2012年12月17日月曜日

アニメ『少女革命ウテナ』再考察

☆この記事http://riekonaito.blogspot.jp/2012/12/21.html
でジェンダー意識の変遷の中に
ウテナを盛りこんでしまったが・・・・

よくよく考えると・・・

『少女革命ウテナ』を「女性のジェンダーの変容」とか
斬っちゃってホントにいいの?

と疑問がわきあがってきて、
そうそう簡単にウテナを分かった気になっていてはイカンと
問題意識を持ち始めた。

そもそも、『少女革命ウテナ』は
まともに解釈されていない。

 
先行研究を見てみよう。

まず、斉藤美奈子の『紅一点論』である。



ここでは、『少女革命ウテナ』を女の子の国の
迷走としてしまっている。

これはちょっと酷いと思われる。ひさびさの「男装の麗人モノ」と
リボンの騎士的に解釈するのも違う気がする。

おそらくだが、斉藤美奈子氏は本のネタのために一話だけ見るパターンで
解釈しているのでは・・・?
ウテナは全話見て、なおかつ劇場版まで見ないと~!
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しかし、
きちんと解釈しようとしている真摯なサイトも見つけた。
http://strangelove.jp/utena.html

たぶん、このサイトの解釈はこういうことかな?

1)ウテナとアンシーは同一人物の裏と表
(これ、極論すぎるので、支持はできないが・・・
現代の女性の生き方が
自立と依存に引き裂かれているので、
一人の女性の中に「自立しているウテナ」と
最新号JJの女子マネ的「他者中心主義的なアンシー」
が共存しているとしてもおかしくはない)

2)物語構造自体を破壊して魔女も消すという解釈
これは正しいと思う。劇場版まで見ると、「王子様幻想」
を壊して、魔女アンシーは等身大の女性になり
理想像のウテナは消える。

この、「物語の世界観を壊して
キャラを消滅させる手法」はまど☆マギにおいても行われていた。
まど☆マギ解説1:http://riekonaito.blogspot.jp/2012/08/201111.html
まど☆マギ解説2:http://riekonaito.blogspot.jp/2012/09/blog-post_10.html

『少女革命ウテナ』では
男性側がつくった「鋳型」→
それを女性が内面化していた構造
・・・を壊すことで、
同時に、魔女も消えるんだな。

男性側の「女性はこうでなくてはならない」
「その他は魔女」という物語を
女性は内在化させて、
女性は、女子マネ的生き方を重んじ
ゆるふわを装着
http://riekonaito.blogspot.jp/2012/12/21.html

しかしながら、女性は歳を重ねる。
ゆるふわに頼り、内面までゆるふわのまま年を重ねると
その鋳型から外れた際に、
本当に魔女になってしまう。(人生は長いのだ)

ゆるふわでGETした社会人は
結婚後、別のゆるふわにフラフラするかもしれない。
JJ的な生き方の先にある結婚生活において
もう「ゆるふわ」を装着できなくらい
法令線がくっきりしてきたら、どうするのか?

美魔女になって、サイボーグ化し、
それを対応策とする方法もあるわな・・・。
デミ・ムーアみたいにさ。

しかしデミ・ムーアは莫大な資産を注ぎ込んで
サイボーグ化したがアシュトンに棄てられ、
現在、泥沼離婚裁判中です。
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(女:若さ・ゆるふわ)VS(男:社会人・焼肉付き)

で成立した関係性が結婚後に

(女:ゆるふわの抜け殻)VS(男:社会人・もっと豪華な焼肉付いてます)

になったときには、いったいどうすれば・・・?

コドモが出来れば、その関係性も継続する・・・?
でも、コドモってそんな道具的存在として生むものなのか?

========================
話が逸れました。

こういう時(どう解釈していいかわからなくなった時)はですね・・・

原点に戻ればいいわけです。

つまり幾原監督のインタビューから解釈すればいいわけです。

作品→解釈本・解釈サイト→迷宮

よりは

作品→制作者のインタビュー→解釈

に戻って行けば、謎が解けるはずなんですよ。

というわけで、少女革命ウテナのVHS第一巻(以下)の
映像特典である
幾原監督のインタビューを昨日の夜に見直してみた。


http://www.amazon.co.jp/%E5%B0%91%E5%A5%B3%E9%9D%A9%E5%91%BD%E3%82%A6%E3%83%86%E3%83%8A-L%E2%80%99Apocalypse-1-VHS-%E5%B7%9D%E4%B8%8A%E3%81%A8%E3%82%82%E5%AD%90/dp/B00005F9N5/ref=sr_1_1?ie=UTF8&qid=1355723263&sr=8-1


第一巻・幾原監督インタビュー映像より↓

 
 
ここで監督が言っているのは意外なことだ。
ざっくりと要約するとこんな感じだ。
 
1)ウテナというキャラは
監督自身の理想の姿(これは驚き)
2)アンシーは現実そのもの
 
3)キャラ設定について・・・
ウテナ:無知で純粋、悪く言えばおバカ
アンシー:これまでにないキャラ
 
4)現代社会においてウテナみたいに
カッコよく生きていく姿は「バカ」って言われるけど
それをもう一度希望として取り戻したい
 
つまり、ウテナ的な生き方を
バカっていうヤツがバカだ!という
メッセージが幾原監督の言いたかったことなんだな。
 
ちなみに、第一巻の映像特典だけじゃなくて
劇場版の絵本型のパンフでも幾原監督は
「自分の中のもう一人の彼」を語っており
それが、たぶんウテナとして結晶化されている。
 
 
 
しかしここで謎が・・・
 
幾原監督は男性である。
 
男性の理想像が男装の麗人ってどゆこと・・・???
 
