2013年2月26日火曜日

小松和彦『異人論』

http://riekonaito.blogspot.jp/2013/02/blog-post_25.html

↑前回ここで、ムラ社会は
「経験できるカード」がまんべんなく配布されるので
性経験だけ見れば平等だった・・・
「リア充爆発しろ」的ルサンチマンは回避できていた
のではないか・・・とまとめたが。

やはり、それだけじゃ
ムラ社会のルサンチマンはなくならないんじゃないか?
といえばその通りで。

ルサンチマン解消のシステムがどのようにムラ社会に
組み込まれていたのかといえば・・・

このCMがわかりやすい↓このように
金持ちになった人には
なにか憑いている、と説明されれば人は納得したのである。
 
ムラで1軒だけものすごーーーくお金持ちになったり
幸福になった場合、
 「憑き物(動物霊)」が
ついているという悪口
もしくは異人殺しの噂で
嫉妬を解消していたのだW
 
まずは異人殺しの噂で解消するシステムから見てみよう。
 
 
しかし、村人本人が「あいつは異人殺し」と言うと、
ルサンチマンだとバレてしまう。
責任転嫁する先が必要になるのだ。
 
責任転嫁先として選ばれたのがシャーマンであった。
 
この本のP28~に出てくる事例を見てみよう。
 

ムラの中で、1軒だけ金持ちになった場合、このようなことが起こる。
 
1)ムラのものがシャーマンを雇う
2)シャーマンに何回も「ムラの知らない六部の霊」が降りてくる
3)六部の霊は「農家の夫婦によって殺害されてお金とられた」と言う
4)その家はそのお金で繁栄したと暴露
5)しかし、その祟りで悪いことがおこるだろうと予言
 
おもしろいのは、悪口を言っているのに
責任転嫁がものの見事になされていることだな。
 
村人「だってシャーマンが言ったもん」→シャーマン「だって六部の霊が言ったもん」
→六部の霊「いつか祟ってやるもん」
 
・・・・・これ、延々と責任転嫁していったら、
最後はくまモンしゃべったモンとか
そこらへんに着地しそうだなW
 
村人の「嫉妬」が見事にブラックホールに吸い込まれている・・・。
そして解消している。
まぁ、異人殺しの噂を立てられたほうはたまったもんじゃないけど
それでも仲間外れ程度の被害で済む。
このメカニズムが無ければ、それこそ本当に
妬み嫉みで致命的な事件が起こりかねない、
ムラが崩壊しかねない・・・のである。
 
P36~小松先生はこのようにまとめている。
1)すなわち村人たちが「異人殺し」とその異人の「祟り」を発生させた
2)発生させることにより家の盛衰という「異常」を説明
3)呪われた家として差別することさえ可能となる(イジメですね)
4)こうした家との婚姻は忌避されることもあった
 
 
ムラ社会のルサンチマン解消システムを タイプ別に分類すると上の図になる。


A:座敷わらし
B:これが「憑き物」の噂。
動物霊がムラの内部から富を奪うイメージ
C:竜宮童子型(つまり、亀の恩返しっていう外部のものを
理由にしているけど忌避はされていない)
D:異人殺し
 
Bの「憑き物」の場合は、外部からやってきた動物霊ってことにしてあるけれど
経済的・社会的上昇を「他の村人の犠牲」の上にやっているってことにして
忌避・差別が行われる。
 
つまり・・・
 
村人「あいつが凄いのは動物霊のせい」→動物霊「オレ、ムラビト、マルカジリ」
→動物霊が憑いているとされる人「えっ?なんのこっちゃ」
 
・・・ってこと。憑いているとされている人が
実際には努力で社会的経済的に上昇しても
「あいつは動物霊が憑いているからで、動物霊は俺たちのものを盗む」
っていう悪口でルサンチマンを解消していたわけ。
人間ってなんだかなー
 
===========================
**おまけ***
 
現代日本の音楽業界がおかしなことなっている・・・
というルサンチマンを集約した曲がこれですね。
 
「ロッキンポ殺し」は造語ですが・・・
「六部殺し」のシステムに近い気がします。
 
日本のロックが面白くないのはだれのせい
→ロッキンポのせい(ミーハーな聴き手や、音楽業界周辺の人々)
 
ってことですかねW
 
 
ロッキンポ殺しは名曲だと思う。
ルサンチマンがあるなら、
***のせいっていうことにせずに
マキシマムザホルモンみたいに
曲創作でルサンチマン昇華するとか
彫刻を創るとか
なんかプラスのことで解消したらいいかもしれんね・・・。
 
ムラ社会では異人殺し、座敷わらしのせい、動物のせい・・・
といろいろな伝説っぽい悪口が
ルサンチマンの解消法として存在していて
それが民俗学として残っているわけ。

言えることは、人は昔っから
自分のルサンチマンを直視しないために
さまざまな「言い訳」という名の「伝説」を創りだし
さらにそれをシャーマンに語らせるという
荒業をやってしまう生き物だってこと。

たぶん、現代日本では、この
「ルサンチマンを直視しないための回避言い訳システム」が
「リア充**しろ」表明だったり
ネットの掲示板だったりするんかな。
動物霊や六部殺しシステムは
現代では非科学的すぎて稼働できないからね~。

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