2013年1月15日火曜日

『ロスジェネ心理学』(花伝社)



何か心理学の本で良い本はないのかー?と探していたところ
ライターの西森さんに、この御本を推薦していただきました。
ありがとうございます!

ロスジェネをひとくくりにして
その世代の心理を分析・・・となると
賛否あるでしょうし、ロスジェネが読んで
「俺はこれじゃない感」を
持つこともあるとは思いますが
それにしても、面白い視点で書かれてると思います。

というのは、ワタクシですね・・・
「同世代のサブカルの好きなものについて、
語ったところ相手の地雷を踏んでしまう」(自分に悪気はない)
というパターンをしばしばやらかしてしまいまして・・・

最初にやらかしたのは、たしか中学生の頃・・・
ファイナルファンタジーのセッツァーについて
語ったところ・・・


オタ系の女子の反感を買い
「あなたの口からその名前が
出るだけで許せない」
と怒りをぶつけられ、
肝を冷やしました。
その後、自分の何が悪かったのか反省しても
さっぱりわからず・・・

たぶんこういうことかなぁ~と

*その女子は私のことが嫌い(嫌いな理由は本人に聞かないとわからん)
*その女子はセッツァーというキャラが好き。崇拝することで一体化。
*嫌いな私の口からセッツァーという好きなキャラの名前が
発せられると、言霊が汚れた感じがするからやめてくれ的な怒り

・・・ということだと思うんですが、にしても
当時のFFはドット絵ですよ・・・?
しかも、セッツァーはあなたのものだけではなく
私もFF6プレイ中だったんですが・・・。

それに比べて、1990年代生まれ世代って、テニプリ好きなら
ニワカさんでもなんでも大歓迎!みたいな
マイムマイム的懐の深さを感じるのだが。
テニプリの仲間ならどうぞウェルカム的な。

たぶん、これ、ロスジェネのほうが
何か抱えているのであって、新世代のほうが健全だ。

そして、このロスジェネのこじれている感じを
ひも解くのが熊代先生の『ロスジェネ心理学』なんだなぁ~

とくにP111~

1)まずは、フロイト先生の自己愛についての解説が出てくる。
2)自己愛って、「自己陶酔」のほかに
「理想的な相手に自分自身を重ね合わせて一体感を感じる」
という自己愛があるみたいです。

つまり、カリスマ的な人物がいて、
対象との一体感が感じられたとき、
自己愛が充たされたことになるんだな~

たしかに、ロスジェネ世代の一体感を身近で感じたことは
何回もあるなぁ~好きな歌手と完全同一化している人もいました。

フロイト先生はこの一体化による自己愛を克服すべきもの
と考えていたようです。

一方、コフート
http://www5f.biglobe.ne.jp/~mind/knowledge/biblio/biography010.html
は克服じゃなくて
「成熟」を目指せと説きました。

一体感がなければ、人は参ってしまうのです。
ナルホドー

たぶん、セッツァーと同一化していた女子は
それでなんとか自己愛を保っていたのに
私が踏みにじってしまったのか・・・申し訳ない。

男性が女性のキャラや有名人と同一化することもあれば、
同性が同性に同一化することもあれば
女性が男性のキャラや有名人と同一化することもあるでしょうね。

院生でも、しばしば指導教授と同一化している場合が・・・
(いや、同一化したほうが、知識の吸収率高くなるので
同一化して学んで成熟して距離を置くのが正しい院生の姿勢かも)
 
でも、それがロスジェネ世代と
どう関係あるんじゃい!
と思いきや、ちゃんと結びついておるのぅ・・・

P112~ 1980年代になってから、コフートが支持されはじめた。
それはなぜか?と尋ねたら・・・ムラ社会のころはムラで一体感あったから参らなかった。

このページもご参照ください:http://riekonaito.blogspot.jp/2012/11/blog-post_13.html

大家族→核家族
地域社会→ニュータウン

になるにつれて、自由と孤独GET

一体感を感じられなくなると、自己愛も充たせなくなる、ということですな。
そこで、ムラの代わりに、好きなモノや個人と一体化する・・・と。

私のコメント:ヤンキーは地元と一体化しているので、好きなものにそこまで耽溺しない。
体育会系はチームと一体化しているのでオタク的な感覚が理解できにくい・・・のでは?

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さらにコフートの自己愛の充たし方のパターンを3パターン分類

1)鏡映自己対象で自己愛を充たす
*体育会系リア充的な方法
*ツイッターで声援を集める(非リアもこれで自己愛充たせる)
*コドモがお母さんに抱きしめられて充たす

ただし・・・・・常に声援モードでいられる人なんていない。
よほどの芸術家やアイドルでない限りそれは不可能である。
(いまの時代、充分可愛いアイドルですら、叩かれる。ゴーリキーさんのように)

2)理想化自己対象で自己愛を充たす
*恩師や先輩に対して尊敬の念を抱く
*自分の属する会社が偉業を成し遂げる
*子供のころ、父にあこがれを抱く

この対象は「過去の偉人」「国家」「地域」「宗教」「哲学」「音楽」
「メディアの向こう側の人」「架空のキャラ」
であることもあえりえるそうです。

<私のコメント>==========================
なるほど・・・メディアの向こう側の人との同一化をしている人は
メディアの向こう側にいる人どの同一感で自己愛を充たしているので
それを少しでも批判すると大変なことになるんだなぁ・・・。

