびださない!どうぶつの村 研究論文関連 2013前期 社会と企業 講義録 2013前期現代文化講義録 ポストモダン 日記 美術 2013哲学講義前期 現代思想 1990年代生まれの謎 企業 実用 倫理学 KAWAII文化 アイドル考察 スクールカーストについて ツインピークス祭 ドビ子の微妙な冒険 リンチ監督 旅日記 映画バカヴォンの予習のためにウパニシャッドを読む 私の体験談 そもそも教育って何なんだ?論 インテリア スポーツ美学 ドビ子博士GOを目指す 古墳ギャルコフィー 理恵子のお片付けダイアリー 純喫茶の「純」とは何か 『必修科目鷹の爪』読者限定☆リンク集シリーズ イカ部 オカッパ部 ジャバラネットナイトウ(おすすめのモノのご紹介) 名古屋 経営 経済 いじめ問題 ふつうの日記 まど☆マギ 似顔絵師ドビ子の放浪記 月刊住職連載 さんぽ日記 内藤理恵子イラスト作品集 読書について 『少女革命ウテナ』考察 まとめシリーズ 手芸キット レポートの書き方 寄稿文 ドビ子連続ネット小説「塩辛いちゃん」 何か間違っているオシャレ道 別冊spoon.34 散骨 松田優作ファミリー TV出演ネタ 2013年後期 哲学(火曜)講義録 写真 初音ミク×般若心経 構造主義 買い物道 わび・さび ドビ子が書評を演じます ドビ子アナザーワールド ラジオ出演ネタ

この窓の右端の▼をポチッとするとタイムトラベル