2012年9月19日水曜日

田中圭一『神罰』×『ゼロ年代の論点』(ソフトバンク新書)

サブカルや若者文化を語る上で
読んでいることが前提とされる著作は
全部ふまえておきたいけど・・・・・・・
全部揃える手間を省きたい人にオススメなのが
この本・・・




「これを、おさえておけばハズさない」
という話題の書籍の要点まとめの新書ですW

私の場合、キャラ研究のために『テヅカ・イズ・デッド』(伊藤剛)を



買うかどうか迷っていたのですが
(2520円もするため・非常勤講師なので文献代は自腹です)
この本に




要点が載っていたので、
まずは、この本でチェックしておきたいと思います。
(もちろん、そのうち本編も読みますので、とり急ぎこれで要点を・・・)

1)動物化するポストモダンはオタク系文化批評に大きな影響を与えた
http://riekonaito.blogspot.jp/2012/08/blog-post_24.html

http://riekonaito.blogspot.jp/2012/08/blog-post_747.html

2)それを漫画分野に発展させたのが、『テヅカ・イズ・デッド』である。

3)『デヅカ・イズ・デッド』では漫画の基本要素を3つに分類。

*キャラ

*コマ構造

*言葉

4)重要なのは「キャラ」と「キャラクター」を分類したことである

キャラクター:物語の中の人格、性格をもった登場人物
キャラ:物語を離れても自律できる・二次創作のような複数の作品を横断しても存在できる

5)コマ構造について
青年劇画:カメラのフレームのよう
少女漫画:コマ同士の関係が曖昧

6)1960年代に高揚した学生運動の波が過ぎ、大きな物語が失墜

7)サブカルがその代替的な物語として浮上

8)サブカル共同体の「ぼくら」意識ができる

9)この「ぼくら」意識は、手塚治虫賛美と結びついた。
「手塚の前に偉大な漫画家はいなかった、死後はつまらなくなった」
・・・・・・・・・・・・・という言説を流布させた。

10)マンガ史の中でサブカル共同体ー手塚は結びついていた
ということだけど、伊藤氏は手塚漫画の閉域・円環に対して死を宣告した。
と、同時にサブカル共同体の死とも読める・・・

というのが、この本における、『テヅカ・イズ・デッド』の要点まとめのまとめ。
いや、本編読まない限りはなんとも言えないんだけど、
なんとなく、概要はつかめた気がする。

<<注:ちなみに私は手塚漫画好きです。特に『ばるぼら』が好き>>

==========================

*私のコメント*


デヅカ・イズ・デットの概略をふまえて
あえて言うなら・・・

手塚漫画神話を真に解体してしまった作家は
この人だと思う・・・



この表紙、裏返すとブラックジャックと手塚先生が
手塚漫画の女性キャラのギャルゲを攻略する
とんでもない二次創作が載っているW
(しかも手塚プロダクション公認)

たしかに・・・手塚漫画って、わりと物語を越えて
自律したキャラが出演したりしてましたよね?

そういう意味では「キャラクター」ではなく「キャラ」という概念を
いち早く取り入れていた気がするし、それゆえに
二次創作しようと思えばできそうな気がするんだけど
いかんせん手塚氏の画風はマネできそうでできないとか、
そもそも手塚漫画で二次創作するなんて恐れ多いため、
サブカル共同体の神を穢す行為なので
二次創作する人ってそうそういなかったんじゃなかろうか?

だから・・・・・・この人の作品を見たときに
思ったんですよね。『テヅカ・イズ・デッド』だと・・・。

しかも手塚漫画の画風で、脱力系のギャグ&下ネタのオンパレード。

メインは下ネタなんですが・・・・・・たまに
何系統なのか全くわからないギャグ

<<シスターが神父さまから寿司屋を継いで、
                      海苔を切らす>>




・・・・とかが織り込まれていて、そこらへんがツボです。


日本のキャラ文化の懐が深いために
(日本のキャラ文化の特徴は以下のページへ)
http://riekonaito.blogspot.jp/2012/08/blog-post_8446.html

手塚治虫の遺族からのコメントまで帯に載せちゃっている凄さ。

2012年8月24日中日新聞に
漫画『ブラックジャックによろしく』の二次利用の自由化の記事が
掲載されていたけれど・・・・・・・・・
10年前の2002年にこの『神罰』が出版されていたことを
考えると、そうとう時代の先を往っている作家さんだと
思います、田中先生は。

AMAZONのレビューで
『神罰』について
「モノマネ絵に頼り過ぎ」というコメントを載せて
いたレビュアーの方がいましたが、
この本は手塚漫画の絵柄で冒瀆的なことをして
しかも商業的に成立した・・・という意味で
漫画史に残る作品だと考えるほうが妥当だと思います。

ちなみに、田中圭一先生が
挿絵をご担当された
この本も大学生にオススメです↓





あと、田中先生プロデュースで
漫画作成ソフトの開発が行われたってことが
漫画史上重要なことだと思う。

田中氏がプロデュースした漫画作成ソフトはこちら↓

http://www.comipo.com/footer/company.html


漫画の要素が

*キャラ

*コマ構造

*言葉

に解体できるのならば・・・

逆に、それらの要素をレゴみたいに組み立てていけば
漫画は創作できるわけで。

たしかに企業漫画とかなら、それで十分だよね?!

=======================

*おまけネタ*

あと、田中先生は「アクアノートの休日2」もプロデュースしている謎の人です。

自分もこのソフトやったことあるんですが・・・
まさかこの本と




↑このソフトの制作者が一致するとは
夢にも思わないわけで・・・
ポストモダン的な人間像ってこういう人のことを言うんじゃなかろうか。

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