2013年1月5日土曜日

『文化系のためのヒップホップ入門』(アルテスパブシッシング)

前回http://riekonaito.blogspot.jp/2013/01/blog-post_4.html
↑ここで、鷹の爪のキャラ分析を行いました。

こんな感じ↓

1)総統のキャラ:あらゆる権威の失墜を表現

2)フィリップ:DQN層(実は多数派)

3)レオナルド博士:
科学技術と
KAWAII文化・キャラクター文化に
踊らされる現代日本への皮肉を表現
(レオナルド博士、金で買収されやすい)

4)菩薩峠:宗教要素

5)吉田くん:ロスジェネ世代っぽい

敵)デラックスファイター:資本主義(&アメリカ的正義)
アメリカ的正義はココ↓

これらキャラ分析・・・深読みしすぎならすいません・・・。
たった5人+デラックスファイターで
いま・ここにある日本全体の空気感を
表現する「鷹の爪」は、
パッと見よりも、深い作品だと思われる。

キャラがどんなんだか一発でわかる
動画はここだ↓
======================
で、この「鷹の爪」のキャラ「フィリップくん」ですが・・・
このキャラ、DQN層なんですよね。
中学時代はリーゼントで破壊活動、
盗んだバイクで走りだしたそうで、
いまの見た目はラッパー(?)だよね・・・?
フィリップ君のモデルになった人はこの人のようです。
 "Phil" Anselmo
ただ、この人はヘヴィメタの人なので
ラッパーではないのね。
この人のイメージとエミネムあたりの
イメージが混ざっているのか?

そういえば、私が最初に
「過去に日本でリーゼント層だった感じのヤンキー文化層が
アメリカのヒップホップと融合しているんだな~」
と思ったのは、「市原隼人」の言動です。

彼、リリィシュシュでデビューしたての頃は
カワイイ子役っぽい感じだったのに、
その反動かフィリップ系の動きを
しはじめたんですよね・・・・・フィリップ系の動き↓

日本の場合、アメリカのヒップホップ文化が
ラーメンポエム系文化と融合したのではないか??
それゆえに、市原隼人はラーメンポエム的な筆文字の前で
ラップを披露するという流れに・・・。
しかも、このPV、途中で着物を着ているのだ!
着物にバンダナ!
速水氏の『ラーメンと愛国』の世界観のまんまだなぁ。

(注:速水氏の著作『ラーメンと愛国』


えーと、あと、市原隼人はアメリカの
 「野郎ども」系の文化をリスペクトしているのは
 ここらへんでピンときた

  「中学時代からの  
彼女とずっと付き合っていた」 ということ。

ここで「アッ」と思ったんだよなぁ~












↑この本に「スヌープドッグは高校時代の彼女と結婚した」と
 いう小ネタが載っているのですが・・・・・・・・・・・
 早々に決めた相手とずっと添い遂げることは 
アメリカでも日本でもDQN層の「正しさ」でもあるようです。
 俺がんばるから的な価値観ですね。
ポール・ウィルスの『ハマータウンの野郎ども』にも
ここらへんの価値観載っています。
ビッチと「本命」を分けて、本命には命かける(ただし男尊女卑的)
本命に変な噂が流れると「男の威信」に関わるそうだ。

『恋空』的な価値観だよなー
  (注:ケータイ小説の消費についてはココ
http://riekonaito.blogspot.jp/2012/03/blog-post_30.html

 しかしながら、市原隼人は何を思ったのか、
つい最近 「中学からの彼女」と別れ、 モデルと付き合ったはず・・・
ここで多くの顧客を失ったと思われる。
 市原隼人が失ったと思われる顧客層は
以下の表のJラップからの 流れの周辺にいた人々のことです。





















この表は、難波先生の『ヤンキー進化論』に

まとめられていたものです。

注)『ヤンキー進化論』は以下
http://riekonaito.blogspot.jp/2012/04/blog-post_30.html


ちなみに、窪塚洋介の顧客はレゲエ層なので微妙に
違う系なんだよなぁ。

いずれにしても俳優→ミュージシャンで
一番成功しているのはJーPOP系を貫き
しかも独身を通し、女性ファンの顧客を離さない
福山氏でしょうが・・・(この人は器用だなぁ)

