2012年12月29日土曜日

『夜想#ヴィクトリアン』×『アリスインナイトメア』

90年代女子は「総不思議の国」と書いたら・・・

レトロちゃんに以下のコメントをもらいました===============

この記事の中で、女の子の国全体が「不思議の国にアリス」の
「不思議の国」になったと書いてありましたが、
最近アリスをテーマとする展覧会やモチーフのグッズがやたらと多かったり、
人気だったりするのは、90年代の女の子たちの
社会/文化背景の影響だったりするのかなーと、ふと思いました^^

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うーん、なるほど。
不思議ちゃん層が増える。
それらが細分化しても「アリス好き」は共通項
→不思議ちゃんにウケるアリスモチーフのグッズ増える

という図式も考えられなくもないけど・・・

もっと大きな要素として、わたしが思うのは
『アリスインナイトメア』が神ゲー過ぎて、触発された
クリエイターがたくさんいるのではないか、ということ。
(当時、このゲームはスピルバーグも注目してたらしい)

このゲーム2000年発売なのです。
クリエイターインタビューは以下。

 
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20001226/game.htm


 SFの世界観のゲームばかり出ているので
まったく違った世界を生み出すために 「アリス」にした、
と語る男性クリエイターのインタビューが載っているよ!!
このゲーム、12年前の作品なのに 2012年に観ても、新作よりも感覚が新しい。  
続編も『アリスマッドネスリターンズ』(以下)も
X-BOXでやったけど、
やはり2000年の『アリスインナイトメア』の
世界観・音・衝撃には敵わなかった。
画質のクオリティは格段に上がっているのだが、
いかんせんサントラが前作ほど良くない。
 
 
前作『アリスインナイトメア』は音が凄いんです。
ナインインチネイルズの人がつくってるんだけど
ゲーム至上クオリティ最強のサントラだと思う。
このゲーム、衝撃を受けたユーザー、クリエイターは
無数にいるかと・・・。
かくいう自分も、PCゲーム
『アリスインナイトメア』をプレイしたことで
「脳内アリス祭」が始まってしまい・・・
結果、こういうことに。
 
海洋堂のフィギュアを集めたり・・・
 
 実は、イラストの仕事にも反映されてるのであった・・・↓
(ここに「就職の国のアリス」がいますW)
http://riekonaito.blogspot.jp/2012/09/blog-post_4873.html
 
この現象、あずまんや宇野さんに批評させると
ゼロ年代のデータベース消費でございます・・・
ってことになりそうだが
 
 
そこに1990Xの女子の国=総不思議の国化現象を投入すると、見えてくるものがある。
(差異化・同調化・再差異化を繰り返して細分化、不思議ちゃん層が総じて増加現象)

たとえば、90年代に局地的に流行したジャージ×乙女系(ティアラとかチュチュ)
原宿で「ある一人の女の子」が他の原宿系との差異化のために
考えた組み合わせである。
それをタレント千秋などがそのファッションを
取り入れたために、流行し
当の発信源の本人は再差異化のために
早々にやめたのである。

ゴスロリのジャンルでも差異化→同調化→再差異化を繰り返し
細分化されているのである。
ゴスロリだけど他のゴスロリと被りたくない→
新ジャンル→それが流行→また人と被りたくない

結果、このような謎の墓地ドレスが発売されるのである。
この柄ならば、ゴスロリジャンルでも、そうそう他人と被らない。
差異化がなされている。

ゴスロリ細分化の説明はココ:http://riekonaito.blogspot.jp/2012/04/blog-post_11.html

ゴスロリも
1)トラディショナル・ロリータスタイル
2)スィート・ロリータスタイル
3)クラシカル・ロリータスタイル
4)ゴシック&ロリータスタイル
5)エレガント・ゴシック・ロリータ
6)ホラー・ロリータスタイル
7)ヴィクトリアン・ゴシックスタイル
8)ゴシックパンクスタイル
・・・・に分かれているのよね、現在。

しかし、どのような細分化が起こっても、ロリータや
不思議ちゃんが
共通して好きなのは「アリス」だ。

なんてったって「不思議ちゃん」のシンボルだからね。
「人から理解されなくても自分の内面の帝国が
ありますのよ」というメッセージ性が
「不思議の国のアリス」というシンボルには含まれているのだ。

