2012年12月14日金曜日

諸橋泰樹『雑誌文化の中の女性学』(明石書店)

えーと、雑誌祭りはいったん完結編かと思われましたが・・・

http://riekonaito.blogspot.jp/2012/12/anan20121212.html

↑この記事に対し
ファッション最前線にいる方から
反響をいただき、やる気が出てきたので
もうちょっと深めます。
上記リンクのananの記事で雑誌の記事⇔広告混ぜ込み問題
を指摘したと思いますが・・・

この件について、明石書店から良い本が出ていました。
(この書籍もツイッターのフォロワーさんから教えてもらいました。感謝)



この本のP31~=================

「広告媒体としての女性雑誌」のところにズバリ指摘してあった!

1)まず、ananが元祖ということはここで説明したが
http://riekonaito.blogspot.jp/2012/12/anan20121212.html

2)ノンノが後発で出た→ライバル誌・年齢層が高くなると姉媒体が出てくる
で雑誌の種類が増えた

3)こんな感じ・ELLEの冠の聖火リレーの流れも把握できる表↓
 
4)アート感覚な雑誌の作り方が常態化したのは
やはりELLEとの提携がデカかったようだ
 
5)それまでの女性雑誌の三種の神器
「ゴシップ」「セックス」「皇室ネタ」から
ライフスタイル、外食、服飾品へと
題材が変容したのだった・・・
 
6)しかしこれを機に、広告が多用されることになるのだ!
 
7)ここで雑誌がたんなる情報から需要になった。(ココ転換点
 
9)この手法を、ananはELLEの冠と共に受け継いだ・・・と本書にあるが・・・
(詳しく書くと、1960年ごろから
本家ELLEはオートクチュールじゃなくて
プレタポルテを取り上げ、
小売店やブランド、価格を表示した。
そこにELLE独自の主張も入れた。これが元祖だ)
 
しかし・・・・
↑この『アンアン1970』
を読むと、かつての雑誌とサイズが違うため
スポンサーがわざわざ版下をつくるのが嫌がり
anan側が広告混ぜ込みをつくった・・・という
広告版下製作費の問題も絡んでいるようだ。
だからひとつの側面だけではないだろね。
 
10)このような雑誌のカタログ化が雑誌の転換点となった
 
じゃあ、カタログ化する前はどんなの?と
いうことで見てみると、わたしの手元にあった雑誌『ひまわり』の復刻版はこんな感じ。
 
値段も、小売店もなく・・・スタイルを純粋に提案しているページだね。
というか、読み物中心で副次的に服の話題が出てくる雑誌『ひまわり』。
http://www.kanshin.com/keyword/184884

まだ広告混ぜ込みっていう発想もなかったんだろね。
(そもそも服自体、自分でつくるか、テーラーさんで仕立てる時代だったのでは・
上の画像は仕立てのときに参考にする絵かな)
参考リンク:http://www.asahi.com/shimbun/nie/jiyuu/120425.html

いまどき、テーラーさんで仕立てている
若者は大江くんくらい(下の動画参照)
しか知らないが・・・戦後、洋服は買うものじゃ
なくて仕立てるものだったんだよなぁ。
(あ、現在でも、モッズ好きの人たちは
細身のスーツをテーラーで仕立ててると思う、たぶん。)
いかん、話逸れた・・・

11)えーと、雑誌がカタログ化していくにつれ、広告混ぜ込み率も高くなってくる。
これ、本書に整理してあったので驚いた。
 
 
==================================
 
しかし、ここで倫理的な問題が出てくる。
 
本書のP41~
 

記事か広告か区別がつかない「広告記事化」している状態は、ジャーナリズム的にまずい。

第一に、広告に依存していると・・・
景気悪くなくなった場合、製作の予算が減り
外注記事が増えて記事の質が低下する。

第二に、スポンサーヨイショ記事が増える。
スポンサーに接待されると、スポンサー関連の批判を書けない。

<コメント>スピリチュアルブームがあきらかに下火にも関わらず
ananで江原さんの連載を再開しているのには
ananで広告を多数出している
占い業者のスポンサーとの関連があるのかもしれない(あくまでも憶測です

==============================
<以下は私のコメント>

ちなみに、地方の雑誌だと広告率がもっとエゲツナイ。
地方の若者向け雑誌は
ラブホをスポンサーにしている雑誌もあるので
恋愛ネタの記事が(下ネタなども)欠かせない要素となっている。
倫理観を壊せば壊すほど、スポンサーの収益に
なるというサイクルができているのだ・・・。

しかし、『天然生活』や『エル・ガール』など、
「教養としての女性誌」(中原淳一的な雑誌づくり)の役割を継承している
雑誌も存在しているのだから、
「いまの雑誌はカタログ化している」と斬ってしまうことはない。

元祖ananが、現在以下のような感じだが
http://riekonaito.blogspot.jp/2012/12/anan20121212.html
本屋さんに行って、消費者がじっくり選べばいいのだ。

雑誌をカタログ的に使いたい人はそのような雑誌を買ってもヨシ、
ゆるふわで社会人ゲットしたい人はJJ読めばヨシ、
教養を積みたい人は「読み物」として成立している
雑誌をじっくり選んで読んでいけばヨロシ。

どんな時代でも、良いものをつくろうとする気概のある人は
絶対にいる。それを信じて雑誌を読もう。
女性ファッション誌は、
女子の夢と希望が詰まった宝箱なのだから。

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