しかし、この謎はこのリンク先の言葉を読めば
解釈できる。
 
上記リンクに紹介した本に出てくる
比較文化論の研究者、
佐伯順子さんの以下の言葉・・・

女性が女性美を体現しただけでは不十分であり、
男性が女性美を追求することによって初めて
非日常的で超越的な美が現出する。
女性が女性のままであるだけでは現世の次元をのりこえることはできない
(BY佐伯順子)
・・・が掲載されているのだが、これを
男⇔女ひっくり返すとこうならないか・・・??↓
 
男性が男性美を体現しただけでは不十分であり、
女性が男性美を追求することによって初めて

非日常的で超越的な美が現出する。
男性が男性のままであるだけでは現世の次元をのりこえることはできない
(佐伯順子さんのお言葉を男女ひっくり返したらこうなった・・・BY内藤理恵子)
 
日本の男性は草食化し、
男性の美学はごく一部の体育会系に残存しているだけ。
もしくは、ヤンキー文化にも美学があったかもしれないけど
族文化がDQN化してしまい、壊滅寸前。
 
潔くもカッコよくもないのに、男尊女卑だけが残存しているようなことに。
 
薔薇の花嫁アンシー(ゆるふわ幻想を身にまとった女子・計算高い)
をGETしようと争う男性陣が
『少女革命ウテナ』にいっぱい出てくるが
誰一人としてアンシーを対等の人間として見ていない。
男尊女卑、「女はこうあるべきの鋳型」が
中核にあって、アンシーは絶望している。
 
そんな中、アンシーを対等の人間として見て、
友情もあり、さらに守ってくれて、
内面まで見てくれて、理解し、人間として愛してくれる
「別次元の理想の男性」
は男性じゃなくて「男装の麗人」でしか
描くことができなかったのでは・・・?
 
理想の女性を「現世を超えて描く」ことが女装だとしたら
理想の男性は「男装の麗人」で表現すべきなんだ。
だから、ウテナは女性という設定なんだなぁ。
リボンの騎士的なものではないと思う。
 
少女革命ウテナは
男性が観るべきアニメなんだな。
特に観てほしい人たちはこちらに↓
 
そして、女性側も↑こちら側の意見を
内面化する必要はないんだな。
 
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しかしウテナ制作陣のリーダーは幾原監督だけど
脚本は榎戸氏だよねぇ・・・
 
というわけで、以下の1997年月刊ニュータイプ11月号
の付録のウテナ資料を観てみよう
 
 
この付録のP47に榎戸氏のインタビューが!
 
榎戸氏はデュエリストの意識について語っている(P47)
 
アンシーを奪い合うデュエリストには「所有」が「対立」の概念しかない。
男性がアンシーを所有しているときに
安心していられるのは「所有」しているから。
他のデュエリストとは対立する。
 
=====================
<私のコメント>
旧世代の男性の意識ってこうなんだな。
男性は女性を「所有」してはじめて安心できるし
女性も「所有できる範囲」に盆栽的に生きようとする。
それが「守ってあげたくなるゆるふわ白ニット」なんだな。
 
ファッションブロガー的な
冒険系の女性は「所有できなさそう」
盆栽以外は手に負えないからスルー。
 
それを超えて、真に潔くカッコよく
所有も対立も超えた愛で世界を変える
「理想の男性像」がウテナなのかな。
 
いや、男性の中にある封建的な意識を変える概念そのものが
ウテナという革命的キャラクターに結晶化しており、
同時に、その封建的な意識を内面化して
アンシー的に生きる女性の生き方を壊すのも
ウテナというキャラクターなんだな。
 
ウテナというキャラって、男女という性別を超えて
「世界を変える概念(=それは幾原監督の願いでもある)」
をキャラ化したものなのでは?
 
=======================
 
後日の追記:その後、
ここでユング読んで結論
出しました↓
 
さらに劇場版の謎も解いたぞ!!
(以下のリンク)
 
☆おまけ☆
いろいろ調べてみると、幾原監督の崇高な志が
良く分かった。ただ・・・
ウテナのカードダスの中に
「幾原監督」自身の「ブロマイド」を入れる必要はあったのかな・涙
<下段右が幾原監督>
作曲家のブロマイドも必要あるかなぁ~
 

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