2013年3月1日金曜日

ロリとロリータは全然違う!『週刊朝日2013.2.22』×『人造美女は可能か?』(慶応義塾大学出版会)

昨日、ロリータ服と人間の新しい関係性
http://riekonaito.blogspot.jp/2013/02/spoon20134.html
についてブログでまとめたところ、
ツイッターで「みっちゃん」さんから以下のような反応が。

みっちゃん:釣りロリータはテレビでみたことかあります。
きゃりーぱみゅぱみゅもロリータ要素を感じますね。
ロリとロリータ、ロリータはファッションで
ロリは幼いおんなのこの認識をしております。

私:ロリータの字面はたしかに
ナボコフのロリータから派生しているが
「ロリータファッション」はそこから分離して違う意味になっている。
「ロリ」の二文字は未成年を偏愛する性癖の意味になっている。
「ロリータファッション」=孤高
「ロリ」=未成年をいいオトナが愛する性癖
に分化したんだよなぁ。

ナボコフの小説も一応読んだし、映画も
キューブリック、リメイク版両方観た。

キューブリックのほう:スー・リオンが可愛かった。


以下はリメイク版のほう

リメイク版は映画館で観たが、生々しすぎて
「ロリータファッションの起源」っていうよりも
性癖の「ロリ」の方に傾いていた気が・・・。
 
きゃりーも、ロリータ要素あるんだけど
原宿KAWAII文化圏だから
ゴスロリとは違うものなのだよ。
http://riekonaito.blogspot.jp/2012/11/10302560.html

みっちゃん:たしかに・・・違うとうちも考えていますが、
ロリコンはロリータコンプレックスで
幼い女の子が好きという意味に
…… ロリータとロリの区別は難しいです(・・;

私:たしかに、ロリコン・ロリと「ロリータファッション」はどちらも
起源はナボコフの『ロリータ』なのに
全然違う文化圏のものになったよね。
そこらへん、整理したほうがいいのかも。
まず、「ロリ」のほうだけど、日本のロリ偏愛傾向は
2013年2月22日発売号の『週刊朝日』P62に
北原みのりさんが連載コラム 「ニッッポンスッポンポン」で書いている。
 北原さんの指摘は以下だ。
1)AKB48やJKリフレの広がり
2)もともとロリコンって「人に言えない性癖」だったのでは
3)ここまで広がったら「メジャーな性欲」になった
4)魂レベルで国に根付いてしまった。もはや「日本のロリ魂」

<私のコメント>==========
この指摘はすごく鋭いと思う。
もともと、ロリコン文化が表に出てきたのは
同人誌周辺の圏内だったと思うが(以下のリンクを参照)

  同人誌界隈で起こった
80年代エロインフレ:http://riekonaito.blogspot.jp/2013/01/blog-post_20.html

 80年代エロインフレのロリコン志向が
アイドル文化と結びつき、某アイドルグループの
ものすごく若い研究生を応援することが 「人の言えない性欲」じゃなくて、
おおひっぴらに出来る趣向に なったんだな。

そして、それらアイドルグループの着ているものは、 ロリータファッションではない。

ロリータファッションテイスト(頭に乗せる小さな帽子など) も
部分的に取り入れているが、
ファンを置き去りにして 孤高の域まではいかないよう、
本気ロココにならぬよう 細心の注意をはらっているAKBの衣裳。

「絶対領域」などアニメ文化を取り入れているが
 本格的なヘッドドレスやパニエは付けないので
 決して「ロリータファッション」ではない。

AKBコスチュームは
「男受けの領域= 手が届きそう・理解できる範疇・ちょっとだけエロ」
・・・・・・を絶対に出ない。

 ゆえに・・・AKBのコスチュームはJKの制服に
松田聖子、森高千里などの古典的アイドル衣裳
テイストを混ぜた独自のものになる。
  (民族テイスト、女王様風なども出てくるけれど、
それらの個性も男受けの領域までマイルド加工してある)

 ロリ志向だけど、「ロリータファッションではない」。
 ドンキの衣裳を物凄く高級な素材で 作り直したような・・・
親しみやすさを出すために わざとチープでキッチュ(デコトラ的装飾)に してあるけど
よく見ると・・・縫製丁寧で
 いい仕事してますね~的な「謎ジャンル」がAKBコスチューム。

