2013年3月29日金曜日

【内藤ペプシネックスが比較しながら紹介する女子校本×2】『女子校あるある』ろくでなし子

昨日ここで・・・

http://riekonaito.blogspot.jp/2013/03/blog-post_28.html

平塚らいてうの雑誌編集作業の裏にはエス的な事件
→女学校の上級生下級生のエス的関係
→少女雑誌のエス小説
(元JUNE読者の亜月鳥子さんの情報によれば
JUNEもBLブームの前に
エス小説を掲載されていたそうです)
→実は下妻物語も根底にあるのはエスなのでは
(これも昨日のブログで指摘した)
→ボーイズラブを軸とした「エス」的なつながり、
もしくはゴスロリ系お茶会的なエスに分派

・・・・・・・・・・・という流れを説明しました。

ゴスロリ系のお茶会文化は、
宝塚のお茶会文化同様
長く続いていくのではないかと思います。
 
男性のイデアを女性が模倣し、理想の男女関係を夢見る
宝塚的お茶会(保守的フリル・ピンクハウス)

双子の魂を求め、エス的な美的な魂の交わりを理想とする
ゴスロリ的なお茶会(攻め・ゴスロリブランド)

は違うものだけど、
ホモソーシャルの裏返しとして
女性の間に綿々と継続していくのでは?と思います。

しかし、趣味の方面にエネルギーが分派する以前の
「女学校(現在だと女子校)のエス」ってのは、
未だにあるんでしょうかね。

明治・大正・昭和初期の女学校は
若者の不純異性交遊(うわこの字面はなんだか凄いな)
タブーとされていたし、大正・昭和の
少女向け雑誌にも「そのようなことは絶対にいけませぬ」的な
警告が発してありました。

不純異性交遊が禁じられたゆえのエスと、
エスから派生した文学・・・
だったわけですが、
「エスそのもの」は現在でも
女子校に存在しているのでしょうか。

ちなみに、ワタクシ自身の女子校ネタは暗黒すぎるため
その代わりに2011年発行の辛酸なめ子先生の
御本で調べてみたいと思います。
そして、2013年の「ろくでなし子先生」御本でも調べます。

・・・が辛酸なめ子さんといい、ろくでなし子先生といい、
女子校ネタを書かれる方は名前の振りきれ方が凄い。
中村うさぎさんが「女子校出身者は
姥皮(ウバガワ)を被るのが上手い」と
指摘されていましたが(自虐で身を守る方法)・・・

女子校ネタを書く際には、自虐ネームが
ウバガワとなり、女子校出身者の
ハートをつかむのかもしれません。

余談=========================

なお、この自虐ネーム法、
まんしゅうきつ子さんで
いったん、ピリオドの向こうへ行ってしまったので、
一周廻って、普通の名前で
出るしかなくなってきたようにも思えます。

和製英語風の名前で自分を超える術も

田口ランディ、山崎ナオコーラ、リエコ・J・パッカー、山田ズーニー
アンラッキー後藤・・・・・・・・

・・・・・・・と系譜ができてきて
もう次が思いつかない。

クライマックス感を出すネーミング術もありました。
ヒロミックス、マヤマックス・・・でも、90年代カルチャーの匂いがする。
 
さきほど、自分も
内藤ペプシネックス
(マヤマックス、ヒロミックス、山崎ナオコーラの語感を超える名前
 しかもカロリーオフ感まである!)
という新たなペンネームが閃いたのですが・・・

いまさら、どこでこのペンネームを使えばいいのか
全然見えてこないので、このペンネームは保留にしておきます。
============================

・・・・・・・・・・話が逸れました。

なんの話してましたっけ??

「エスそのもの」は現在でも
女子校に存在しているのでしょうか。
・・・っていう議題でしたね。

そこで、内藤ペプシネックスは、
辛酸なめ子さんの女子校の本の紹介をします。

2011年に出版された『女子校育ち』です。



この本の72ページ~

「女子校プラトニックラブ」と題して、エス的な交流の現在が
描かれています!!

