2012年12月10日月曜日

『anan2012年12月12日号』VS『アンアン1970』(赤木洋一)

先日、JJに関する記事を書きましたが・・・

実は、ワタクシ個人的な興味で
JJを買ったことは一度もありません(汗

女子大で現代文化の講義を担当させていただいておりますので
その資料として去年のJJを保存しておいたのであります。
毎年比較したらオモロイだろな~と思い、
本棚に保存しておいたのです。

じゃあ、自分は個人的には何を読んでいるのか?と申しますと・・・
ELLEgirlです。





ELLEgirlの良さは、「コスパ」「コンパクトさ」「しかもオマケ付くことも」
「海外の最新事情が読める」「それでいて、難しいファッション用語には
きちんと説明が付いていて見下したところがない」日本の雑誌のように
よくよく読んだら、最後に広告混ぜ込みでがっかり・・・率が少なく、
純粋に読みものとして楽しめる」
「日本人による日本人向けの記事も
ちゃんと読み甲斐のあるものになっている」
「なにより海外のスナップが異常にかっこいい」

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それに、ELLEgirlに特集されているような
欧米のスターガールはこれでもか!というハングリー精神を持っていて、
個性を打ち出し文化を創造していく力がある。面白い。
サクセスストーリーも

*LAのゲーセンでスカウト
*非常に強引な売り込み
*自分でYOUTUBEでPV作ってブレイク・・・

などなど、それぞれが自分の道を切り拓く感じが好きだな。

日本の雑誌の読者モデルが「隣のお姉さん」
日本のアイドルが「クラスにいそうな子」
に寄っていくのに対し、欧米の雑誌は「憧れ」「ときめき」があるよ~

あ、ちなみにスターガール群の中に日本のきゃりぱみゅが入っていたのは
嬉しかったが。
 
 
さて、いまでこそ、ELLEやELLEgirlが日本で読めるようになり欧米の
最新情報やライフスタイルを手軽な価格で学べるようになりましたが・・・・・・・
 
もともとはananがELLEの冠を付けていたことは
ご存じでしょうか・・・??
 
 
1970年の創刊当時のananは
まさにELLEJAPONの冠にふさわしく、世界のファッションにアンテナを張り
なおかつ、その中から日本の女性に受けるものを必死で探して紹介していた。
 
 
右上を見てくれ!ELLEJAPONの冠が!
 
もともとは平凡パンチがまったく新しい
「女性ファッション誌」をつくろうとして
ものすごい新しいチャレンジをしたのがananという存在だったんですよね。
そこでELLEとも提携した。
 
パリまで行って、ベロちゃんという
日本にウケるファニーフェイスなモデルを探して
日本に連れて来たり(スタッフの家にホームステイさせたようだ)
創刊号にはパリコレを身にまとった
カトリーヌドヌーブを載せたり、
アランドロンからコメントが来たりと・・・
そりゃ、もう、ものすごい気合いの入りようでした。
 
3号ではルイ・ヴィトンの特集を組み、
そこから日本の女性にルイ・ヴィトンのブームが広がったりしました。
 
それでいて、読み甲斐のある気さくな記事
(国内旅行をライターさんが手書きでまとめたもの)
も載っていて・・・
 
国内の読者が欧米の最新ファッションを知り、
さらに国内のライターさんが書いた
面白い記事も読むことができる。
 
つまり、いまのELLEgirlのような役割を果たしていたのですね。
 
ananの1970年創刊当時のアツさは
この新書を読めばわかりますよ!!
 
