2014年1月9日木曜日

映画『エルトポ』✖️『ラテンアメリカ宗教と社会』(新評社)✖️キラー7(CAPCOM)

以前から須田ゲー好きを公言しておりますが…

須田ゲー:http://riekonaito.blogspot.jp/2013/08/blog-post_5.html

須田ゲーの代表作キラー7はエルトポというカルト映画にインスパイアされて
出来たとされている。

両者を見比べる頁:http://riekonaito.blogspot.jp/2012/08/blog-post_21.html

しかし…「なんとなく雰囲気を似せただけ」じゃなくて
なにか共通する基盤があるんじゃないか?と
思いきや、わからなくてモヤモヤしていた。

キラー7は権力を守る側と、壊そうとする側の
延々と続くゲームみたいなものを
テレビゲーム化(ゲームというには文学的すぎる)に
した前衛的な作品だけど
(詳しくは副読本に書いてある)

副読本の紹介:http://riekonaito.blogspot.jp/2012/09/blog-post_6255.html

一方で、元ネタとなったとされる
エルトポが何を描いているんだか
雲をつかむようであった。

しかし、以前、崔監督が中日新聞にとてもわかりやすい
解説を書いていて、おおおと思った覚えがあり、
切り抜きがどっかにあったはず…と探したら出てきました。


キラー7で権力側として描かれているのが何なのかは
なんとなくわかったけど
エルトポで描かれている権力って何か?
といえば、この崔監督の解説によれば、カトリックのようです。

じゃあ、メキシコ育ちのホドロフスキーの世界観の土壌となった
「土俗と原始のカオスに強制的に注入されたカトリック」(上の記事参照)と
はどのようなものなのか?

ということを今回調べてみようと思います。

えーと、まずは、このお守りをご覧ください。

メキシコ✖️カトリックで一番わかりやすいシンボルが
このグァダルペのマリアなんです。






































メキシコの土俗の宗教とカトリックの折衷案がわかりやすい形で
アイテムになっているのがこちらかと。

なぜこうなったか?といえば、
この本を読んでみる。
ラテンアメリカ―宗教と社会 (ラテンアメリカ・シリーズ)

P109〜 

1)メキシコ独立戦争の英雄にもカトリック司祭が二人いる

メキシコ独立戦争:http://www.pahoo.org/culture/numbers/year/j1810-csa.shtm

2)ミゲル・イダルゴとホセ・マリア・モレロスである

3)高位の聖職者らは、イダルゴやモレロスの革命運動には賛意を示さず
彼らが銃殺されるまでに僧籍を剥奪した。

4)ラテンアメリカの独立は、当初においては
決して反カトリック的なものではなかった

5)それどころか「グァダルペの聖母」(上のお守りのマリアさまです)
への信仰宣言=独立を目指した革命運動だった

6)独立戦争の混乱後、問題になったのは司教を誰にするか?
これでかなりごたごたした。

7)教皇庁はラテンアメリカ各国政府による
聖職者推挙権をまったく認めなかった。

8)独立しても植民地時代の名残が第二バチカン公会議まで存続することに

9)1823年:ローマと宗教協定を取り結ぶという考えがメキシコで生まれた。
これによって、ローマ教皇はラテンアメリカ諸国の政府と各国における
関係についての法的枠組みを定めることになった。

10)・・・これにたいして各国政府の間では
教会にいくらかの特権を認めるとともに教会の活動に制限を加えた。

11)しかし自由主義が台頭し、1850年ごろには
ラテンアメリカ諸国がカトリックに対する弾圧を開始

12)メキシコは1853年に自由主義派が政権の座に。
自由主義派が教会と国家との結びつきを壊し始めた。

13)メキシコ政府は1856年にはプエブラ司教を追放、
1859年にはさらに12名を追放した

14)1911年にはケレタロ憲法が制定され、
反宗教的な動きが大きくなる。カトリックが力を持たないように
司祭はメキシコ人と決められ、司祭には政治に関わることができなくなった。

