2012年9月3日月曜日

サンドラ・ヘフェリン『ハーフが美人なんて妄想ですから!』

http://riekonaito.blogspot.jp/2012/05/blog-post_7140.html
↑以前、このブログに書いたスクールカーストに関する記事

http://riekonaito.blogspot.jp/2012/09/blog-post.html

↑この本でも学校内のヒエラルキー、
スクールカーストの話が出てくるのだが・・・

ここで、ひとつ疑問が浮かび上がってくる。

「ハーフ」という存在は学校内で、
そして社会で現在
どういう状況に置かれているのか?というのが抜けてる。

もちろんカテゴリ分けするならば、
ギャルなハーフもいるし
オタクなハーフもいるし体育会系もいる。

しかしながら、ハーフであるということで
少なからずや、純ジャパニーズとは違う
立ち位置にいるんじゃないかと思うんですわ。

キャラで完全に馴染んでいる人もいるし
浮いている人もいるし・・・個々のケースによりけり
だと思うんで、「こうだ」とは言い切れませんが。

そこでこの本が登場・・・



日独ハーフの人が書いた
「純ジャパニーズ」との闘いの本です。

いかんせん、現在はハーフモデルが
(土屋アンナ、長谷川潤、道端三姉妹など)
華盛りのため、

ハーフ=美形=華やかな世界

という印象が強く、地味に生きている
ハーフが偏見にさらされておる・・・という
実態があきらかにされております。

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と、その前に、この本の



AMAZONに載っている
この写真集の出版社/著者からの内容紹介の記述を読んでみてちょ。

ハーフモデルは女の子の憧れの存在。そして、少女の面影を残したプロの女の子だ。少なくとも2つ以上の言語と故郷と国家を持ち、1/100秒の恍惚と、ファッション誌からこぼれ落ちたものを拾い上げる術を知っている。

↑こういうのは、どうなんだ・・・純日本人の
          いろいろなコンプレックスが丸出しじゃないか・・・。


それに、言語を2つ操れるとは限らない。
バイリンガルは個々の努力の結果であって、
日本語しか話せないハーフもいるんでは・・・。
本の帯も「人生のキラキラ」とか「すべての女子センボーの」とか
やりすぎ感を感じるのは私だけだろうか?

あと、思い出したことがひとつ。

リカちゃん人形の設定も、
実は、発売当初は父が純フランス人で、
リカちゃんは日本ーフランスのハーフ。

この本の↓



P149を読めば家系図が出てくるのでわかる。

しかし、現在は
タカラのサイト見ると・・・
リカちゃんの父は「フランスと日本のハーフ」ということになっている。
(なんでわざわざ設定変わっているんだろ?
http://licca.takaratomy.co.jp/profile/family.html

あと、現在のリカちゃんの友達はハーフの子がやたら多い。
http://licca.takaratomy.co.jp/profile/friend.html

子供向けの人形からして、
ハーフ信仰が浸透している感じがするなぁ。

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↑こういう価値観に純ジャパニーズが染まれば染まるほど、
困っている存在が
「地味なハーフ」。
この本ハーフが美人なんて妄想ですから! ! - 困った「純ジャパ」との闘いの日々 (中公新書ラクレ)では、ハーフを4つの類型に分けている。

1)理想ハーフ:滝川クリステルのような人のこと
2)顔だけハーフ:容姿はクリステルレベルだが英語が話せない。
3)語学だけハーフ:バイリンガルだが、外見が地味で「ハーフなの?」と残念がられる
4)残念ハーフ:純ジャパニーズから「ハーフなのに地味で、英語も話せない」と残念がられる

たぶん、純ジャパニーズがハーフとして認識しているのは
1)のクリステルとか長谷川潤タイプであって
多くの普通のハーフが「こんなに困ってます」というのは
この本を読まないと分からないと思う。

バイリンガルに関しても、親の教育と環境と経済状況とによって
違ってきて「日本語しかしゃべれない」というパターンは
意外と多いらしい。
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さて、ここで別の本を紹介するが

地味なハーフと、派手はハーフの対比は
この小説



に嫌というほど出てくる。
姉が地味なハーフで、妹が派手なハーフという設定。

姉の自意識と、妹の自意識のズレが
「独白」というスタイルで描かれている力作です。
純ジャパニーズのコンプレックスも描かれている。

そこに、東電OL事件をモチーフとした
女性が絡んできて、もの凄~く複雑な物語になるのだが・・・
この小説の軸は「日本の社会の中のハーフについて」だと思う。

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話は戻って・・・・

この本

のP33から引用してみよう・・・・

ハーフにも、地味顔もいれば、太めもいます、
スポーツ音痴のハーフもいます。
内向的でオタクのハーフもいます。
モテないハーフのほうが絶対数として多いはず。
そうした「一般ハーフ」にとって、
テレビなどを見て「ハーフ=華やか」という
イメージがすり込まれた純ジャパの存在は恐怖です。
「あの人、ハーフなのにかわいくないね」
「ハーフなのにスタイルがよくないね」・・・・・。

そして、この本、ハーフに対するイジメの問題も
けっこうページを割いていて、
著者がこの本で本当に伝えたかったのは
たぶん、このイジメ問題だと思う。
(体質などに関するさまざまなイジメの原因や、
 いじめの内容が家族にも理解されない、
     校則違反にひっかかる等)

ハーフの場合、年齢によって遺伝子の出方にムラが
あるから去年まではストレートヘアで
今年から天然パーマ、
髪の色も変わる・・・なんてことは
こういう本で読まないと、周囲は理解できないと思う。
教育関係者も読んでおくべきだわ、これは。

この本、2006年に
愛知県で
カナダ・日本のハーフの女の子高橋さんが
いじめ自殺したことにも触れているのだが・・・
二度とこういうことが無いように、っていう
願いみたいなものをこの本から感じます。
=========================
*おまけ*
本書とは
関係ないが、映画『茶の味』で
土屋アンナが囲碁部で
ごくごく普通に馴染んでいたのは
理想の受け入れられ方のような気がする。
だから最後にこの動画を貼っておこう。
しかし、囲碁部ってチョイス渋いな。

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