 
 
本書の8P↓
当時、どれほどananが新しく、
そして革命的だったのかがわかります
 
 
この新書、読み進めてくと
編集部のメンバーの人柄が暴露されていたり
人事のことまでアケスケに書いてあって
「大丈夫かいな?」と思うほど全部書いてあります。
anan創刊スタッフの日記に近いですW
 
途中で編集体制が変わり、
偉い人一人&平社員&外注ライターという
異色の体制でつくるようになったとか、
凄い技を持つライターがいた、とか
伝説がたくさん。
 
一番凄いのは「女の子にとってお**ちんはなあに?特集」(ナンダコレ
そのほかにも「**で、**で幸せです」(過激なので伏字にした
などなど・・・新しいことを攻めていこう
(その方向性は微妙だが)
という気概が感じられた。
 
撮影も、アーミッシュの村で行ったり、
スペイン・モロッコ・ポルトガル・・・と攻めの姿勢で誌面を
創造していたのだ。
 
ちなみに、1970年代のananに広告埋め込み記事ができた
経緯も載っている。すでにこのころから
この手法はあったのだ。
ただし、このような事情である。
 
*ananは当時の雑誌出版の常識外のサイズだった
(いまとなっては普通だが)
*ananの広告だけのためにスポンサーは
ananサイズの版下製作費をつくることになる。
(経費がかかりすぎる
*そこで、anan側が「広告出してくれるなら
うちで広告記事も作ります」と提案
*その結果、5ページ以上というファッションページと
同じヴォリュームが必要となったが、読み物としても
成立しうる広告混ぜ込みページができた
 
この手法は、のちに他誌でも
受け継がれたわけですね・・・
(いまとなってはバレバレなので、広告と記事
ちゃんと分けて欲しい気もするんですが)
 
 
んで、私が純粋な読者としてananを読み込んでいたのは
いまから15年前です。(以下は私の脳内記憶による記事となります)


15年前のananについて印象に残っていること
当時、葉月里緒奈がいろんな意味でブームになり
「魔性の女」特集が組まれていた覚えがあります。
内容も「女の子にとってお**ちんはなあに?特集」
・・・というような、どこか素っ頓狂な感じのするものではなく
「実際にどのような寝技を使うのか、どのようなプレイをするのか」を
オサレなイラストで説明してある過激すぎるものだった気がします。
なんというか、ほとんどナインハーフの世界だった気が・・・。
 
もちろん、毎号特集が違うので
一概には言えませんが
(ananの毎号の目次は以下のリンクの
雑誌キャッチコピー集をご参照ください)

 
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で、やっとこさ本題ですが・・・ひさしぶりに今週のananを
読んだら、毒っけも飾りっ気もなく、
『天然生活』『JUNON』『JJのメンズダメだし』AKBの私服スナップ
『anan黄金期回顧ノスタルジー』
・・・・・・・・のオムニバス映画みたいになっている!
 
「丁寧に暮らす系」??

と思ったらJUNON?

と、思ったらSPA?
 
『anan1970』にも外注ライター&カメラマンの話題が出てきたけど
当時は統括する人が細かく
ダメだししてたおかげか
各記事のクオリティとかトーンは均一だった気がする。
 
しかし、いまのananはさまざまな若手監督が短編映画を
撮ってきたのを繋げて1本の作品としてリリースした
『JAMFILMS』みたいなことになってる。
 
オムニバス映画って一人の監督が複数の短編を撮って
一つの作品にするパターンがあるが
JAMFILMSは複数の若手監督が 各々好き勝手やっている、それを繋げた・・・
その感じがメッチャクチャで面白かった。
このシリーズで邦画界が一時的に面白くなったし
若手発掘の意味もあった。
 
・・・・・・が、あくまでも、これは映画の話であって
 
ananのような雑誌内部がJAMFILMSみたいなことになっていると
正直、どこらへんの読者層を狙っているのかサッパリ・・・
おそらく・・・作り手側がアンモラルカスタマイズみたいになっているかと
http://riekonaito.blogspot.jp/2012/12/blog-post_3627.html

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むしろ、キューティーの方向転換、
JJの手のひら返しは
潔いように思えてくるし、
さらにいえば、ドラッカー的に顧客の再創造をしている
という説も寄せられました↓
各誌、ターゲットを絞り、切り捨てるところは切り捨て、 雑誌を売っていこう、読者の顔を 想定して割り切って誌面をつくる潔さが感じられる。
 
ところがですね、ananは読んでも読んでも
読者の顔がぜんぜん見えてこないんですよ。

各誌、それぞれにターゲットを絞って撃とうとしているのに
ananは どこに向かって撃っているのかわからない。
 
実際に、anan2012.12.12号を見ていこう・・・(以下
 
おお、この手仕事の細かさは
天然生活系の丁寧さか???
 
