2014年2月11日火曜日

ろくろ首について☆3分で分かる小泉八雲の怪談「ろくろ首」✖️京極夏彦『妖怪の理 妖怪の檻』

吉田主任の小泉八雲シリーズも
ここまできたので…

http://鷹の爪.jp/matsue/

その1:http://riekonaito.blogspot.jp/2014/02/max.html
その2:http://riekonaito.blogspot.jp/2014/02/blog-post_6.html

その3:http://riekonaito.blogspot.jp/2014/02/blog-post_7.html
その4:http://riekonaito.blogspot.jp/2014/02/blog-post_9.html

この勢いで、ろくろ首回も掘り下げてみようと思います。

ろくろ首回http://www.youtube.com/watch?v=8ELtsyzakHQ

まず、この回に出てくる
「回竜」の存在について…


武士は怨念を背負いやすい…というのは前回でも
わかったと思いますが

その4:http://riekonaito.blogspot.jp/2014/02/blog-post_9.html

回竜の場合、武士→僧侶というパターンで
身分を変えました。

「頭を丸めて」という総統の表現については
このページで説明してあります。

頭を丸める=出家について
http://riekonaito.blogspot.jp/2014/01/dle.html

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そして、次に遁世僧という存在について調べてみます。

この資料
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000000412480-00

…の「現代における仏教の役割」(松尾剛次)

のP66〜

「遁世僧」についての解説を読みます。
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1)鎌倉新仏教や旧仏教の改革派と言われた僧は「遁世僧」と呼ばれていた。

2)遁世とは本来は「俗世を離れること」だったが、
だんだんと俗世での力が
官僧世界に反映されるようになり
それがもうひとつの俗世になったので
(親鸞の伝記読むとわかる)
そこからも離れて修行した僧侶が遁世僧と呼ばれた。

つまり、出家して、俗世と離れるつもりが
出家した先でも出世レースに巻き込まれた感あるあるに
なってきたので
そこから離脱して本当に修行に励む僧侶が出てきて
それらを遁世僧と呼ぶように。

3)遁世僧は他界観を塗り替えた。
どうなったか?といえば…

こうなった。

*六道輪廻

*念仏すれば極楽へ

*持戒すれば成仏…などなど

ちなみに、塗り替える前は以下。

*あの世はこの世とまったくあべこべの世界だがあまり変わりない

*死ぬと魂は神になり、先祖と暮らす

*あの世でしばらく滞在すると戻ってくる


4)さらにこれらの僧侶が一般の葬送を請け負うようになった。

*葬式や法事
(5世紀の中国でつくられた『梵網経』や
 平安〜鎌倉にかけてつくられた『地蔵十王経』を軸に法事が整備される)

*墓所の作成

5)つまり遁世僧こそが葬送の担い手集団であったのだ。
14世紀前半には天皇の葬式も担っていた。

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えーと…松江のFlashアニメ「ろくろ首」の話に戻ろう。

回竜が「生首」を袖につけたまま旅をする話の背景にある
違和感は遁世僧の役割を知っているとなんとなく
違和感じゃなくなるかも。(いや、やっぱり違和感あるかも)

もともと平安末期〜鎌倉にかけて
葬送を担う僧侶が出現したので、
死体観がそれ以前のものとは
違うものになったのです。
(往生するもの、というイメージに)

回竜は、生首と一緒に行動して
弔うつもりだったのかなぁ、と思います。

じゃあ、遁世僧が
出てくる前はどうしてたの?

・・・といえば・・・これがわりと酷い状態で、
それまでの官僧は危篤になると、死穢を避けるために
死にそうな仲間や使用人を
道や河原に放置したりしていました。

しかし、それはあまりに酷いので10世紀末に
二十五三昧会という秘密結社…じゃなくて
念仏結社が出来て、
仲間の葬送やホスピスのようなものを
整備していきました。

その後、鎌倉新仏教の僧侶の慈悲によって
一般庶民の葬送にも着手することになります。

いずれにしても
回竜が生首を袖につけていて平気、という状況は
死穢を忌避する官僧の感覚ではないわけで、

清浄にこだわった官僧→
→念仏結社で仲間の葬送はしていた
→鎌倉新仏教からは庶民の葬送にも着手

という延長線上に「ろくろ首」の怪談を置いてみると
しっくりくるかも。
=====================

しかし、ここで問題なのは、
我々がイメージしている「ろくろ首」と
この怪談の「ろくろ首」の形容が
大きく違うこと。

それは総統も相当気にしていました。
(よくあるタイプのろくろ首は右側よね)



この形容の違いについて知りたければ、
この本を読むべし!




まずは妖怪絵師・石燕の存在を知っておこう。

http://dic.pixiv.net/a/鳥山石燕

この本のP385〜============

1)ろくろ首はもともとは小泉八雲の怪談のように
生首タイプだった。

2)生首と本体は「目に見えぬ細い糸」で結ばれておった

4)石燕は見せ物小屋などでメジャーデビューする前の
「ろくろ首」(飛頭蛮)描いていた。
狩野派に伝えられる「化け物」と
土佐派の怪物絵を統合し、
一体ずつ切り離して名付けをする偉業を行った。

5)ところが、さきほどの絵師・石燕以降、
ろくろ首の首がどんどん太くなっていくように…
理由は「見世物小屋などの他媒体との
兼ね合いのため」

たしかに…見せ物小屋の場合、
首が伸びるほうが、ショーとして
成功しやすいだろうと思います。

見世物小屋のろくろ首の動画…見つけました。
(以下の動画、
スマホで表示されない場合はPCで)


そして、こうなった…(以下の動画、
スマホで表示されない場合はPCで)





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