2012年9月12日水曜日

【研究論文の要旨一覧】

1.「現代日本における社会的変動と先祖祭祀について」
<修士論文要旨>
20073『南山神学別冊』第22号,pp.39-67

今日の日本が大きな社会変動にさらされているという事実に基づいて、葬送文化がどのような変容を遂げてきているのか、その現在形を明らかにするという課題をもって議論を進める。
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2.「今日における先祖祭祀の商品化―手元供養の事例―」
20083『南山神学別冊』第23号,pp.75-98.

2005年に誕生した「手元供養」という供養形態について。その文化の新規性だけではなく、誕生の背景には日本の位牌の伝統文化が存在したこと、また「仏壇に話しかける習慣」があることを指摘した。その上に現代日本における人間関係の変化が重なり、このような供養形態が発展したという結論に至った。

ネットで口頭発表の要旨が閲覧可能:http://riekonaito.blogspot.jp/2013/01/blog-post_7.html ==============================================================================

3.「現代におけるインターネット供養の展開」

20093『南山神学別冊』第24号,pp.69-85.

インターネットで供養行為を行う現象について。社会的背景を調査し、宗教学的な視点から考察を行った。

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4.「日本の文脈における死者儀礼の諸相」
20103『南山神学別冊』第25号,pp.1-22

伝統的な葬儀のあり方と死者儀礼の諸相について扱い、葬儀というものが古代から現代に至るまでどのような意味を与えられてきたのか、また、死者儀礼が「慰霊」「崇拝」「供養」「追悼」「記念」という五種の位相をもっていることを明らかにし、追憶主義がこれらを貫いていることを指摘する。

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5.「葬送文化の今日的変容
―現代日本における社会変動と新たな葬送文化の形―」<博士論文>

20103月 南山大学大学院博士論文331pp.