ただ、そのアリスグッズでも
他人と被りたくない→さまざまなアレンジバージョンのアリス増殖
→流行→再差異化→新アリス

という流れでアリスモチーフグッズは増殖しつつある。

そのアリス二次創作の火薬庫に着火したのは 『アリスインナイトメア』だ。(たぶん)  
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ってか、アリス原作のテニエルの挿絵の版権が
切れているのに、2000年以降も女子のハートをつかんで離さないモチーフのため
各企業がじゃんじゃんアリスグッズを作った経緯もあるかと。
(タダで使えるから)
 
 
 
ちなみに、『アリスインナイトメア』はディズニーの世界観を離れるために
意図的に「ディズニー版」は見るな、とスタッフに指令を出したそうだ。
 
 
 
私が思うに、これは正解だ。
 
 
 
なぜなら、ディズニーの『不思議の国のアリス』のほうが、むしろ歪んでいるからです。
もともとヨーロッパあたりにおける「子供の概念」と
ディズニーの「子供の概念」は違っていて・・・
(ザックリすぎる説明スマン、このページの後半、『夜想』の解説で補います
 
 
 
ディズニーはアメリカの「子供は純真無垢で素晴らしい」というノー天気なイメージに
自身のユートピア思想を取り入れて原作から離れた感じのアニメを作ったんだなぁ。
 
 
 
それがこれ
 
ヨーロッパ圏でのイメージで映像化するとむしろこっち
 
だから、『アリスインナイトメア』はノーテンキにアメリカ色に
染まった無害なディズニーアニメに落とし込まれたアリスを
もう一度、原作寄りなクレイジーな感じに作り直す試みでもあったんだな。
 
 
 
2000年はアリスの2回目の誕生だったのだ~
 ==============================
それ以前のいろいろなアリス関連作品については既に
自分の本でまとめてあります↓もし、良かったらどうぞ。
 
 
 
そして、その結果として、原作のダークさを取り戻したアリスが
もう一度ディズニーに還って来て・・・
実写としてダークファンタジーになったのは
本当に面白かった。この映画、3Dで観たので
いったん、自分の「アリス欲」みたいなものが全部充たされた。
 
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あと、アリスについて理解を深めるならば、断然、原作をおすすめする!
原作を読めば、クレイジーさを再現するならディズニーアニメじゃなくて
2000年のアリスインナイトメアだな・・・と気づくよ。
 
 
 
そして、原作が書かれた背景をもっとツッこんで知りたい人はこの本を読むのじゃ!
ヴィクトリア朝当時の「子供」に対するイメージもちゃんと載っているよ。
この『夜想』の83ページじゃ。
キャロルは少女と純粋に会話を楽しんだりしているが、ヌードも撮影しているんだよなぁ。
疑ったらいかんけど疑ってしまう・・・何かの趣味を・・・。

 いや、疑わない。 人は証拠もないのに疑ったらいかん・・・。
でも、ギリギリの危ないクレイジーさは、やっぱりそこらへんから出ていると思う。
 実は、時代そのものもクレイジーで
 
ウテナ的に考えたら、幾原監督のアニマ=ウテナ
キャロルのアニマ=アリスだよな・・・
 
 
 
ってか、ここらへんを参考にして考えると
土偶の流行=アニマ第一段階
アリスの流行=アニマ第二段階
ダーガーのヴィヴィアンガールズ=アニマ第三段階
ウテナ=アニマ第四段階
って感じダナー
 
 ってか、土偶って、当時どんな風に流行していたのか
気になりますね。意外にグロKAWAIIキャラとして
流行していたのか?!
 
まぁ、これらの元型は全部ギリシャ神話にありますがね・・・
=============================
えーと、とにかく、キャロルは少女コスプレ写真を撮影して楽しんでいたことは
確かで・・・でもこの人だけが局地的なヘ*タイかといえばそうでもなく
ヴィクトリア朝には流行していたことがこの本でわかる。
(中には男の子に女装させているらしきものも?)
 
