2013年7月25日木曜日

【実は神回じゃなくて仏回だった?!】西行の歌における月のイメージ×『鷹の爪MAX』第14話「月と親友」

先週の鷹の爪MAXがお休みだったので、
今週のストリート怪人製造の話題で盛り上がる前に
ギリギリすべりこみで

「月と親友」回で
もう1回解説ページを引っ張ろうと思います。



前回はこの動画に出てきた
「マクロ経済大回転」をネタに話を広げてみました。

わりとバズった→http://riekonaito.blogspot.jp/2013/07/blog-post_13.html

反応まとめも→http://togetter.com/li/532942

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しかし、このお話・・・・・・・・
なぜ「月」なんでしょうね?

「月」と「人の心」にはどのような関係性が??

この疑問を解く鍵は「西行」にあります!たぶん。
(注:私の個人的な解釈なので、
 あくまでも「たぶん」ですよ)

この本のP201~「月と密教的瞑想」の章をお読みください。

AMAZONへ→ユング心理学と宗教(渡辺学・著)

まず、西行って誰なのか?
基本:http://100.yahoo.co.jp/detail/%E8%A5%BF%E8%A1%8C/

そして『ユング心理学と宗教』のP212の
西行解説へ・・・

西行が歌のベースにしていたのは
以下の経典だった。

1)菩提心論(東密系)
2)無量寿経(浄土教)
3)阿弥陀経(浄土教)
4)往生要集(往生要集)
5)般若心経
6)法華経

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つまり、西行の歌のベースには仏教の経典のパーツが
埋め込まれているのだ!

西行の歌と仏教×自然として解釈したのは
ウィリアム・ラフルーアだったけど、いまいちしっくりきてなかったので、
渡辺氏は「西行がイマジナルな自然の
イメージを使って宗教的観念を表現した」
と再解釈して論を進めている。

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話はとびましてP216ページ~

真言密教には「心は本来的には清浄」であり
そのありかたをありのままに知ることが悟りであると考えられた。

そして、初期経典の『法句経』においては
月は「汚れなきものの比喩」として用いられたが、
密教においては「より自覚的」にその月のイメージが用いられた。

密教は修行に「月のイメージ」を使用した。

それが以下。

月輪観:http://www.sakai.zaq.ne.jp/piicats/ajikan.htm

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でも、実際、この方法で西行が修行していたかどうか
確認はできない(本人に聞くわけにはいかないので)

だとしたら・・・「歌」から推測するしかない。

ちなみに、月輪観のもっとも凄いヤツは

「天然の月を見て、澄み切ったココロをイメージする」というもの。

それはそうだわな・・・掛け軸みたいなものを見て
イメージするよりも天然の月を見て瞑想したほうが効果あるだろね。
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月=心に見立てて西行が詠んだ歌は数多くあれど、
それがとくによく表現されているのは以下の歌のようです。

観心
闇はれて心の空にすむ月は西の山辺や近くならむ 西行

(密教的な修行の方法=月輪観と
 浄土教の世界観=西方浄土が見事に融合していて
 すばらしい作品になっておりますなぁ)

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そして鷹の爪の「月と親友」のお話に戻りますが・・・・・・

哲夫はドイツに行って吉田くんというお友達と離ればなれになりましたが
「月」に吉田くんの顔が書いてあるので、それを観て吉田くんを思うラストでした。

これは西行の歌にも同じようなものがあります。

ひとりすむ片山かげの友なれや
あらしにはるる冬の夜の月 西行

これは西行が月が瞑想の道具でもあり、
また孤独な修行の友=月としていたことが
わかる歌だとされています。

『ユング心理学と宗教』(渡辺学・著)の
P226ページの文章を読みながら、
鷹の爪MAX第14話「月と親友」を見ると
ますます趣深いです。

P226==============
自然の表象のうちでも月の表象は、
仏教的な表象とわけることができないことが
判然とする。
つまり、ここで心像世界と現実世界とは
互いに融通しあい、決して別個には存在していない。
こうして、西行は、仏教によって象徴化された体験の世界に
生きていたのである。
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鷹の爪MAX第14話の
吉田くんの名セリフ
「遠くにあればあるほど、
 よく見えることがあるんですよ」

・・・は、ほんとに深い。

月=心
月=孤独な修行の友

とした西行の世界観とシンクロして
第14話「月と親友」は
素晴らしい芸術作品になっていると思います。

鷹の爪の団員のみなさんは
月を観るたびに、生涯の友・吉田くんを思い出し・・・・・・
また、月が「心」「浄土」のイメージと重なって
仏教的な世界観を感じることができます。















・・・・・・・・というわけで、鷹の爪勝手に深読みシリーズも
ついに西行の世界まで来ました・・・・・・・・・。

また深読みのネタになりそうな神回を期待!

(ちなみに「月と親友」回は西行で解釈すると、神回というより
「仏回」と言えるかもW)
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こちらもよろしく☆

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