 本論は、今日の日本が大きな社会変動にさらされているという事実に基づいて、葬送文化がどのような変容を遂げてきているのか、その現在形を明らかにするという課題をもって議論を進める。
 序では、はじめに研究目的と研究方法について論じ、次に葬送に関する先行研究を扱う。先行研究としては、竹田聴洲、圭室諦成、有賀喜左衛門、森岡清美、ロバート・J・スミス、井上治代、山田慎也、井上章一の研究を扱う。
 第1章では、伝統的な葬儀のあり方と死者儀礼の諸相について扱い、葬儀というものが古代から現代に至るまでどのような意味を与えられてきたのか、また、死者儀礼が「慰霊」「崇拝」「供養」「追悼」「記念」という五種の位相をもっていることを明らかにし、追憶主義がこれらを貫いていることを指摘する。
 第2章では、社会変動と葬送儀礼という問題提起について検討する。今日の日本社会は、都市化、少子高齢化、産業構造の変化という3つの変動にさらされている。まず、都市化によって地域共同体が崩壊し、先祖代々の菩提寺や檀那寺との関係が疎遠となっていった。さらに、都市では市立霊園などの公営霊園に人々が依存するようになってきている。次に、少子化は、いうまでもなく先祖祭祀の継続の基盤を危うくしており、両家の墓といった過渡的な形態も見られることが知られている状況がある。さらに、産業構造の変化は、かつての日本社会が農林水産鉱業などの第一次産業に大きく依存していたものが、第二次産業を通り越してサービス業や情報産業などの第三次産業へと大きく重心を移してきている。
3章では、少子高齢化や都市化によって檀那寺に檀家として所属するという、かつては当たり前であった習俗が解体していき、人々が、葬儀や法事を通じてアドホックに派遣されてきた僧侶と接するようになった状況から、サービス業としての葬儀社や互助会が台頭してきたことを明らかにする。
4章では、少子高齢化の問題によってもたらされた先祖祭祀の永続的な継続の危機に対して、納骨堂や堂内陵墓は、永代供養のサービスを提供することによって先祖供養や墓守の継承者がいなくても先祖祭祀を継続することを可能にしたことを明らかにする。そして、これらのサービスの実際についてさまざまな実例を挙げながら論じる。こうして、伝統的な墓の維持や建立の必然性が失われた状況を指摘する。
5章では、都市化が、墓石のデザインにも影響を与えていることを明らかにする。先行研究においては脱イエの象徴として扱われていたが、名古屋市近郊で実地調査を実施したことによってニューデザイン墓石が全般的に広まっているわけではなく、ニュータウンと呼ばれる巨大団地開発の周辺の墓園に偏在していることを指摘する。
6章、第7章、第8章では、新たな現象の具体例として手元供養、インターネット供養、ペット供養を検討する。供養とは、一般的に仏、菩薩、諸天などに香や花や灯明などの供物を捧げたり読経をしたりすることを意味する。しかしながら、日本の民間信仰の中では死者や先祖に対する追善供養のことを供養と呼ぶことが多い。
その点でいうと、まず、第6章で扱う手元供養はそれ自体として供養のカテゴリーに属すとはいいがたい。一般に手元供養商品は、特殊な遺骨の処理の仕方を提供するものである。一方で、遺骨をロケットやペンダントなどに入れて保管する方法があり、他方で、遺骨そのものを地蔵像などに焼き固める方法がある。
次に、第7章で扱うインターネット供養は、バーチャルな仕方で墓に香や花や灯明などを捧げるものであり、一応、供養の形式にはなっているように思われる。しかしながら、バーチャルな仕方の供養が有効かどうかは疑問が残る。
さらに、第8章で扱うペット供養は、法的には宗教的な意味が認められていない。飼い主のペットに対する思い入れに答えるために作られた新たな風習とも新たな供養商品ともいえるものである。ペット供養が秘めている問題性は、それが伝統的な六道輪廻のような輪廻観を根底から覆すことにある。
9章では、そのような状況の中で、都市化によって失われた講組や葬式組などといった地域共同体、さらには、少子高齢化によって解体されたイエという親族共同体を補完するかのように、墓の建立や葬儀の援助のために新たに作られた自発的な共同体が生まれている状況を指摘する。さらに、これらが新たな他界観の創出とも関わっていることを明らかにする。
結論では、これらのすべてをまとめる。
都市化、少子化、産業構造の変化といったマクロな社会変動の中で、葬送文化は一方で、葬儀社などにアウトソーシングされたり商品化されたりして消費文化の一部となることによって、遺族や親族や地域共同体の人々の手を離れていった。これは、葬送文化の消費文化化と言っても過言ではないだろう。他方で、遺族の手に、あるいは、これから死なんとする人々の手にふたたび取り戻そうとする動きがあることも看過できない。現代日本の葬送文化は、このような二極化の中で変容を遂げつつある。
しかしながら、葬儀業者TEARによる生前予約とNPO法人「葬送を考える市民の会」やライフ・アンド・エンディング・センターなどの活動にあえて共通性を見出そうとすれば、それは、いずれ死にゆくわれわれが、広い意味で自分の死と向き合い、身辺整理の遺言や葬儀や墓の建立の手配などによって自らの人生をまっとうしようとする動きが芽生えてきているといえるだろう。つまり、現代日本において、死の問題は他者の死体の処理の問題から自らの死への配慮の問題へと深化したと言っても過言ではないだろう。


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6.「現代日本における墓石の形状変化」
20107『南山宗教文化研究所 研究所報』第25号,pp.2342

都市化が、墓石のデザインにも影響を与えていることを明らかにする。いままで整理されていなかったデザイン墓石の分類を行い、また、ニューデザイン墓石が全般的に広まっているわけではなく、ニュータウンと呼ばれる巨大団地開発の周辺の墓園に偏在していることを指摘する。


ネットで論文が閲覧可能:http://riekonaito.blogspot.jp/2013/01/blog-post_7851.html
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7.「ペットの家族化と葬送文化の変容」


2011
6『宗教研究』第368号,日本宗教学会.pp.151173.


現代日本におけるペットの家族化と、それに伴うペットの葬送の変化を「物語論」の視点を取り入れて考察した。


ネットで論文が閲覧可能:http://riekonaito.blogspot.jp/2012/09/blog-post_5893.html
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