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話がそれましたが、
「鷹の爪」のフィリップは
起業して上場するんですね。


社長になったフィリップはこちら↓

BOOKお麩の店員→意外と機転が効く→店長→起業→上場

・・・の流れは日本の「ラーメンポエム的価値観人生すごろく」の
「ふりだし」→「あがり」であり、
その過程に「俺はやってやるぞ」的な自己啓発ポエムが
発生するわけです。

学校の価値観を主軸にしない、
偏差値関係ない世界での
「成り上がり」すごろくです。

えーと、この「起業での成功」が「あがり」の価値観は
アメリカのヒップホップ界にもあるらしく・・・
この本のP230~にその流れが載っています。

1)ヒップホップで成功
2)アパレルやレストランを作って雇用を生みだす
3)幼馴染を雇用(注:フィリップが起業に成功しても
親友吉田くんを大切にしていることとシンクロしてる!)
4)ハイチ出身のヒップホップ系スターは地元に小学校建ててる
5)それどころか、ヒップホップ人気でオバマ当選したかも・・・
6)30代以下の白人の3人に2人はオバマに投票している
(ヒップホップが黒人のイメージを良い方向に変えた)
7)ってか、ヒップホップ系の彼らは成功すると、あっさり俳優になったりする
8)彼らにとって「ヒップホップ」「バスケ」も資本主義に参入する「手段」にすぎない
ちなみに、この本における「日本のヒップホップ」は「お笑い」だと
いうことになっている。
たしかに、たけし軍団やダウンタウン周辺の
空気感はそんな感じがするなぁ~

でも、私が思うに、日本において・・・
アメリカから到来したヒップホップ文化が
真に融合しているのは
ラーメン屋さんの自己啓発系だと思う。

この本『ここは退屈迎えに来て』
にもラーメン屋×ラップのネタが・・・・!
こんな感じ
 
つまり、『ここは退屈迎えに来て』は「ラーメンポエム系自己啓発要素」に
ヒップホップを
取り入れた作品を創作して載せ・・・
 
市原隼人は自覚的ではないにしろ、
アメリカから来たヒップホップに「ラーメンポエム系自己啓発要素」を
具材全部乗せした。

ラーメンポエムにヒップホップ具材を乗せるか、
ヒップホップのダシと麺にラーメンポエムを乗せるか
の違いはあれど、ラーメンポエムとヒップホップの
相性が良かったため、日本のJラップは
国道沿いで独自の進化を
遂げていると思います。
=========================

今回のまとめ

1)市原隼人は『ラーメンと愛国』の世界観と
ヒップホップを融合させたという意味で功績を残している。
しかも、意外とクオリティ高いぞ!
市原隼人がもしあのまま幼馴染と
結婚してたらDQN層のカリスマになれたはず。
ただ、なぜか幼馴染と別れて、モデルに走った・・・。

2)起業で成り上がり、地元を大切にする精神は
アメリカのDQNも日本のDQNも同じ。

3)ヒップホップ文化圏とラーメンポエムを
融合させてる山内マリコさんの
作品はよく研究してあるなぁ~と思った。

4)というか、さっき気づいたが、『ここは退屈迎えに来て』の参考文献表に
『文化系のためのヒップホップ入門』が入っている!
たぶん「須賀さん」というキャラの「ヒップホップ知識自慢」の部分の
参考だと思うけど、それをラーメン屋のポエムと絡めたのが面白い。

5)ラーメンポエムにヒップホップ具材を乗せるか、
市原隼人のようにヒップホップのダシと麺に
ラーメンポエムを乗せるか・・・
の違いはあれど、ラーメンポエムとヒップホップの
相性が良かったため、日本のJラップは
国道沿いで独自の進化を
遂げていると思います。

☆追記☆=============
そして、市原隼人がヒップホップ系に目覚めてしまった
原因としてはこの作品が挙げられると思う。
市原くんは器用なため、やろうと思えばなんでもできてしまい、
映画で覚えたヒップホップが上達、こちらにイッてしまったのでは?
 


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