2013年8月19日月曜日

阿部真大『地方にこもる若者たち』(朝日新聞出版)

ちょっと冷静になれた
いまだから正直に言うけど・・・・・

村上春樹の多崎つくる~の
http://riekonaito.blogspot.jp/2013/04/blog-post_13.html
シロに関する描写は

「地方に残された組」に関して

的を射てたと思うし、
だからこそ、ドンピシャすぎることに傷ついて
好意的なレビューが書けなかったと思う。(すいません

自分とモロにシンクロする愛知県⇔東京の
文化的・精神的格差の話だったから
痛すぎたというか。

でも・・・・上京せずに地元に残ったシロに関して、
救いが無さすぎるよ、この本。
だからといって、あまちゃん的にすると
朝ドラになるので、
多崎つくるはあれでいいのかも・・・。
でも、救いが無いんだったら、
ノンフィクションでいいやん・・・・。と思う。

でも、三浦展みたいにジャスコ軸じゃなくて
速水氏みたいなショッピングモール軸でもなくて
若者軸でノンフィクション・・・・・・・

と思ったら、出た。
しかもキンドルで買えたので便利。



しかし、やろうとしていることは新しいし妥当だと思うんだけど・・・・・

ちっこいデータで勝負しようとしすぎのような気がするんだよね・・・・・・

ただし、「おわりに」に『岡山の若者たち』というタイトルにしようと思ってたけど
これになりました的な反省の弁があった。
ほんとに『岡山の若者たち~地方に住む若者の事例から~』に
したほうが良かったように思う。

ただ、「本格的な統計調査は今後の課題にしたい」と
「この本で語られていることはひとつの試編であり
その検証はこれからの調査、研究にかかっている」
いうことが最後に書いてあるので、
そこはツッコめなくなっている。ガードしてあるといった方がいいかも。
自分でもわかってますからネ的なアピというか・・・。

でも、この本を買って、全部読んでからこれが書いてあると
「それは最初に言っておくれ・・・」とも思う。

これはビッグデータで本気でやるなら
日本全国行脚しないとスケッチできない現象だし
・・・・・・・・これだけ小規模なデータで勝負するんだったら

少人数の「むちゃくちゃつっこんだ自分史を数例」で
勝負したほうが、むしろ正確に描けると思うんだ、地方を・・・・・。

社会学ジャンルで若者論を展開するときの
データ収集の方法の好例は以下のふたつだと思う。

少人数の人間関係を図にすることでスケッチした以下の文献
http://riekonaito.blogspot.jp/2013/05/blog-post_3685.html

自分史を活用してスケッチした以下の文献
http://riekonaito.blogspot.jp/2013/08/blog-post_11.html

==========================




↑この本は、この1冊にあれもこれも入れて
日本の若者の全体像として
描こうとしてかえって散漫になった印象が・・・。

岡山の若者がいかにイオンに依拠しているかという調査、
J-POPの歌詞分析、マンガのストーリーを取り上げること・・・・
どれもひとつひとつ深めていけば
かならずや核心を突く結論を導きだせただろうに
幕の内弁当的になってしまって、輪郭がぼやけているのが残念。


ちなみに、この本の要点まとめはこんな感じ。

1)1980年代:若者の自分らしさは社会への反発

2)1990年代:若者の自分らしさは夢を叶えようとすること

3)・・・・・・・・その結果「勝ち」と「負け」に分かれ、
「人との関係性重視」へと戻った

4)2000年代:モータライゼーションの完遂
「新しい地元観=世界から自分たちを守ってくれる楽しい地元」の誕生

5)この後、新しい若者論「分離」と「統合」の二極化
→ギャル的マネジメント→新しい公共性へ

<以下、私のコメント>======


うーん・・・でも、この結論って
『ギャルと不思議ちゃん』や
http://riekonaito.blogspot.jp/2012/09/blog-post.html

原田曜平氏の若者論で既に出てた気もする。

ここhttp://riekonaito.blogspot.jp/2012/08/blog-post_20.htmlで大塚英志が
出していた結論とも被る。

あと、若者論に分離と統合の概念を要れるなら、
発達心理学的な要素入れないと
意味わかんないよ・・・・・・(以下を参照)
http://riekonaito.blogspot.jp/2012/08/blog-post_20.html

ちなみに阿部氏の言うギャル的マネジメントって・・・・・
ギャルは性的にも社会的にも早熟な女性が多いから
地域社会で配られたカードで適応していくための
「知恵」のことだと思う。そしてこの「知恵」は悟りにも近いものだ。
自分に与えられた性別や、環境、そしてその中で
うまく泳ぎ切って幸福になるための知恵だ。

だとしたら、これを一般化するのは違う気がする。

たぶん、データで調査するよりもジャスコで1カ月働いたほうが
なにかが「わかる」気がする。

今回の新書『地方にこもる若者たち』の
データ調査→ゼミでのディスカッション→データ処理と分析
→リアリティを出すためにマンガ論・J-POP論へ

・・・・・・・・という流れは「社会学的な手法で若者論を描く限界」
を示した転換点のような気もしてきた。

いまの若者は「若者文化」の担い手ではない気がする。

「島宇宙化したネットユーザー」が学校に通ったり、
ジャスコに行ったり、仕事をしたりしている・・・そんな印象を持つ。

だから、そんな若者を一般論に落とし込もうとすると
「近くで観たモネの睡蓮」みたいになってしまう。

たぶん、この本を読む人は社会の流れに敏感な人が多いと思うので
大塚英志、原田氏、松谷氏、三浦展氏の本も読んでると思う。

だからこそ、過去の研究者の論に依拠せずに
想像の斜め上の引き出しを開ける
「ものすんごい新しい論」を出さないと
どうしても幕の内弁当や
研究ノート的になってしまうんでは・・・・・・。

ここで、私が思ったことは、やはり100人の
他人行儀なデータよりも
1人の「恥を捨てた自分語り」のほうが
社会の流れをスケッチできる場合があるってことだと思う。

だから、自分はしばらくこれをやってみたいと思うんです↓
1回:http://riekonaito.blogspot.jp/2013/08/blog-post_741.html
2回:http://riekonaito.blogspot.jp/2013/08/4.html
3回:http://riekonaito.blogspot.jp/2013/08/3.html
4回: http://riekonaito.blogspot.jp/2013/08/blog-post_7788.html

5回http://riekonaito.blogspot.jp/2013/08/blog-post_17.html

6回:http://riekonaito.blogspot.jp/2013/08/blog-post_18.html
7回:http://riekonaito.blogspot.jp/2013/08/blog-post_3770.html

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