2013年6月12日水曜日

ユキサマルカンド『黒豹たちの教室』×秘密結社 鷹の爪 NEO 「まとまってるよ!」Blu-ray BOX

えーと、今回ご紹介する本は
ハーフといじめに関する書籍
『黒豹たちの教室―いじめられっこ―文化人類学―』

ハーフの著者が、日本の学校での
いじめを経験、大人になってから
「あれはなんなのか」と研究した書物。

過去を振り返ると、当ブログで「ハーフについて」と
「いじめについて」の文献を紹介してきた。

ハーフについて:http://riekonaito.blogspot.jp/2012/09/blog-post_3.html
いじめについて:http://riekonaito.blogspot.jp/2012/09/blog-post_5692.html

・・・が、ハーフについての文献は良書だが
学術的な本というより、
著者の体験談+分類あるある+問題提起の本だった。

いじめについては学術的な本だが
ハーフいじめについて特化したものではない。

では、「ハーフいじめ」というニッチな分野の
学術研究は存在するのか?といえば・・・
存在する。そして以下の本である。

しかも文化人類学で博士号を持っている
女性研究者(父が日本人で母がドイツ人)
シェルブルック大学教授のユキサマルカンドさんの著書。


この本、小学生でも読める学術的な本、という凄い本。
現場にこの本を届けたいという切実な想いを感じます。

サマルカンドさん自身、ひどいいじめにあった人で
それを研究のモチベに変えた人。

サマルカンドさんはハーフってことで
日本の小学校でクラス中にいじめられ
さらにそこに担任も加担した。

ここで、サマルカンドさんはいじめの本質について悟る。

群れとなろうとする集団が、仲間という感覚をつくりあげるために
都合のよい「よそ者」を選び出し、「内なるもの同士」で
リンチという共同の作業を確認しあうプロセスが「いじめ」だ。

しかし、サマルカンドさんはいじめで腐ったわけじゃない。
文化人類学の糧としたのだ。

本書P25の文化人類学の定義は彼女の経験から導き出した定義だ

文化人類学という学問は、人の群れの仕組みのでき方、
力のない者とある者のでき方、協力と葛藤、
などを外から、内部者の目をもって、
もしくは、内から外れ者の目をもって、
見ていく学問である。
いわば、職業的文化追放者として、あらゆる先入観、
偏見、思い込み、にあらがって、あえて外れ者の目を大切に
つちかってゆかなければやってゆけない商売である。
まさに、常に教室の中の集団の継続に利用されつづける
内なる外れ者である、いじめられっこは、
文化人類学者になる最高の訓練ができているわけだ。

よーするに、ムラ社会の異人論、
それを外部から研究する者の関係性ね。

日本のムラ社会の異人論:http://riekonaito.blogspot.jp/2013/02/blog-post_26.html

いじめられっこが文化人類学者に向いているかどうかは
わからないし・・・一般的な定義とは少し外れると思う。

でも、いじめられたルサンチマンを糧に、
好奇心という名の武器で闘うためには
このような少しズラした定義が必要になるのかもしれない。

ちなみに。サマルカンドさんの場合、
カナダにもムラ社会的なものが
あることを指摘していることである。
日本だけじゃないのだ。

そこでサマルカンドさんが着目したのがケベック。

ケベック、実は排他性がまだあるのだ。


ここに行って、サマルカンドさんが子供たちにどう思われるか
質問した結果がP243~から。

そこから、いくつか抜粋

アニックの回答:自分はケベック人&ネイティブアメリカン
サマルカンドさんは中国人(注:これは間違い)

アニー:自分はケベック人で、サマルカンドもケベック人(フランス語を話すから)

ミミ:自分は不明。サマルカンドさんは日本人か中国人。

カリン:自分もケベック人でたぶんサマルカンドさんもケベック人。

シャンタル:自分はケベック人でサマルカンドさんは日本人。

アリヌス:自分はケベック人で、サマルカンドさんもケベック人にもうなった。

マルタン:自分はケベック人で、サマルカンドはラオス人。

ラオス?マルタンに関しては
正解をかすってもいないじゃないか・・・。

人種差別がいかに偏見から来ているものなのか
わかる実験ですね、これは。
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<私のコメント>

要するに、これは鷹の爪風に言えば・・・
『鷹の爪NEO』の第三話「愛と勇気の桃太郎」が言っていた
「鬼は心の中にいる!」なんですよね。









鷹の爪NEO
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境界線の内と外→外に鬼

じゃなくて・・・

心の鬼→鬼が境界線の内と外をつくる

ってわけです。

ってか、ほんと何の話題でも鷹の爪のオチになるのはなんなんだろう・・・。

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えーと、話が逸れましたが、サマルカンドさんの
最終結論はこんな感じ。

「いじめられている人も
一人であることを恐れずに、自分の名前を忘れないでいてほしい。」

そして、彼女の文化人類学への道筋はこうだ。

「はるか昔、東京の一教室で味わった、人の醜さを理解しようとして
旅をし続けていたら、北米の片隅のケベックで
偶然にも、同じような、クラスの檻の中で、それでも笑っていた
アナベルに出会った」

ようするに、世界中どこに行っても排他的なグループはある。
その排他的なグループの中で迎合し、自分を失うことはない。
サマルカンドさんが日本の教室の小さな檻から出て
研究人生を歩んだように・・・
小さな組織の中でいじめられても何ら腐ることなく、強くいろ、
いつかその小さな世界から脱出し
まったく違う可能性が出てくる日が来るかもしれないから・・・ということだ。

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