2012年11月6日火曜日

【女性向けコミックエッセイとイラストエッセイの系譜】

はじめに☆このブログ記事のお題、
「女性イラストレーターの系譜」にしていたのですが
Twitterで「女性向けコミックエッセイとイラストエッセイの系譜」
のほうがいいのでは?と、ご指摘いただいたので修正しました。
ご指摘ありがとうございました☆

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えーと、あれは一週間ちょっと前のことでした。

愛知県内の某ショッピングセンターの
本屋で雑誌spoon.を発見。

地元の本屋さんにはこのような
オサレな雑誌が置いていないため
興奮して購入、ブログでその感想を書いたところ・・・
反響をいただき、その流れで
能町みね子さんというイラストレーター兼ライターさんの存在を知り、
さっそく能町みね子さんの本を読みました。



・・・という流れです、少佐!

えー、能町さんは女性のイラストレーターさんで、
(詳しい経歴は以下)
http://www.weblio.jp/wkpja/content/%E8%83%BD%E7%94%BA%E3%81%BF%E3%81%AD%E5%AD%90_%E8%83%BD%E7%94%BA%E3%81%BF%E3%81%AD%E5%AD%90%E3%81%AE%E6%A6%82%E8%A6%81


能町さんの作品のメインのテーマは「非モテ女子」みたいです。
(もし間違っていたらすいません)

んで、ふと、思ったんですよ。

女性のイラストレーターさんって
いろいろ系統があるよなぁ・・・とな。

ここらへん、整理したら面白いかもしれないと思って、
自分の脳内HDでネタだしできる範囲で
整理してみようと思います。

えーと、私の脳内HDによれば
能町さんと同じ「非モテ」を軸にした
イラストレーターさんに坂崎千春さんがいらっしゃいます。

なぜ、スイカのペンギンのデザインをした
カリスマイラストレーターさんが「非モテ」系なのかといえば・・・

この本、『片想いさん』は



全編非モテをテーマにしているんですよ。
しかも、自分のネタで・・・。

自分の片想いネタを
本にするとは・・・・・
痛いといえば痛いんですが、
絵柄があまりにも洗練されているし、
全編を流れる空気感がオサレなため
全然非モテの悲壮感がない摩訶不思議な本。

リアル片想い×ごはん×読書×洗練されたイラスト×北欧好きそう=非現実感

が坂崎さんの本『片想いさん』ならば・・・

能町さんの『縁遠さん』は

非モテ(自身のネタではないようだ)×脱力系の絵×女子あるあるネタ=現実感

なので、かなり違った感じがするなぁ。
能町さんのこの本は、
漫画メインでたまにガールズトークを挟む・・・
「隣のお姉さんとしゃべっている感じ」が
魅力でしょうか。

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非モテ系統だと、腹肉ツヤ子さんとかも
挙げられるような気がする。
http://blog.dtiblog.com/interview/haraniku.html

しかし、ツヤ子先生は、非モテネタというよりは
振り切れすぎて、モテ・非モテの壁を越え、
毎日がものすごく楽しくなっている感じが出てる。

同性ウケするのは
このポジションだし、
実際、ツヤ子先生のイラストは
女性ファッション誌でよく見る。

「るきさん」の悟りっぷりが
坂崎千春さんに継承されているとしたら、
辛酸なめ子氏の振り切れ感が、腹肉ツヤ子先生に
継承されている感じでしょうか・・・。
(ちなみに辛酸なめ子氏の書籍は断然初期のもの、とくに
なんのジャンルかわからない脱力漫画系・・・なめ子の千年王国とかが
おススメです。私は初期のなめ子作品はだいたい読んでます)

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えーと、非モテ系女性イラストレーターの話はいったん置いておき、
オサレ系イラストレーターの話に移りましょう。