そういえば、ドンキやハンズなどで「AKB風コスプレセット」 なるものも
セット販売されているなぁ。
ドンキのメイドコスプレセット+JK制服セットを混ぜて
すごく高級にしたような AKBの衣裳が一周まわって
またコスプレセットになっている謎。
(以下のリンク参照:このコスプレセット安いね。ちょっと欲しい)
  http://www.amazon.co.jp/%E3%82%B3%E3%82%B9%E3%83%97%E3%83%AC%EF%BC%B9%EF%BD%81%EF%BD%90%EF%BD%99-AKB48%E8%A1%A3%E8%A3%85%E9%A2%A8%E3%82%B3%E3%82%B9%E3%83%97%E3%83%AC-%E5%8F%AF%E6%84%9B%E3%81%84%E3%82%B9%E3%82%AF%E3%83%BC%E3%83%AB%E7%B3%BB%E3%83%9F%E3%83%8B%E3%82%B8%E3%83%A3%E3%82%B1%E3%83%83%E3%83%88%E4%BB%98Yapy%EF%BC%8DB%E3%82%BF%E3%82%A4%E3%83%97/dp/B002Y8IYNQ/ref=sr_1_1?ie=UTF8&qid=1362114849&sr=8-1

 なお、AKBの衣裳担当者は30代くらいの女性だ。
  (密着ドキュメンタリーで見た。もしかしたら20代かも。
 頼りになりそうな女性だった)

しかし、衣裳の関して細かく指示を出し続け、
ダメ出しし続けているのは秋元氏である。

AKBの衣裳は「アイドルオタク男子の理解の範疇」に留めておくため
すべてのファッションのパーツをマイルドにしてある。

それは秋元氏の知恵とかビジネスだと思う。 だからファッションじゃない。

でも、AKBの勢力拡大に伴い、ファッション業界が
折衷案を出し始めた。

 それが例の女子マネ服だ:http://riekonaito.blogspot.jp/2012/12/21.html
(ここではガラパゴス化と言ったが、AKB化と言ってもしっくりくる)
 ================================  

それに対し、「ロリータファッション勢」は「男受け」から 完全分派したと思う。

それはもう小乗仏教と大乗仏教くらい違うのである!! 

ロリータファッション勢が孤高の小乗仏教だとしたら、
 AKB寄りのロリは多くのオタク男子に功徳を回向する大乗仏教。

 いや、ロリータファッション勢も「ごく一部」の男性
 (ヴィジュアル系バンド男子や普通の女の子に飽きた層、ヤンデレ層) に
 ウケるので・・・決して、 異性ウケの要素皆無というわけではないのだが
基本、小乗仏教的だ。
ロリータは自分ひとりだけでも美のイデアに近づきたいのだ。

一方、AKB的な萌えは多くの衆生を救済したいのだ。
ゆえに、日本の大乗仏教が、独自の路線であるように
日本のAKBファッションも日本独自のものになったと思う。

もはや、小学生の卒業式用のスーツ(イオンで売っているもの)も
AKBの衣裳風だしね。

つまり、まとめると・・・ ナボコフの小説
「ロリータ」を起源として 女性が少女趣味で
身を飾り 「つまんないオトナになること」に
反逆しする傾向が、まず漠然と存在していた。
(つまらないオトナとは、簡単に言えば 「渡る世間は鬼ばかり的世界観」に
メンバー入りすることだ。ピン子さんホントにごめんなさい、ごめんなさい。
しかし「渡る世間モード=世間体ばかり繕う」のオトナを見ていると
「ああならないためにはどうするべきか?」あらゆる回避策を考えてしまう・・・
回避策のひとつとして「永遠の乙女化」があるかと)

その漠然とした傾向は
オタク的な文化や 関節球体人形
(人形は老化しない)などの
周辺のイメージを取り込み・・・
(以下の表は『人造美女は可能か?』慶応義塾大学出版会より)
そして、10年代は
「AKB的ロリ」(大乗仏教)
「ロリータ」(小乗仏教)に
完全分離した・・・と思う。

 AKB的「ロリ」志向は、男女混合のムラ社会の日常に
適合するためのムラの生娘の衣裳に見えるし・・・ 

ムラの掟を破ったみなみちゃんが 丸刈りになるのは
ムラ社会の延長のような気がする。

かつて日本のムラ社会で 若衆宿と娘大将、
そして後家グループなどの秩序を乱したものは
ムラのルールを破った者として罰せられていた。

ムラ社会では夜這いのルール破ると
リンチめいたこともあったそうだ。
これは赤松先生の本に書いてあった。(以下リンク参照)   http://riekonaito.blogspot.jp/2013/01/blog-post_30.html

ムラ追放(指原事件)も、
このルールに即して考えればなるほど納得である。

 一方、「ロリータファッション」のほうは
民俗学的にいうところの
蓑笠や白装束(白ロリが六部の白装束に見える自分がおかしいのか?)
・・・つまり、女子が非日常の「旅」や「一揆」などの
決意表明をする「衣」と化しているかと。
  白装束:http://wadaphoto.jp/maturi/hiwatari1.htm
 一人だけ女子会的な群れ(民俗学的に言えば女人講だ)を
抜けて「孤高の戦闘モードに入ります宣言」が
大石蘭ちゃんの
いうところの「ロリータファッション」なんだな。