辛酸なめ子先生の女子校への真摯な思いがわかるこの章。
複数の女子校出身者への聞き取り調査の結果、
このようなことが分かったそうです。

以下のタイプの女子校に「エス」的なものが継承されており・・・

*あまり異性と交流しない真面目な進学校
*周りに何もない、隔絶された所にある女子校

それ以外の女子校は異性愛主軸みたいです。

<私のコメント>
しかし、「それ以外の学校」にも「異性愛主軸にシフトできない層」がいるはずなので
そこが「宝塚」「ゴスロリ系お茶会」へと流れている可能性があるかと。

異性との交流が盛んな女子校でも、中学までは
ボーイッシュな先輩が人気で、
高校からはキレイ系先輩が人気になるそうです。

中学:異性の代わりとしての先輩
→高校:エス的なもの

・・・と「人気の先輩像」に変化があるみたいです。

そして、この本、ここで、すごい具体例が・・・
辛酸なめ子さん、雙葉出身者と桜蔭出身者をつかまえて
インタビューしているんですよ・・・(P79)

雙葉出身者Aさん:運動部で髪が短ければモテる。
クリスマスに2人の女子からマフラーもらって(手編み)
ひとつだけしていったら、マフラーくれた
後輩どうしが取っ組み合いの喧嘩
・・・という女子どうしの修羅場エピソードを披露。

桜蔭出身Aさん:演劇部の男役だったからモテたそうだ。
バレンタインはチョコもらいまくりだが、本人にその気はなし。

と、思ったら、体育会系にもインタビューしている辛酸なめ子先生。

某女子大附属(本書だと、伏字になってないけど
これ大丈夫なのか・・・?ここでは伏字にしておこう):山の中での
寮生活だけあって、学内カップルが5,6組できていたそうだ。
同性愛カップルがいたのに、大学に入るとあっさり異性愛にシフトする派が多い。

他にも、女子校での疑似恋愛エピソードが具体的な学校名付きで
じゃんじゃん出ているが、こんなにオープンにして大丈夫なのか。この新書は。

そして、こうまとめてある。

世界に共通する民話のように、どの女子校でも
プラトニックラブストーリーの結末は
「卒業したとたん、魔法がとけてなかったことになる」
同じような秘密を共有している女子校出身者同士は
共犯意識で通じ合っている。

(注:ただし・・・ジェンダーの問題提起において、
女子校の魔法とかじゃなくて・・・
本当に性的嗜好が「女性」に向き続ける女性も存在するので、
ここで女子校マジックと言い切る辛酸なめ子先生に100%賛同はできません。
が、あくまでも「女子校を題材にした新書」なので、ここでは
このような説明でも、許容範囲内であると思います)

にしても、辛酸なめ子先生の新書は、聞き取り調査もちゃんとしているし、
なにより具体的な校名出しているところがリアルすぎて驚く。

しかしながら、
昨日、ブログで説明したような
野ばらさんの分類・・・

同種に惹かれ、一体化したいと思う
=近親相姦的(こちらがエス)


↑やんわりいえば、同性のロールモデルや共感

異種のものに惹かれ、
己の欠けた部分を補うため
=社会主義的願望(こちらがレズビアン的)


↑やんわり言えば、疑似異性愛

・・・・・・のハッキリした分類がされてないのよ、この本の場合。
分類しておいたほうが良かった気がするけど。

ごたまぜに「女子校のプラトニックラブ」と括ってしまっているので
そこから「エスの精神性」を抽出しようとするとなると
カオスの中から、どうにかして美しいエス魂を見出す努力が必要となる。

とはいえ、2011年にエスはあるか?という調査として、
この新書は価値あると思う。

「進学校」「周囲と隔絶されている」場合の女子校には
いまだ濃厚なエスの風潮が継承されている。
そうでない場合も、多少はある。

現代日本にも、あることはある、ということが分かっただけでも
この本の価値が充分にあると思います。

=============================================

話は変わりまして。

2013年に出版されたこの本をご紹介します。


『女子校あるある』(彩図社)
・・・・・・・・・・は
異性の代わりとしての先輩
エス的なもの
・・・この分類がされていてわかりやすい。


ろくでなし子せんせいが挿絵をご担当されている。
(編集は「女子校あるある研究会」なのだそうです)