というか、これ自分もやっているな。
自己愛が充たされていないから、「哲学」で自己愛を充たしていたのだ。

キルケゴールに救われた:http://riekonaito.blogspot.jp/2013/01/blog-post_11.html

というのは、キルケゴールくらいに歴史的に名を残している人物と
同一化しないと自己愛が保てなかったということでもあるのだ。

ああああっ。
となると、キルケゴールはキリストの倣び人として生きることを
選んだので、キリストと同一化しないと生きていけないほど
自己愛に飢えていたのだ・・・・。

キルケゴールさんよ・・・アナタ、コフートに分析されると
解体されてしまいますわよ・・・。
 
==========================

3)コフートのいう自己愛の充たし方の続きその3ですが・・・

自分によく似たタイプで自己愛を充たすパターン。

*入学したばかりの高校で似たタイプを見つける
*似たような才能や経歴を持つ者同士で充たす
*遠い海外の街で日本人と知り合う

あっ、これ、遠い異国の地で知り合って結婚したカップル知っている・・・。
コフートの理論で初めて理解した。

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つまり、自己愛の充たし方には、「鏡映自己対象」
「「自分が賞賛を集める」方法が王道としてあるが
これは難しいし、ボブディランくらいカリスマにならないと無理。
つまり、スターになることで、自己愛を充たすのは至難の業。

そこで「理想化自己対象」「双子自己対象」で
自己愛を充たすのだな。

スターってのは、ただ文化を発信するだけではなく
一般ピープルの自己愛を充たすためのツールとして存在しているのだ!!
ようやくわかりました!その代り、ファンのイメージを裏切ると
一般ピープルは自己対象にしていた相手に
対し「???」となってしまい
とたんに混乱してしまう。

ちなみに、理想化自己対象には「学術体系」も含まれているそうです!
ああー、なんかわかってきたぞ!

つまり、自分が研究などやっているのは、そういうことだったのか!

自分の場合はこうだ・・・

1)鏡映自己関係で自己愛を獲得するの失敗!
2)理想化自己対象は、いるにはいたなぁ・・・

自分の理想化自己対象クロニクル

*天地無用のリョーコさん
*ときめきメモリアルの紐緒さん
*椎名林檎さん(しかし『真夜中は純潔』で離脱)
*ベンジー(ソロの数枚目のアルバムで離脱)
*リンチ監督(現在も理想化継続中)

そして、理想化自己対象のもっとドデカイものを求めた結果が
「研究」なんだな。たぶん、自己愛が充たされていないことの
裏返しとしての研究だ。

これを俗っぽくいえば「ハングリー精神」というのだろう。

というか、サブカルに走ったのも、「キンケシを持っているJBに嫉妬」
から入っているわけだしhttp://riekonaito.blogspot.jp/2013/01/blog-post_5575.html
嫉妬を昇華しようとしているうちに
サブカルの中の登場人物に理想化自己対象が移行し、
そのうち「学術体系」に移行したのかな。

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<私のコメント>

心理学的にいえばそういうことになるが、
ロスジェネのサブカルが好きな物との同一化しすぎているのは
モノでアイデンティティ獲得している(以下リンクへ)
http://riekonaito.blogspot.jp/2012/09/blog-post_22.html
という側面もあるのでは・・・?

なお、1990年代生まれのサブカルは
耽溺するオタク文化自体が既に世間の評価が高くなっていたので
同一化しても自己価値をすんなり得ることができたと思うので
「ひねくれ」や「こじらせ」があまり無い。
マイノリティの意識が薄く、素直に皆で
マイムマイムが踊れる感じはそこから来ていると思う。

あと、物心ついた時からネットが身近にあり、SNSなどで
仲間を見つけやすかったので、ロスジェネの痛さ(自分も含みます)が
新世代には見受けられないのではないか?と思います。
オタでも鏡映自己対象のリア充的方法で自己愛を充たせる新世代。

それに引きかえ、マイノリティ自意識を抱え
耽溺する対象(サブカル系のスターやマニアックな作品、キャラ
との同一化で自己愛を保つロスジェネの哀愁よ・・・。

新世代の軽やかさが羨ましくもあり、
眩しくもある今日この頃です。

この『ロスジェネ心理学』ではロスジェネ世代の「痛さ」の乗り越えかたとして

中二病から脱出し、現実受け入れろ」
(未だに中二っぽいロスジェネ多いっす。
こういうのを本書では「思春期ゾンビ」と揶揄している
・・・凄い言葉だが的確だ

「次世代にバトン渡せ」

「次世代にバトン渡しつつも、自己愛もほどほどに充たせ」

・・・という非常にバランスの良い克服の仕方を提案しています。

私も、次世代にバトンを渡しながらも・・・
ほどほどに自分の自己愛にも目を向けることができるような
そんなオトナになりたいです。
主軸はやはり「次世代への継承」に置いたほうがメンタル的にも持ちそうだな。

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