ヴィクトリア朝では豊かな層のコドモが教育を受けている一方、
貧しい層のコドモは幼児売春の対象となっていた。
当時の空気感を考えたら、アリスはナイトメアな作風のほうが
しっくりくるなぁ。

ヴィクトリア朝の傾向って、似ているんだよなぁ・・・いまの日本に。
コスプレ写真とスピリチュアル。
 
経済成熟期のヴィクトリア朝に
「不思議ちゃん」「それを撮影する草食男子キャロル」が出現し
いまの日本に「コスプレ不思議ちゃん」「それを撮影するカメラ小僧」が
出現しているのは偶然ではないと思われる。
 (ってか、暇を持て余した人間が
 することは、いつの時代もほぼ同じってことかもWW)
 
 
ヴィクトリア朝の空気感は
この書評でわかるかなぁ。http://members.jcom.home.ne.jp/j-miyaza/page319.html
 
 
 
ヴィクトリア朝と現在の日本に共通点を見出すとしたら・・・ 上の書評リンクにも出てくる
「アノミー」かな。 アノミー、不思議ちゃん、アリスモチーフ流行はセット販売かも。  

この書評見ててもわかるんだけど、
ヴィクトリア朝には
かの有名なフロイト先生が登場するわけだが・・・
 
 
やっぱり、フロイト先生は「男の国」の人なので
女性のさまざまな症状に対して
「お前の話はつまらん、性欲の抑圧だろソレ」的な大滝秀治的見解を
残してしまったわけですよ・・・。

男性であるキャロルも
フロイト先生の大滝秀治的見解=精神分析の犠牲に↓
 
フロイトをいまの日本に召喚したら、精神分析できずに
ブッこわれるだろな・・・。
だから、精神分析できない時代、ってのを繰り返し描いている
クリストファーノーランはフロイトの歴史を塗り替えた思想家として
評価できるかもしれん。
=========================
そんなこんなで、当時のアリスの原作が書かれた 当時の子供観&
現代日本との共通点、 2000年代アリス二次創作の火薬庫が
『アリスインナイトメア』だった件について ザックリまとめてみました。

 
そういえば。アリス二次創作といえば、
グウェイン姉がわりと早めに取り入れてた。
グウェイン姉、実はオタク趣味をけっこう取り入れているんだよなぁ。
下のPVも・・・ 日本の18禁アニメ『A KITE』(以下リンク・梅津監督)の
 
もし、このアニメ観た人がいたら、以下のPV観てみて!
パロディ要素満載で笑えるので。
 
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話が逸れたが・・・
 
アンチ・ディズニーの流れで、
ホラー要素満載のゲームを作ったら
最後はディズニーまでダークファンタジー要素取り入れるわ、
きゃりぱみゅのグロカワイイ系も
ここらへんの文化の影響を受けている気がする。
 
ここら周辺の文化の火薬庫になったのは、
2000年の『アリスインナイトメア』じゃないかなってこと。

あのスピルバーグが注目したってことは、 それだけ新しい「何か」があったからなんだ。

 
ロ*コン疑惑の男性キャロルがヴィクトリア朝にアリスを生み出し、
天才ゲームクリエイター(こちらも男性)が『アリスインナイトメア』を生み出し、
同性愛者の内藤ルネがKAWAII文化を生み出し
KAWAII&ヴィクトリア朝、グロ要素が混ざり合う・・・
そして、このような結果に・・・
きゃりーぱみゅぱみゅって「女の子の国」の集大成なんだなW
(ちなみに、きゃりぱみゅの一番好きな映画はバートンの『ビートルジュース』だ)
うーん、よくよく見たら
大正時代の「不安」→エログロナンセンスに走るが
平成の「不安」→カワイイ×グロに走る
にアレンジされただけにも見えてきたがどうしよう。
 
きゃりぱみゅ型の不思議ちゃんはもはや一種の定番と化していて・・・
どうぶつの森にも「キャラ」として出てるW
型破りなきゃりぱみゅが
ここまで「型」として認定されてしまった
現在、再差異化をどのように行うのかが注目されますね。 
===================
 
☆おまけ☆
アリス二次創作文化は
だんだん派生してきまして・・・
来年公開のキャリーの予告編が
あきらかに『アリスマッドネスリターンズ』のPVを意識して
創られているので、面白いです。 これからも派生していくのでは・・・?

 
これがアリスマッドネスリターンズPV
こっちが2013年のキャリー予告編
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あ、アリス関連だと、この旅の本もおすすめです。(イギリス行ったことないけど)

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