2013年2月28日木曜日

『spoon.2013.4 ロリータと装甲 特集号』

2013年ロリータファッションは新たな局面を迎えたと思う。

ロリータは、そもそも自身がロリータ服を着ているというだけで
「お腹いっぱい」になるようなジャンルだったと思う。

少なくとも下妻物語以前はそうであったと思う。
ロリータであることがアイデンティティになるような「濃い」ものだったのだ。

 しかし、差異化、再差異化の波に飲みこまれ・・・

 ロリータはもはやロリータだけでは個性にはならなくなってきた。

 二代目桃子を決めるだけでもこのような事態に・・・
 
こ、ここまで量産されると ロリータというだけでは個性的とは言えなくなってきた・・・。

ロリータ界でも下妻の影響でロリータになった派閥を
「下妻ロリ」といってちょっと違ったステージに置いているんだそうだ。
おそるべし差異化魂よ・・・。
オタク⇔ニワカの抗争はどこのムラでもあるんだなぁ。

このロリータ量産世代において
ロリータ服を着て***するということが 差異化の要になってきたと思う。

まぁ、ドレスの柄で差異化するという手法もあるんだけど(以下)
 http://riekonaito.blogspot.jp/2012/12/blog-post_649.html

・・・そこで、ロリータの再差異化の動きとして
「ロリータを着て**」が重要となってくる。
例を挙げるとこんな感じ。

 釣り×ロリータ=掘越るい http://web15.twitpic.com/b77lkw
  
社会運動×ロリータ=雨宮処凛 (雨宮さんは下妻以前からのロリータだと思うが) http://www3.tokai.or.jp/amamiya/

ロリータ服は、「普通の女の子の群れ」から抜け出すときの鎧なんだなぁ。
 ロリータ服は一般的には男性ウケするファッションではないため
基本男性のフィールドである「釣り」をしていても、
社会運動していても 「媚びている」とは思わないところもポイントだと思う。
ミニスカートだと媚びだと思われるが、ロリータは 孤高の旗印になるのだ。

小松先生の『異人論』では日本のムラ社会において
 蓑笠(みのかさ) が 「日常」から脱出するためのコスプレであった。
・・・とある。

  小松先生の異人論:http://riekonaito.blogspot.jp/2013/02/blog-post_26.html

一揆を起こす際、非日常(もしくはそのまま命を落とす覚悟)に
 突入するときにこれを着用するのである。
つまり女子グループをというムラ社会的なものを脱して
 なにかコトを起こすときの蓑笠が「ロリータ服」という 鎧なんじゃないかと。

 そして、ここに来て、ロリータの差異化戦争の中で
飛びぬけた偉人が出てきたのだ・・・。

    東大受験×ロリータ=大石蘭さん である。

さすがに、ロリータで東大は聞いたことなかった。
江川達也の漫画『東京大学物語』で 東大受験そのものは
物語としてコンテンツ化されていた。
(東大×女子は菊川玲、六條華などで既にメディアに出てた)

JKがロリータになる話は
 野ばら先生の『下妻物語』で コンテンツ化されていた。

つまり、10年代に突入した時には
東大受験、ロリータになる物語、女子が東大、
いずれも「物語消費済み」であった。

そして、満を持して
東京大学受験とJKロリータを掛け合わせて
下妻とは違うところに着地している新たなロリータ神話
 「ロリータ受験物語」が出てきたのでビックリした。

その物語はどこで読むことができるかと言えば、 この雑誌で読むことができます!

以下が大石蘭さんの受験物語の冒頭だよー(編集長のブログから画像借りてきた)


















東大受験決意から、予備校白スーツの先生の話、
合格の日もロリータ服を着て胴上げされた話などなど・・・
ロリータのお洋服と
人間との新しい関係が見て取れます。

ムラ社会の蓑笠=女社会のロリータ服
説はあながち間違ってないと思う。

 今月号のspoon.は大石さんの「新しいロリータ自己実現物語」を
 読むだめだけに買っても面白いと思うし、
ただただ目の保養のために買っても良いと思う。

目の保養企画: 玉城ティナちゃんにベイビーを着せるという
脳天直撃企画があるのだ! (以下の画像も編集長のブログから画像借りた)
 
それにしても、今回のspoon.で大石蘭さんが言っていた
「野ばらさんの精神性を継承したい」という志が
やっと理解できたように思う。
 
野ばらさんの『それいぬ』は
ロリータの美学を書いていて、それはそれで
素晴らしかった。
 
 
 
野ばらさんの
この本だと・・・乙女のハードボイルド、
時間を停止させて乙女の国を守るという意味での
ロリータ服だったと思う。
老化、つまらないオトナの女になること
少女性を失うこと・・・それらへの反逆としての
ロリータ服だったと思う。
 
でも、大石さんはそれを超えたと思う。
10年代のロリータ服は、「女子会的な群れ」「女子というムラ社会」から
脱け出すだめの蓑笠みたいなもんだし、
それを着て実際に自己実現
(東大入学が真の自己実現に繋がるかどうかは
また別のテーマなので、それはいったん保留するが)
した女の子の物語を新しい「ロリータ神話」として提示した
spoon.はやっぱり新しいな、と思う。
 
雑誌って、こういうことができるから、ネットが浸透しても
雑誌は雑誌としてずっと存在していて欲しい。
たとえば、ブログで大石蘭さんが受験物語を書いても、真意をつかみにくい。
でも、編集の力によって「新しいロリータ神話=ロリータと装甲」として
提示されると、なるほど納得である。
 
しかし、アニメ文化とロリータがごっちゃになっている10年代・・・
今度は、いつから両者が混ざりはじめたのかを整理する必要があると思う。
 
櫻井先生の新書『世界カワイイ革命』だと
海外勢はヴィジュアル系バンドの動画やアニメの主題歌
(YOUTUBEのおかげだな)
を入口にして、ゴスロリの道に入るとされている。
 
アニメなどオタク文化と
もともと親和性が高い
ジャンルがロリータなんでは?という
疑問を持ち続けていたところ・・・
いつも何かと助けてくれる女子大生レトロちゃんから
以下の本を紹介してもらいました。



この本の冒頭に整理されている図が非常にわかりやすい!
ゴスロリファッションとオタク文化の相互作用みたいなのが一目でわかる!
 
レトロちゃん、いつもありがとうございます!
 
次回はこの本に載っていた「元祖ロリータ」(80年代)の声を
 
ブログで取り上げてみたいと思います!

この記事の続編はここ:http://riekonaito.blogspot.jp/2013/03/2013222.html

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