オサレ系イラストレーターは
オサレ系女子の一種の「究極の自己実現のゴール」
となっているように感じます。

女の子の憧れの雑誌に
自分の好きなファッションを絵で表現って・・・
女子の自己実現願望の
旨味てんこ盛りな感じがするジャンルです。

オサレ女子の
「雑誌を媒体にした自己実現の理想形」は3種類あって・・・

1)読者モデル→ブランドプロデュース→結婚(雑誌で結婚報告)
 
↑JJ系でこの自己実現パターンが多いが・・・
酒井景都さんは森ガール系でこの流れの自己実現をした稀有な例。

2)ジッパー系だと読者モデル→歌手・ガールズバンドという
流れが新たに出てきたように思います

3)オサレイラストレーター→イラストレーターの「お部屋紹介」として
ananに部屋のインテリアの写真載る
(もしくは、おおたうに先生みたいな安定した感じのポジションになる)
 
90年代は、自分探さない系がメインだとされているが・・・
もし、その中に、なんらかの自己実現を目指す
隠れ自分探し系女子がいるとしたら、
彼女らの自己実現ゴールとして
オサレファッションイラストレーターという職種が存在する気がする。
(蜷川実花、清川あさみなどの写真家も女子の自己実現ゴールだ)

そこらへんの事象についてはこの本も参考になる!
http://riekonaito.blogspot.jp/2012/08/blog-post_12.html

そのロールモデル的存在が、おおたうに先生。

うに先生、いまもジッパーで連載していらっしゃいます。
新しい『うにっき』も出ているし、この安定感は凄い。
オサレイラストのジャンルでこれだけ息の長い人ってなかなかいないような。
私はおおたうに先生の本では
映画のファッションに焦点をあてた本が好きです。

安野モヨコ先生もロールモデルだな。
ただし、モヨコ先生は
漫画家なので、正確にはイラストレーターではないのだが
VOCEで「美人画報」というイラストエッセイを連載、
オサレイラストレーターとしても活動していたので
ここに挙げます。

お二人の共通点は
「絵柄はカチッとしてなくて
岡崎京子先生のラフさを継承している」・・・といった
点が挙げられるような。

ただ、モヨコ先生の場合、
海外旅行や買い物日記などセレブ生活を
あまりに正直に描きすぎ、

また、モヨコ先生が綺麗に変身した
写真を全面に押し出したため、
いろいろなマイナスな反響もあったそうです。
(『美人画報』の3巻目にその事件について書いてあります)

そして、その後、オチビさんなどの脱力系の漫画に
移行してしまったような・・・。
(またモヨコ先生の『ハッピーマニア』とか『花とミツバチ』みたいな
濃い作品が読みたいです)

モヨコ先生の過去の苦労人ぶり、
そして凄まじい仕事ぶり、
岡崎京子先生の『ヘルタースケルター』単行本出版への協力など
モヨコ先生仕事全部把握している
ファンからすれば
「モヨコ先生、あれだけ鬼のように仕事しているんだから
スクリーントーンまみれの人生なんだから、
ストレス解消に海外で買い物したっていいじゃん!
高いパック買ったっていいじゃん!」

・・・・と思うし、私もそう思うのだが・・・・・

『美人画報』だけ断片的な情報として
見てしまった読者から
反感買ったのかもしれん・・・。

ちなみに、おおたうに先生は
大御所となったいま現在も、自虐ネタを入れるのを
忘れません。



女性誌でファッションイラストを連載することの
旨味苦味を知り尽くした大御所ならではのマーケティングだと思います。

このジャンル(オサレファッションイラストレーター)では
90年代生まれの新人として
大石蘭ちゃんが出現したみたいで
spoon.にイラスト&90年代女子解説を描いていらっしゃいます。


新旧のファッションの中からネタを拾って絵にしていく力・・・
神秘性、そして同性ウケのための自虐ネタもちりばめる・・・
などなどテクニックが必要なり・・・
「女の子の憧れのポジション」だからこそ
難易度も高そうなジャンル=オサレファッションイラストであります。