今回の特集、天然生活もビックリの
手仕事の紹介記事がメインなんだな。
 
かつてのananの「インテリア」「おそうじ」特集の
「洒落っ気」「かわいらしさ」は抜けて
徹底的なプロの手仕事マニュアルになっている。
 
・・・・と思いきや、どうせ自分ではできないでしょうから
プロに頼もうというオチになっている↓
 
えええーっ?!
 
天然生活が「自分でやってみよう」
「美しく生きる」という美学を持っているのに対し、
こんなに難しいので「プロ(しかもイケメン業者)」に頼もう、
という結論に・・・あわわ。
 
さらにたたみ掛けるようにルンバの広告が!
さらに大洗濯フェス開催→洗剤の広告入れ込みで
怒涛の広告コンボ。今回のおそうじ特集はメイン特集なのに、
ほとんどが「おそうじアウトソーシング会社」「ルンバ」「洗剤」の
広告につながっている。
 
しかもここにもイケメンが絡んでくる。洗濯王子よ・・・
==========================
 
かと思いきや、唐突に始まる
JUNONモード。
この「ハンサム祭」ですが(汗
 
『JUNON』の縮小版にしか見えませんでした・・・。
記事内容とかも。
 
でも個人的には三浦春馬くん見れて幸せですが。
(あとで切抜きしておこう
 
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かと思いきや、唐突にはじまるニオイ特集
(SPA!の加齢臭対策記事のようだ)
でた!細かいメンズチェック・・・
JJのキス顔メイクのノリだな、これ
 
やはり女性にモノを買わせるには
メンズがダメだしして危機感を煽るのが
一番効果が上がるのか?
 
んで、これも、口臭ケアなどの広告につながるわけだ・・・
 
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最近はananを毎号読んでいるわけでもないので
何とも言えないが・・・
 
過去のインテリア系の記事とか収納系、おそうじ系でも
もっとドリーミーな感じだった気がする。
可愛いガーリーイラストでお掃除の仕方を説明したりとか。
「男の子を呼べる部屋」っぽい感じだったような。
 
それが、細かい手仕事系の「本気でキレイにする職人」モードに。
さらに「こんな本格的な作業自分でできるか!」
と思ったところへ、アウトソーシングの業者や ルンバに丸投げ。
 
その後、JUNONやらニオイに行き・・・
 
最後はなぜかAKBの私服スナップだ。
いや、自分はAKB好きだし、実のところ
AKB新聞も持っていたりするので
決してアンチAKBではありませんよ。
ただ、AKBの私服公開は
AKB新聞とかティーン誌に任せておけば
いいのでは・・・
 
可愛いけど、本来のananの読者の求めていた
おしゃれとはズレている気がするんだが・・・?
 
というか、パーカーのしたに何か
履いたほうがいいよ。冷えるし。

あと、唯一読み物として面白く読める記事が
「アラサー女子限定ノスタルGスポット」 なんですが・・・
(うわ、よくよく読むと下ネタじゃん)

これも、ananの黄金期を振り返り
自身のデータベースを消費していく
仮面ライダーディケイド状態になっているような。
しかも鳥羽潤や「あんじ」が出ている・・・ナツカシー
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というわけで、ざっくりとではありますが・・・
 
