2013年11月20日水曜日

『魔性の女挿絵集』(河出書房新社)×『虞美人草』(夏目漱石)×『仙台で夏目漱石を読む』(小森陽一)

昨日のエントリで

『それから』ラスト=映画『マグノリア』のラストシーンのようなもの説

http://riekonaito.blogspot.jp/2013/11/blog-post_19.html

を書いたところ、この本をプロデュースされた後藤さんにも
認めていただきとてもうれしかったです。

ちなみに、昨日のエントリに出てきたシンクロ二シティについては
このページがわかりやすいかと

http://riekonaito.blogspot.jp/2013/02/blog-post_23.html

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今日は、昨日から引き続き、『仙台で夏目漱石を読む』の
内容について触れたいと思います。























この本で二番目に気になった点、『虞美人草』の藤尾はどう解釈されていたか?

という問題について。

これは、解説本無しで『虞美人草』を読んでいた頃に
「このキャラはどう受け止められていたのか?」と
不思議に思っていたので
膝を打ちながら解説を読みましたね~

虞美人草は以下



私はこの小説に出てくる藤尾さんの顔を
いろいろと思い浮かべながら読むのが好きで

濃い美人・エキセントリック・激情&劇場型・知的・傲慢それゆえに
自分のプライドのために自滅・・・
っていう藤尾さんのキャラは稀に見る逸材だと思っていました。

太宰のグッドバイのキヌ子http://riekonaito.blogspot.jp/2012/03/13-7-1117.html
も好きなんだけど・・・キヌ子は自立しすぎていて抜け目ないというか、
憧れるけど、超越しすぎていて怖いという感じが。

それに対して、藤尾は知的でありながら
女性としての弱さを持っているところがなんとも危ういというか
オッサンとかにインテリ層のオッサンとかにモテそうだなという印象。

で、この『仙台で夏目漱石を読む』のP128~の解説を読んでみると・・・
実際に当時の反応を知ることができます。

*藤尾は読者にも人気のキャラで、
夏目漱石の弟子の森田草平もぞっこんだったW
(つまり、当時からキャラ萌えあったんだなぁ)

*しかし作者の漱石は「こいつは悪者なのだから惚れてはいかん。」と諭したそうだ。


*漱石としては「父親の決めた結婚に同意せずに、それを裏切って
別の男を選ぶ藤尾を悪玉として描き出そう」としたわけ
・・・・漱石(意外と旧世代の価値観⇔読者は新世代の価値観)

補足としてこのページをどうぞ:
http://riekonaito.blogspot.jp/2012/11/blog-post_4523.html
(恋愛至上主義の誕生は1922年だから、虞美人草
連載開始当時1907年は
まだ時代が早すぎ、藤尾が悪として登場することに)

というか、最後の藤尾のあっけない死は
「えええええ」という感じでしたが、これ、漱石が
「自分でキャラ作っておいてなんだけど、このキャラ嫌いなんで消します」
的な行為だったんだなぁ。それに対し、読者が萌えてたとW

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しかし、ここで気になるのは、虞美人草の
新聞連載の挿絵がどのようなものだったのか?ということですな。

そこで取り出したるのはこの画集でございます。



この本の66ページに

藤尾を描いた絵が出てきます。
絵を描いた作者は竹中英太郎。




















この挿絵にいれられているセリフ

「恋を切ると紫色の血がでるといふのですか」

・・・・・・・・・・の一言で、藤尾のキャラがわかる凄いセリフ。

そんじょそこらのアパレルメーカーのキャッチコピーでは
とうてい叶わないこのセンスの良さ。

やっぱすごいぜ夏目漱石。

この着物の柄やわけのわからない背景なども
藤尾のキャラにぴったり。

背景の猥雑な小物で
読者の気を惹くことは
竹中氏が意図的にやっていた記録が残っています>魔性の女挿絵集のP66

虞美人草の挿絵に竹中氏を選んだことは
まさにナイスキャスティングで・・・

他の画家だと女性が「静謐すぎたり」(蕗谷とか)
「夢見がちすぎたり」(夢二とか)
して見えるんだけど・・・

強いようでいて弱く、
知的なようでいて激情型で、
なんともエキセントリックな
藤尾さんを描くなら、やはり竹中英太郎なんだなぁ~

・・・・・と思わせるだけのたくさんの資料が
みっちり詰まっている『魔性の女挿絵集』
おすすめです。

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