そういえば・・・
歴史的に見るならば、
ガーリーファッションイラストのイラストレーターは、もともと
中原淳一、内藤ルネさん、長沢節など
ゲイカルチャー色が強かったジャンルです。
だからこそ、「女の子の永遠の憧れ・師匠」として
神秘性を獲得できていたような気がする。

これを女性がやって、さらに同性からの
安定した人気を獲得するとなると
けっこう難易度が高いのかもしれん。
蘭ちゃんがんばってください!
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えーーーーと、

非モテ・オサレという二項対立で女性イラストレーターを見てきましたが、

最近では、オサレなのに非モテ・・・
という最強ジャンル女性イラストレーターが出てきました。
同性・異性どちらにもウケる最強ジャンルです。

具体例を挙げると、犬山紙子さんかな。
あと、杉浦さやかさんも美人なんだよな。

杉浦さやかさんの本だと
日曜日の過ごし方と、国内旅行の本が好きだな。

杉浦さんは
最近では婚活をネタにされたようで。
ガーリーで婚活で、ほのぼのでオシャレ。そしてコケシ好き。

もう、いろいろな要素が絡み合いすぎてよくわからなくなってきました・・・
 
そういえば、婚活ネタ、ほのぼの・・・・といえば益田ミリ先生ですよ!!

しかし益田ミリ先生の魅力は、よくよく読むと
ほのぼの系ではないところなんです、実は。

彼女の作品、絵柄がほのぼのしてアクがなさすぎるために
見逃してしまいがちですが、
けっこう毒舌っぽいキャラが見え隠れしているのが魅力なんです。

ほのぼのキャラのミリ先生の作品の中に
ちょっと垣間見える「裏・ミリ先生」が面白い。

自分の記憶に残っている「裏・ミリ先生」

*日本の全県を制覇する企画本の中で「途中で虚しくなった」と書いている

*『ゆるゆる作家生活』の中に出てくる編集者とのやりとり、
よくよく読むと、実は全然ゆるくない

*ミリ先生がイラストレーターを目指し上京し、
イラストの仕事の売り込みに行ったときのエピソード。
「応援してあげたくなる人に見せるために、リュックを背負って
青いシャツを着て行った」など、ロックハート先生ばりの
マーケティングを行っていることを本に書いていて面白い。

ミリさんの人気シリーズ「すーちゃん」も、悟っているようでいて、
けっこう毒舌っぽさが見え隠れして
そこらへんが同性の共感を得ている要素かも。

なお、究極のガーリー×非モテは高野文子『るきさん』なのだか・・・・
いかんせん『るきさん』が宇宙人レベルでの悟りを感じる
非モテ・ガーリーキャラなので
そこまで悟れない人の裾野は広く、
そこらへんの読者層向けのコミックエッセイは毎年たくさん出ております。

森下えみ子さんの『女どうしだもの』あたりも
そうだと思います。

長くなったので、いったん整理してみよう。
たぶん、こんな感じ。

腹肉ツヤ子さん:開き直りキャラ(同性ウケ)

辛酸なめ子さん:毒舌キャラ(同性ウケ)

益田ミリ先生:オサレ・ほのぼの・毒舌(同性の共感)

杉浦さやかさん:ガーリーほのぼの(同性の憧れ)

おおたうに先生:オシャレだけど自虐を忘れない(大御所安定)

安野モヨ子先生:大御所・復帰期待

坂崎千春さん:自虐片想いネタだが春樹作品のようにアクがない・
スイカのペンギンが有名になりすぎてカリスマ・神秘性あり

能町みね子さん:あるある共感ネタ・同性ウケ・ガールズトーク的

高野文子先生:解脱・悟り

森下えみ子さん:悟りきれない読者層(裾野広い)の読者の共感獲得

犬山紙子さん:同性&異性にウケる

長くなりましたが、とり急ぎここまで整理してみました。

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