2012年12月15日土曜日

西餅『犬神もっこす』×岡田尊司『アスペルガー症候群』

今日は、自分のイチオシ漫画
『犬神もっこす』を紹介します。










ちなみに・・・
なぜ、私は最近
モーニング系の漫画ばかり読んでいるかといえば・・・

答は簡単だ!

近所の喫茶店に『週刊 モーニング』しか置いていないからだ!
どーだ!他誌は知らん!

えー

それはともかく、選択肢がないとはいえ
モーニングの漫画は全般的に面白いと思います。

そして、その中でも、群を抜いた面白さを誇るのが
『犬神もっこす』だ!

連載当初、「なんだコレ!大丈夫か!」という空気感満載だったけど
(最初は劇研もっこすというタイトルだったよーな)
なぜだか作画が安定、その後、面白さに毎回波はあるけど
突発的に「いままで感じたことのない面白さ」に襲われるこの漫画。

なんで面白いのか、考察してみよう。

まず、第一に
犬神くんが、過去の漫画史の中にいないタイプの主人公だから。

漫画の主人公ってこういうタイプ多いよね・・・
少女漫画でも、なんだか感情が豊かすぎて、
全然感情移入できないキャラばっかし・・・
いや、人間の感情を表現するのがマンガなんだろ・・・と言われれば
その通りなんだけど、この漫画の主人公の存在の後ろには
  モブキャラ的な人がいっぱいいて、 そのモブキャラの中でも、
 グループからハブられて 一人、 木のウロの中で
パン食べているタイプいるじゃないですか!

そして、いまだかつて、一人木のウロの中でパン食べているタイプを
主人公として扱っているマンガを見たことがなかった・・・・。

  というか、だれも思いつかなかった・・・。
なのに、木のウロでごはんを食べているキャラが登場したのだ。
それが『犬神もっこす』の犬神くんです。
 
どーですか?このモブキャラ感。
 
そして、このKYでハブられるキャラ・・・
 
なんだか、逆に、とても癒される・・・
 
この犬神くん・・・
1)集団生活になじめない
2)感情が表に出ない・人の感情が理解できない
3)工作や増築が上手い
そして・・・
漫画のキャラとして致命的。
漫画は目が重要なのにメガネで表情も見えない。

なおかつ、この犬神くんが
演劇部に入るという設定なのだ・・・
 
理系のサラリーマンを描いた
オタリーマンとは
またちょっと違うんだな・・・
======================
 
しかし、ここで、キャラ分析を分析して
犬神くんを「アスペルガー症候群」と言ってしまうと
問題があるし(アスペルガーに対するイメージを
固着させてしまうし偏見になるので、それはしたくない)
もし、作者の西餅先生が
アスペルガー症候群のことを想定していなかったら
てんでお門違いになってしまう。
 
ので、ありますが・・・
 
この本を参考にして分析してみると、
やはり当たらずとも遠からず的な
感じがするのであります。

ので、これを機会にこの本を紹介します。
 
 
 
さて、この本なんですが・・・
なにゆえおすすめかと言いますと、
アスペルガーを紋切型に斬ってしまわず
「多様性がありますよ」と丁寧にわかりやすく
説明してくれているところです。
 
正確にいえばローナ・ウィングさんが分類した形を
岡田先生が紹介している。
 
1)積極奇異型:いわゆるKY。小さい頃は「面白い子」
そのうち周囲から浮く。おしゃべりで知識ひけらかす。
 
2)受動型:おとなしい。自分からは動かないが
周囲から話しかけられると、友好的。
おとなしくて優しい子。
 
3)孤立型:関わりを求めてもそっけない。
内面が豊かでも気づかれない。
 
コメント:この3つが基本のようだけど、
自閉傾向ってグラデーションだから
個々の傾向は細かく違うだろうしムラもあるでしょうね~
 
しかし、共通していえることは
 
*対人関係に問題
*こだわりを持つ
 
・・・・ということ。
 
それをふまえて(あえて)犬神くんを分析するなら
3)孤立型のタイプってことでしょうね。
犬神くんは「金」「くまもん」に異常にこだわりを持っているので
それもあてはまっているような・・・。
 
ただ、『犬神もっこす』の場合は、
彼の成長譚になっていて
彼の孤立と「こだわり」を「ユニーク」と
解釈してくれる演劇部の仲間と出会い、
彼に薄いながらも人間味が宿るところがイイ。
(それまでは母親からも疎ましがられていた)
 
えーと、岡田先生の本の内容に戻ると、本書218~
 
アスぺルガーのいいとこ探しが載っている
(もちろん一人一人のタイプは違うが、整理すると以下の
ような特性が挙げられるらしい)
 
1)高い言語能力(専門的なことは論理的に話すが、日常会話はぎこちない
書き文字が下手な場合がある)
 
2)興味がある範囲においては記憶力が凄い:学者になるのに有利
 
3)視覚的処理能力が高い:ウォルトディズニーもこのタイプ
 
4)物への純粋な関心がある:客観的に物事や人間関係を見ることができるので
指導者や経営者に向いている
 
5)空想するチカラ:アインシュタインがこのタイプ
 
6)秩序を重んじる:エスペラント語はアスぺ傾向のある人がつくったので例外がない
 
7)強い信念を持つ:風潮に流されないので周囲から
非難されがちだが、
強い信念を貫いて
そのうち認められるケースも:ガンジーがこのタイプ
 
8)持続する関心:膨大なエネルギーをひとつのテーマに注ぎ込むことで
成果をあげる
 
9)孤独に強い:この特性を活かせば、企業で活かすことができる
ってか寺で修行するのも向いている・・・
(淡々とした作業を頼むと効率が良い)
 
10)情緒が発達してないかわりに、大舞台でも緊張しない
 
10)ですが・・・まさに犬神もっこすの犬神くんが
この特性を活かして舞台に上がるんです。
 
周囲は無表情の犬神くんをマイナス要因と捉えずに
「大舞台でも緊張しない」というプラスの面を評価して
逆に、「犬神くんに適合する役」を創ろうとするんですな。
 
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<わたしのいまのところの結論>

もし、孤立型のアスペルガーじゃないかな?という
人が周囲にいたら、『犬神もっこす』と岡田先生の『アスペルガー症候群』
を併せて読めば、霧が晴れるように謎がわかり
むしろ、「いいとこ探し」をできるようになると思います。

犬神もっこす→アスぺルガーだと
端っから決めつけるのは
いろんな意味でマンガの良さを消してしまいそうなので
それは止めたい。

が、しかし、アスペルガー症候群を理解したい→

アスペルガーには
いろいろなタイプがあることを新書で理解

→参考までに『犬神もっこす』

という読み方なら問題ないかと・・・。

もし、西餅先生の本意とズレていたらすみません。

======================
最後に:なんだかんだ言いましたが
純粋に『犬神もっこす』をマンガとして愛読しています。
普通に単なるシュールな
ギャグ漫画として読んでもOK←結論 

☆おまけ☆
このコマが伏線となっていて、実は犬神くん
メガネをとると凄い美少年パターンなんじゃなかと密かにときめいています
 

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