いまの時点の結論はこんな感じ。
 
*ananの読者像がまったく見えない。
ノリの違うライターさんが各自スポンサー付きの記事を書いて
統率がとれていない感じが。まるでオムニバス映画。
JJのようにゆるふわに振り切ることもできず、
天然生活のように悟ることもできない、
リンネルだとおしゃれで読み甲斐もあるし付録もあって充実しているが
若いイケメン載ってないので食指が動かない・・・
かといってJUNONを買える歳でもなくレジに持っていくの恥ずかしい・・・
海外系の最新モードの載った
オサレ雑誌ほどオサレ番長になる気合いもない・・・
ラグジュアリーな雑誌見ると現実と違い過ぎてストレス・・・
そこらへんの読者層をひとつひとつ消去法で消していき
残った層が「なんとなく雑誌買ってみるか」と思ったときに
コンビニで手に取るような「落穂ひろい」的な雑誌と化してないかなぁ。
落穂ひろい:http://www.salvastyle.com/menu_realism/millet_gleaners.html

*それと、最新号のanan見たら、
江原さんの連載が、またはじまっていたので びっくりした。
おそらく、ananのスポンサーに 占い業者がみっちり軒を並べているという
背景がそこにあると思う。
江原さんの連載が、占い業者のスポンサーを牽引する役割を
果たしているので、江原⇔ananは 縁がきれそうできれない。
 
*あえて読者像をイメージするとしたら
大久保佳代子、いとうあさこ、鬼奴さんのイメージだ・・・。
それなりに働き、お金もそこそこあるので
掃除業者も外注できる。
イケメン鑑賞を肴に酒を飲む。 将来の不安から占いにも行く。 そんなイメージ。
 
AKBの私服ネタも、「若い子のファッションの傾向」を
話のネタにするために大久保さんが
チェックするためのページに見えるのだが。

ノスタルGスポット企画も大久保さんが
「あら、これ懐かしいわね」と言う姿が 目に浮かぶ・・・
(ひさしぶりに会った光浦に「今週のanan面白いわよ」と
手渡すシーンまで妄想してしまった)
 
結論その1:いまのananは大久保佳代子さんが
コンビニで買う雑誌に思える。
 
結論その2:広告混ぜ込み記事は1970年代から
すでにあった。が、しかし、当時はスポンサー側の
版下製作費削減のために考えられた手法。
(当時、ananは内容は良かったのに
先駆的すぎて売り上げが良くなかったらしい)
 
いまは、この手法が拡大し、メイン特集まで浸食している。
そのぶん、『リンネル』は自分の雑誌の中に 「リンネル通販」を立ち上げ、
広告に頼らずに 自分で稼いでいるので、賢いと思う。
『リンネル』が上手いのは、メインページは
ファッション誌として割り切ってキレイに構成し、

そのメインページよりも「ちょっとだけ割安なリンネル系の服」 をオリジナルブランドとして通販コーナー で売っていることだ。

リンネル系の服ってファスト風土に住んでいると なかなか買えないので、
通販はかなりありがたいシステムよね。
広告混ぜ込み記事に頼らずに、魅せるときは魅せ、 夢を見させるときは見させ、
れとは線引きして、 買わせるページは通販として買わせる。

広告混ぜ込み型の記事は 夢を壊すし、広告を金で買わされた読後感は
ちょっとイヤンな感じなのだが
・・・ リンネル型の雑誌形態は潔くて、好感が持てる。

一方で・・・
『天然生活』に至っては、清貧の思想、自分自身の暮らしを
丁寧にしていく・・・という思想そのものに
信者的な読者がついていくので 純粋な読み物として、安定している。

今週のananは手仕事の細かさだけは 天然生活風味だが、
根本の精神性が 天然生活と、まったく違う・・・。
 
結論その3:anan創刊当時の美学は
ELLEgirlが担っている。
ELLEの冠は本家ELLEに還ったし、
ananの創刊当時のファッションに関する美学的なものは、
他誌に分散されて継承されているので
それはそれでいいかも。
 
結論その4:ただ、ananが日本の文化に貢献した
功績は非常に大きいので、それを
 
 
この本で多くの人に知っていただきたいっす。
 
そして、できることなら
当時のananの前のめりな感じ、
他誌の後追いじゃなくて
「先駆け」だったころの
勢いが戻ればいいのになぁ~とも思います。
 
===================================================
ちなみに本文に登場したリンネルと天然生活はこれです
 

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