2012年9月7日金曜日

山内マリコ『ここは退屈迎えに来て』☆ここ最近で一番推しの小説だ☆

ここで村上春樹の小説を推したが・・・・・・・・・・・・・
http://riekonaito.blogspot.jp/2012/09/blog-post_3173.html

読んでいて、ちょっと遠い感じがするんだなぁ・・・

思うことは
「洒落たジャズバーなんて
    地元のどこにもないじゃないか!」
ということだ。スポーツジムとかもないし。
市民プールも閉鎖。

地元にあるのは、駅前の100均、白木屋、エロDVD屋さん、
(注:後日、気がついたが白木屋すら数年前に潰れていた・・・
王将、ブックオフ、30年くらい前からあるピアゴ。
ピアゴの中のガスト。
そしてかろうじて最近出来たGEO。

GEOが出来たときは街の格上げ感半端なかったな。

そこを離れると、パチンコ屋さんの
パのネオンが消えたパチンコ屋さんが!
なんでうまいことパだけ消えているのかな!?

その前には店名の最後に♡が付いているタコ焼き屋さん。

そんな街にちょこちょこ点在している喫茶店。
(我が家もそのうちの1軒、しかもヨーロッパの城風の外壁に
 母が筆文字で書いた書体の看板が掲げてある店
               ・・・だったが既に閉店してます)

そして、駅構内で定期的にやっている「野菜即売会」。

半端ないこの地方感。

せめてイオンモールができればいいのに、と思うが
その予定もなさそうだ。

でも、自分はずっとここにいるんだなぁ~

ここで回顧モードに==========
そういえば・・・
もう記憶の彼方すぎて
うっかりデフラグするところだったが・・・

そういえば22歳かそこらの頃に
小学生の頃の同級生の男の子と
地元のガストで食事したんだっけか。


自分は中学からは電車通学で
都市圏に通っていたため
小学校の同級生とは
あまり接触なかったんだな~

それが、その同級生が他市の家電量販店の
契約社員か何かになっていて
私が客として行って偶然再会して
なんでか知らんけど一度会うことになったのだ。

その子は、小学生の頃、
習字が物凄くうまかったので
何か魅かれるものがあるかもしれないと思ったが・・・
まったくもって話が盛り上がらなかった。

彼は郊外に住む典型的人間になっていた。
普通に働いて、たまにスノボに行き、
好きな音楽はJ-POP。
その後、習字を極めているかと思いきや
それは全然なかった。

彼は家電量販店で真面目に働く青年として
評価できるに違いなかったし、
人間として総合的に見るなら
社会適応力のありそうな
むこうのほうが
自分よりも断然評価されるべきだ。

しかし、その頃、自分が求めているのは
バランスではなかった。

せめてサブカル臭が少しでもあれば、
せめてオタク臭があれば。
せめてちょっとでも珍しい趣味でもあれば。
もしくはちょっとしたヤンキー臭でも良かった、
個性になるから・・・。

彼の「郊外の青年のザ・定番っぽい感じ」を見ていると
なんか違う、と思った。

もし、この人と一緒にいても、
ここからどこにも行けないだろうな。
どっち方面でもいいから、
どっか違うところに行きたいわ。

とてつもないモヤモヤ感に覆われた。

その時の「虚無感」っていうのが
うまく言語化できなかったのだが、

その世界の果て感、を言語化してくれたのが
この本だと思う。
10年前に感じたモヤモヤ、アレを
この本が代弁してくれている(涙

自分はあのモヤモヤから逃げ去るために
読書をし、多くの映画を観て、どこかに行こうとしている。

あいかわらず、場所的には同じ街にいるのだがWW

おそらく、習字のうまかった
家電量販店のあの男子は
きっと、今頃、キロロをカラオケで歌うのが得意な
嫁さんをもらって幸せな人生を送っていると思う。
嫁さんは、友人の結婚式でもキロロを歌うと思う。
たぶん子供もいるだろな~
そしてしまむらで買い物して、スタジオアリスで七五三。
きっと、そうだと思う。

現実的に、客観的に見ると、
自分は置いてけぼりで(サブカル少女の果ての先の三十路)
周囲の人たちの人生のほうが
450段階くらい進んでいるのだが、
自分の内面からは、あの頃のモヤモヤが減ってる。
この先何があろうと、あの時の虚無感よりはマシだと思う。

前置き長くなりすぎた!!!