15)教会側はこの動きにたいして「全国的に儀礼をストップする」という事態に

16)キリスト教徒である民衆は
反政府暴動を引き起こす。「クリステーロスの反乱」

17)カジェス政権VSキリスト教徒の内戦が1929年まで続く

18)なんやかんやあったが、政権が変わって反宗教的な法律が
1988年に改正

======================

第二次世界大戦もなんやかんやあるみたいなので
また機会があれば、調べてみます。

で、話は最初の『エルトポ』の話に戻るけど…

ホドロフスキーは1929年生まれなんです。

つまり、政府とキリスト教の内戦がいったん終わった年に生まれているわけ。

内戦が終わっても、反宗教的な法律は1988年まで改正されなかったわけで

この混乱の中で1969年にエルトポが生まれたわけです。

エルトポ→キラー7のつながりがなんとなく分かったかも。

権力、それに反する勢力、それに反する民衆、
一時の平和、また問題がおこる
のループを違った形で延々と続くゲームに見立てて
作品化したキラー7はやはりエルトポからの系譜に入るんだなぁ。
(以下の動画、スマホで再生されない場合はPCで)

ちなみに、なんと2014年にホドロフスキーは新作を
発表するみたいですね。

新作予告編みつけました↓
(以下の動画、スマホで再生されない場合はPCで)


あとサブカル勢の方には
メキシコのカトリック✖️緒川たまき
という垂涎ものの写真集があるのでこちらもおすすめです。
Mexicoガイコツ祭り

カトリックとメキシコが混ざると
独特の造形になって、なぜか
KAWAII文化っぽくなるフシギ。
この写真集に掲載されているメキシコの骸骨の砂糖菓子とか、
なぜか現在の日本の「コワ可愛い」「グロかわいい」の造形と
かなり被るところがあるんであります。

もしかしたら、この写真集が日本のかわいい文化に
影響を及ぼしているせいかもしれませんね。

内藤理恵子の読書道:記事ラベル

宗教 鷹の爪 ガールズカルチャー 哲学 若者文化 仏教 映画 文化人類学 ゲーム考 社会学 キャラクター文化 月刊住職コラム連載 ヤンキー あじくりげ映画コラム連載の掲載報告 アニメ ジェンダー 2014現代文化 仕事について 2014年「世界の宗教」講義録 中外日報シネマ特別席掲載のご報告 90年代サブカルコミックエッセイ ヲタク文化 消費文化論 2012前期哲学(火曜)講義録 2012前期現代文化(木曜)講義録 対談シリーズ テン年代自分崩しの旅 脱力系ネタ 音楽 新聞・雑誌掲載関連 漫画考 2012前期哲学(月曜)講義録 小説 2012後期倫理学(金曜)講義録 2012後期哲学(火曜)講義録 心理学 自分探し 迷走コミックエッセイ 雑学 2000年代自分探しコミックエッセイ 2012後期社会と企業講義 2012前期社会と企業(水曜)講義録 2012後期スポーツと企業講義 2013前期文化人類学(火曜)講義録 とびださない!どうぶつの村 研究論文関連 2013前期 社会と企業 講義録 2013前期現代文化講義録 ポストモダン 日記 美術 2013哲学講義前期 現代思想 1990年代生まれの謎 企業 実用 倫理学 KAWAII文化 アイドル考察 スクールカーストについて ツインピークス祭 ドビ子の微妙な冒険 リンチ監督 旅日記 映画バカヴォンの予習のためにウパニシャッドを読む 私の体験談 そもそも教育って何なんだ?論 インテリア スポーツ美学 ドビ子博士GOを目指す 古墳ギャルコフィー 理恵子のお片付けダイアリー 純喫茶の「純」とは何か 『必修科目鷹の爪』読者限定☆リンク集シリーズ イカ部 オカッパ部 ジャバラネットナイトウ(おすすめのモノのご紹介) 名古屋 経営 経済 いじめ問題 ふつうの日記 まど☆マギ 似顔絵師ドビ子の放浪記 月刊住職連載 さんぽ日記 内藤理恵子イラスト作品集 読書について 『少女革命ウテナ』考察 まとめシリーズ 手芸キット レポートの書き方 寄稿文 ドビ子連続ネット小説「塩辛いちゃん」 何か間違っているオシャレ道 別冊spoon.34 散骨 松田優作ファミリー TV出演ネタ 2013年後期 哲学(火曜)講義録 写真 初音ミク×般若心経 構造主義 買い物道 わび・さび ドビ子が書評を演じます ドビ子アナザーワールド ラジオ出演ネタ

この窓の右端の▼をポチッとするとタイムトラベル