詳しくは:http://riekonaito.blogspot.jp/2013/02/spoon20134.html

では、いつから「ロリータ」が
女子の蓑笠化しているのかといえば・・・

いつもなにかと助けてくれる女子大生レトロちゃんに教えてもらった
この本を取り出してみましょう。












この本のP74~の宝野アリカさんの「聖人造少女領域」を
読んでみよう。

宝野さんはこのような人です
http://aliproject.jp/profile.html

(80年代からロリータファッションだったそうだ。
遡ると宝野さんは70年代にも
アリスを意識したファッションをしていたそうなので
このお人を元祖ロリータファッション認定しても良いのでは・・・?
いや、元祖が誰なのか?を探ると、元祖とんこつラーメンの店は
どこだ?みたいなキリの無い話になるかもしれないが
いったん宝野さんを元祖だと考えます。)


下妻ロリ以前のロリータの動向を探るには
元祖・宝野さんが執筆されたものを読めば良いんですな!
この本を薦めてくれたレトロちゃんの真意がよくわかりました。

本書の宝野さんの論のざっくりまとめは以下=============

1)やはりロリータファッションの精神性の源は「不思議の国のアリス」
http://riekonaito.blogspot.jp/2012/12/blog-post_649.html

2)宝野さんのALI PROJECTは映画や特撮のなかの「人造人間」のイメージを
意識したそうだ。
そして宝野さんがインスパイアされたのは恋月姫さんのドールのようです。
(ファンから送られた写真集きっかけのようです)
http://koitsukihime.jp/

つまり、不思議の国のアリス+ドール創作文化+
SFの人造人間=ゴスロリの精神性ってことかな。

3)そして、宝野さん、元祖としてゴスロリを定義しています。
*レースフリル・リポンに飾られた華美な服装
*スカートはパニエで膨らませる
*靴は編み上げもしくはワンストラップの厚底
*縦ロールの髪をリボンやヘッドドレスで飾る
*色調は黒・白・ゴブラン風花模様

4)と、ここで、宝野さん、いきなり
メイドさんのコスプレと、
ゴスロリ少女の高貴さを
ごたまぜにするな、という怒り大爆発

宝野さんの怒りの文章は以下・・・

わたしはかつての友、アリスの末裔たちこそを愛する。
インチキナースや制服や、アニメのキャラクター衣装と共に
売られるゴスロリ服の化繊のレースやごわついた布地に
けっして高潔で孤独な思想は包み込めはしない。
こんな偽物の少女と一緒にされるならと(以下略)

==========================

ドンキ的なコスプレと高貴なロリータを混同してくれるな、という
元祖からの叫びですな。
(荻野アンナ氏がこの書籍の土台になった
シンポジウムでドンキのメイドコスプレ
してしまっているのが書籍に掲載されているので
それに対するレスポンスのような気がするんですがW
宝野⇔荻野の間にどのような空気が流れたのかは想像できる。
書籍にも、宝野さんの
「荻野さんがメイドの恰好をしているので言いにくいのですが(以下略)」
・・・と緊迫感溢れる対話が記録されてる・・・)

でも、まぁ、宝野さんはアニメ「ローゼンメイデン」の主題歌歌っているので
そこらへんの解釈は難しいところです。


アニメ「ローゼンメイデン」はレンタルDVDで観たなぁ。

本格的ゴスロリ&ドール要素をアニメに取り入れた
画期的な作品だった。

しかし、それをコミケでコスプレする層が出てきて・・・
アニメキャラコスプレ⇔孤高のロリータの垣根が
崩れていった気もするので
・・・宝野さんが、アニメキャラコスプレと同列にするな、と
非難するのはどうかとも思うが・・・
宝野さんの言いたいことはわかる。
(荻野アンナ氏のメイドコスプレの写真を見て激しく理解)

それはさておき、たぶん・・・宝野さんのいうところの
「メイドさん萌え」的な部分は秋葉に吸収されているし
そこを起点にAKBが生まれた。

そして、宝野さんの怒り(というか、もはや雷とか鉄槌だな)
でロリータ傾向の大陸は
「ロリ」(メイド喫茶・AKB・萌え)と
「ロリータ」(孤高・少女アリス・マイワールド)に
完全分離している。

アリス⇔メイドは全然違う存在なんだよね。
フリルが少し似ているだけ。
精神性は全然違う。

ロリ⇔ロリータでは違いがわかりにくいから

アリス派(孤高のロリータ)⇔メイド派(AKB的萌え)
とラべリングし直したらいいじゃん・・・と思う。

そして、両者の間には深い海溝が・・・・・!

両者をごたまぜに解釈している男の子の国の人多そうだけど
それは大滝秀治的解釈であって(秀治的については以下)
http://riekonaito.blogspot.jp/2012/12/1990.html
ぜっっっんぜん違うのよ。

でも私はAKB的メイドさん的な価値観を否定しているわけではない。
(というか、篠田麻里子センセイのDVD持っているし)

ただただ言いたいのは
AKB的ロリ萌え⇔ロリータの孤高は
違う国のものなので、
両者を混同しないで欲しい・・・というお願いです。

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