昨日、言葉でこの違いを解説しようと試みたが、
http://riekonaito.blogspot.jp/2013/03/blog-post_28.html

それよりも、ろくでなし子先生の挿絵を見ると一発でわかるのだ。

 
↑難しく言うなら、こっちが
異種のものに惹かれ、
己の欠けた部分を補うため

=社会主義的願望(こちらがレズビアン的)

 
↑難しく言うなら、こっちが
同種に惹かれ、一体化したいと思う
=近親相姦的(こちらがエスね)

 
『女子校あるある』はコンセプト的にはネタ本なので、
(中・高女子校出身者なら100%楽しめる)
学術的な資料というよりは
娯楽要素が強めになっていると思われがちだが・・・
実は分類が丁寧で、
新書形式で出ている
辛酸なめ子『女子校育ち』よりも
鋭い観察眼が光っている点がある。

だから「あるあるネタ本」と見なして
スルーするのはもったいないように思える。
他の「あるある本」の流れに
乗っかってタイトルを付けたのがもったいない。

ガールズカルチャー史の資料として、
この『女子校あるある』を並べても遜色ないと思う。
======================

さて、ここで、2011年辛酸なめ子女子校本『女子校育ち』、
2013年ろくでなし子先生が挿絵を
担当された『女子校あるある』を比較し、
違いを見つけるならば・・・

「女子校キャラ分類」の分類が全然違う。
(というか、ろくで先生の本は小ネタが盛り込まれていて仕事が丁寧、
あと、いま現在の女子校キャラをしっかり捉えている

分類法の違いを見てみよう。

なめ子先生の分類
*深窓お嬢様系
*お嬢様系
*温室・夢見がち乙女系
*良妻賢母系
*モテ系
*努力秀才型系
*性超越系

ろくでなし子先生の分類
*お嬢さん
*ギャル
*真面目っ子
*部活一筋
*ジャニオタ
*アニオタ
*不思議ちゃん(ゴスロリ系はここに分類されている)

この分類の違いだけど・・・
辛酸なめ子先生の分類は「90年代に青春を送った人の女子校キャラ分類」で
ろくでなし子先生の分類は「90年代生まれの女子校キャラ分類」だと思います。

辛酸なめ子先生は「足かけ7年にわたる取材」を銘打っていらっしゃるが・・・
7年の間にガールズカルチャーは、めくりめく速さで移り変わってしまったのだと思う。

一方、「いま現在の女子校キャラ」は
『女子校あるある』に掲載されている
ろくでなし子先生の「キャラ分類」がストライクなんだな・・・。

特に、『女子校あるある』は
ジャニオタとアニオタ、
不思議ちゃんが完全分離したことを
見ぬいて別種にしているところが
「新しい情報」のように思います。

辛酸なめ子先生が分類されてた時期は
派手な子⇔そうじゃない子(趣味は違えど、モッサリ)

だったのが・・・

ろくでなし子先生の最新分類は
「派手な子は少数派(ギャル)」で、
多数派になった「オタク系」が細分化されて、
「完全分派し、それぞれのジャンルの方向性で
派手になり、外見も磨かれてきた
ことが明快にわかります!!
ジャニオタとお嬢様が
ほぼ同じ派手さになっている挿絵に納得。

この辛酸なめ子分類⇔ろくでなし子分類の
「違い」がなぜわかるかといいますと・・・
ワタクシ自身が前者(90年代に青春を送った)で、
さらに、現在、後者(90年代生まれ)の
女子校キャラに接しているからです。
ゆえに、この分類の違いの面白さがわかるのだ。

あと、ろくでなし子先生の絵が「きいちのぬりえ」みたいだし、
完成度高い。絵を楽しむだけでもアリですよ。
思いっきりギャグなのに、耽美なエスの雰囲気のキラキラ挿絵。

辛酸なめ子先生の脱力ゆるゆる画風は
多くの文字情報あってこそ面白さが成立するものでしたが、
ろくで先生の本は「絵」単体でも、じゅうぶん楽しめるクオリティです。

・・・・・・・・以上、内藤ペプシネックスの女子校本紹介でした・・・。 =完=

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