2014年1月26日日曜日

カトリック✖️日本の先祖祭祀

これまで、
アフリカとカトリック混ざるとどうなるか?など考えてきましたが…
http://riekonaito.blogspot.jp/2014/01/blog-post_23.html

日本の先祖祭祀とカトリックはどんな折衷案を
出しているのか?意外と知られていない。

実は、日本のカトリック教会は
「手引書」を出しているのであります。



こちらを読めば、いかにして先祖祭祀と
キリスト教を両立させているのかわかります。

まず、P6でキリスト教は死者に
対してどのような姿勢なのか?という説明から
入ります。

*死者の記念や尊敬は、死者を神としてあがめるものではない
*祖先を神としてあがめるならば、教義に反する
*キリスト教における死者の記念と尊敬は、死者のために神に祈ることが中心
*祈りは親類だけではなく、縁のなかったすべての死者のために祈ることも大切
*復活信仰ゆえに、死者の祈りは希望にみちていなければならない

・・・これらを基礎として
それぞれの国の習慣を取り入れ、死者の記念を行ってきたのがキリスト教。

だから日本の伝統を「適切に取り入れて」死者の記念を行うのだそうです。

このような迎合する傾向は
1962年〜1965年の第二バチカン公会議がきっかけになっていて
「諸宗教の中にも働く神を見いだす」という論理で迎合する傾向になったようです。

で、具体的な儀礼をどうするか?についてはこんな感じ。

1)親族などのしがらみがある場合は仏壇は安置してもかまわない

2)死者のためのお経→カトリックにお経はないけれど死者のための祈りはある

3)お供え物は?→尊敬と愛情の表現としてならOK

4)位牌は?→以外にも位牌も推奨されている。
その場合、位牌には
十字架と霊名を刻むよう推奨されている。

5)戒名は?→霊名で

6)仏壇にお祈りするときは何を唱えれば良いか
→「主よ、かれらに永遠の安らぎを与えたまえ」でよい

7)先祖も両親も他の宗教の場合→イエスキリストを知らない人でも
良心の声に従って行動していれば慈愛にあずかる、だから
カトリック信者の子孫とも交わることができる…という論理が
はたらくとのことです。

8)法事は?→親族の大部分がカトリックの場合は法事に相当する日に
家に司祭を招いたり、教会でミサを捧げ、祈りをすることを推奨

9)お盆には檀那寺のお坊さんが来られます→お断りする必要は無く
先祖祭祀が仏教とカトリックの二本立てになることは当然のことと解釈。
お坊さんの読経の間は、死者のための祈りを捧げればOK

10)香典・香典返しはどうすればいいか?→故人への愛と感謝の気持ちとして
行ってもOK、ただし、清貧と素朴さを忘れずに

11)カトリックの死者の日は11月2日だけど
日本の教会はお盆の期間に死者のために祈る

思うこと=================

とてもよく考えられた折衷案だと思いました。

論理的な整合性があるし、かといって、
仏教徒の家族の祭祀をないがしろにしないで
僧侶ともうまくおつきあいしていけるような
システムが確立されているなぁ、という印象です。

この冊子の中で想定されているのは

「家族で一人だけ非カトリックの人がいる場合」
「家族で自分だけカトリックの場合」
「家族ほとんどがカトリックになったがお墓がお寺にある場合」
「カトリックで親類縁者の法事に出席しなくてはならない場合」
「代々仏教だった先祖のためにカトリックの祈りは通じるのか」

…などなどです。

お盆などにも柔軟に対応しているので驚きました。

アフロアメリカンの信仰の件でもあったけど

キリスト教はかなり柔軟に形を変えているんだな、と思いました。

嶽本野ばらさんが「キリスト教のほうが葬送がかっこいいからという
理由で教会に通ったけど、すぐ挫折したエピソード」を彼の
エッセイ集で読んだ記憶があるんだけど・・・
たしかに、よほど信仰や信念が強くなければ
さまざまな面で非カトリックの家族や親族との折り合いを
つけるのが難しいでしょうね。このように
折り合いをつけやすくする手引書が出ていても
なかなか難しそうだな、と感じます。

先祖代々仏教徒の場合、また家族・親族も仏教徒の場合、
ひとりだけカトリックの葬送を行いたいと希望しても
故人とカトリック教会と綿密な連携がないと
カトリックの葬送で送ってもらえないでしょうね。

もし、仏教徒の家族がカトリックの故人の葬儀を
仏教式でした場合でも…
教会は「別途で」その故人のための
ミサを行う場合があるみたいです。

「二本立てを覚悟で」というのが、「家族が非カトリックの
日本のカトリック信者」の心構えなのではないか?と感じました。

次回はメキシコの先祖祭祀✖️カトリックを調べてみます。


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