今日はこの短編集のご紹介


この本は
郊外化した日本に住む若者の半端ないモヤモヤ感、虚無感が
言語化されている!!
涙が出そうなほどに。

この本の著者、山内マリコさんという人の感性は凄い。
この人、死ぬほど映画観て、
死ぬほど本読んでることがわかる。
それでもって、自分の感じたヒリヒリした地方都市の空気を
作品としてアウトプットできる才能のある人。
宮台真司や、速水氏、三浦展などの
書籍の空気感を芸術として昇華しつくしているのが
この本だと思うのだ~

日本ってのは、
郊外化している場所が大半なので
この小説に共感できる30代は多いと思う。

短編集の概要をまとめるとこれだ==================

1)いきなりファスト風土の話。東京に出たサブカル系が
郊外化した街にUターンした時の空気感が笑える

2)ゴーストワールドを彷彿とさせる短編
3)博士課程で挫折しかかっているゲイの男の子が
ゲーセンでスクールカースト上位の男子と淡い交流をする話
(これは、死ぬほど心にしみる・・・)
ドリュー・バリモアの名言でしめたのがイイ

4)地方都市の若者のSEXについて。
この空虚感半端ないです・・・・・・・・・。

5)もし自分がアメリカに生まれたら、という妄想。
(実は、これ、私もよく妄想していたので吹いたW
 実際に、人に語ってドン引きさせたことあるしWW)

6)東京のミニシアターに人がいっぱいいて
ビックリする地方出身の女性の気持ちを描いたのが
イイナ、と思った。
サブカル詳しいのは自分だけ、という変な自負が打ち砕かれる
一瞬、というのを描くのは目の付け所がいい!!
しかも、観た映画っていうのがコレというチョイスが絶妙
ちなみに、自分の経験を書くと
名古屋の場合ですね・・・
ミニシアター系行くと客が本気で2,3人だけということがあるのでW
「あ、やっぱ自分って変態的にマニアックなのかな」という
変なエリート意識の勘違いが長引くことがあります・・・。
ただ、これ、勘違いなんですがね・・・長い人生だと
自分よりマニアックな人に出会うことありますよ。

7)援助交際の話。宮台真司の初期の本を小説にするとこんな感じか?

8)速水氏のこの本
このような文化の中で、処女であることに焦りを感じ
眠り続けて逃避する少女の話。
たしかに、ファスト風土の中では、処女であるということは
「ダサい」と思われがちなんだけど・・・・・・・
サブカル系でいくと辛酸なめ子が本名で書いた
処女についての処女小説もあるくらいだし(ダジャレかよ)
「一周まわってむしろお洒落」だと思う。
注)ここで私から一言
    サブカル少女は、地元から抜け出し、
     仲間のいっぱいいる女子校に行け!!
       変な焦りでノイローゼにならずに済みます!
==============================
ちなみに、これら短編集に一貫性を出しているのは
「椎名くん」という
ファスト風土の中のスクールカースト上位の男子。
彼はファスト風土に限っていえば
スクールカースト上位のスターなのだ。
要するに、井の蛙なのだが・・・
彼の存在がこの本の象徴として輝いている。

 =========================
ちなみに、ファスト風土を舞台とした
作品には『下妻物語』があるが
ファンタジーフィルターかかっているので、
こっちの本のほうがよりリアルだな。
あと、指摘する人は少ないけど、アトラスのゲーム
ペルソナ4は郊外文化を舞台にしているのが
凄くイイと思うんですよね。
なにげにファスト風土の中の風景なのだ。
ゲームなのにこういう風景っていうのは
実に珍しいんだな。ジュネスってたぶんジャスコのパロディだしね。
あー、なんか結局アトラスのゲーム推しになった。
==============================
*まとめ*
地方で燻っていて、
周りのファスト風土に違和感を感じ、
たまにイオンモールのヴィレヴァンサブカル臭に
胸をときめかせたことのある人には
絶対読んでほしい1冊です。


「これは自分のためだけに書かれた本じゃないか?!」と
涙しながら共感する人が全国各地に出てくると思われる。

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