2013年3月23日土曜日

村上春樹『海辺のカフカ』×士郎正宗『攻殻機動隊2』

えーと、昨日この記事で
http://riekonaito.blogspot.jp/2013/03/blog-post_22.html

村上春樹の『海辺のカフカ』=ネイティブアメリカンの
ヴィジョンクエスト説を説明しました。

たぶん、村上春樹は・・・以下の2つを『海辺のカフカ』の軸にしていると思う。

1)「ネットが意識を変えた先に紙媒体が重要になる」
http://riekonaito.blogspot.jp/2013/02/30.html

2)ネイティブアメリカンのヴィジョンクエスト

詳細は村上春樹著『海辺のカフカ』をお読みいただくとして・・・
今回はその内容を理解するための手がかりを書いてみたいと思います。

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えーと、まず「ネットが意識を変えた先に紙媒体が重要になる」
についての補足ですが・・・
前回と前々回の記事で説明しましたが、
ここに、さらに補足をするならば・・・ 「笑い男」が登場しない
コミック版『攻殻機動隊2』の最終章にも
「図書館」が登場するんですよ!
文字は心の鏡、紙束はその体・・・
これだけ電脳化された世界観の最終章に
この言葉が出てくるのが士郎さんの凄いところなんだ。

















『攻殻』コミックはメジャーだけれど、
『攻殻2』はあんま読んだ人いないんじゃないかと。
でも宗教性もブッ飛び具合も、着地点も なにもかもが凄いのが2のコミック版なの。

TV版のファーストシーズンは士郎さんの哲学が
ちゃんと神山監督の手で作品化(というか哲学は貫きつつ違う作品)
になっていたのだが・・・ TV版のセカンドシーズンと
映画版(攻殻映画版とイノセンス)は
押井監督のナルシシズムやら「彼の美学」みたいなものが入りすぎて、
アーコレジャナイみたいなこと(愛知万博の「夢見る山」的な要素が入る)
になっているので・・・・・・・・
元祖の攻殻の世界観を知りたければ ぜひ、
士郎さんが描いたコミックの原作の1と2を
両方読むことをおすすめする。

士郎さんの脳内の規模がデカさがわかると思う。
そして、あれはたぶん映像化できない。
(注:ウォシャウスキー兄弟が挑戦して
『マトリックス』作ったけど、やっぱあれは別)

攻殻のコミックはとくに2が凄い!
凄いんだけど、
宗教ー民俗学ー心理学ー生物学ー生命倫理
・・・のジャンルを股にかけているマンガなので
そこらへんを齧ってからじゃないと 「ナンジャコレ」になるかもしれん。
というか、自分も理解するのに何年もかかったんだ、『攻殻2』のコミックス。

以下のページだけ見ても、
日本のシャーマニズム、神話、民話、ユング心理学、
仏教的な空の概念、生命倫理・・・の要素が満載。

以下の『攻殻2』のコマを説明しよう!
素子(素子についての説明はコミックスの1を見てね)
が電脳の海の中で、新しい生命体になろうとしていて
それを「宗教」の側からシャーマンが見ている。
それを偉い人が生命倫理的な側面から考察している・・・
という場面でアリマス。





















このコマだけ見てもわかるように・・・

日本の宗教的な背景が根底にあってこその
士郎さんの世界観。

映画『マトリックス』では攻殻の世界を映像化したものだが・・・
宗教性の部分で、結局監督ウォシャウスキー兄弟の
詰めの甘さが出たというか
・・・救世主ネオを出してはみたものの
監督は攻殻の世界の軸にある
日本の宗教性のところまでは理解できず
宗教性の部分が「キリスト教の世界観」と混じり、
収拾がつかなくなってオワタのが映画マトリックスなんでは。
ただ、アジア系の流れのあるキアヌをネオに選んだことは
かなりセンスある人選だと思われる。

えー、なにが言いたいかというと
士郎さんも村上春樹も
ネット社会になっても「紙媒体」の価値は残るということ、
そしてどのような科学が発達した社会になっても、結局
「霊性」「宗教性」が重要であるということが言いたいのだと思う。

☆ちなみにネットの霊性について
まとめたのはこちらね:http://riekonaito.blogspot.jp/2012/09/blog-post_9804.html

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さて、『海辺のカフカ』の2つめの要素・・・

2)「ネイティブアメリカンのヴィジョンクエスト」
についてもツッコんでみましょう。

ヴィジョンクエストのイメージを
唯一映像化に成功したものといえば
アトラスのゲーム「ソウルハッカーズ」ですよ!(以下動画)
リンチ監督の『ツインピークス』も
ィジョンクエスト要素あるね。

『ツインピークス』に出てくる 丸太おばさんがシャーマンの比喩。
森に入って死者と交信するシーンなんてモロにヴィジョンクエスト。

地元警察にネイティブアメリカンのメンバーがいるし、
ツインピークスは「ヴィジョンクエスト」を描くために
人間ドラマを後付けで付けたようなシリーズだと思う。

ってか、リンチ監督自身、瞑想で湧いてきたイメージを
実際に映像にして映画にしているだけなので、
彼自身が「ヴィジョンクエスト」的行為で見たものを
我々は共有できるのだ。

詳しくはこちら:http://riekonaito.blogspot.jp/2012/11/20077cut.html

インランドエンパイアの映画は 「人の心を変える劇薬」と評されたが・・・
  それもそのはず、だって、リンチ監督のヴィジョンクエストなんだもの。

  ネット社会におけるアナログ図書館の重要性×ヴィジョンクエスト
・・・これらのテーマが『海辺のカフカ』の中心ではないか?と思います。

ってか、読んでから自分なりに 理解するまでに10年かかったんですが・・・。

えーと。
今回は前置きで終わってしまいましたが(汗
とにかく、ヴィジョンクエストは『海辺のカフカ』に 出てくる主要テーマなんですよ。

そして、それを知るためには 本家のネイティブアメリカンに
ついての文献を読むべきなんです。
でも、今日は長くなってきたので
以下の文献の紹介は明日にまわします。
この本、ホントに凄いよ↓            

 
               
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
雑誌編集者(宝島の編集)
が渡米し、ネイティブアメリカンについて調査して
書いた本なので、
学者さんの調査というわけではないのですが
学術的にも本当に素晴らしい。
いや、むしろ学者の書いたものよりも柔軟性があるので
素晴らしくいきいきとした学術的な書になっています。

次回はこの本を紹介します。

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