2014年4月15日火曜日

【雑誌批評祭わっしょい!】nonnoとViViとラルムの現在(各誌、2014年5月号)

昨日、購入した雑誌分析を一通りしようと思ったら、
セブンティーンに熱くなりすぎて結局
セブンティーンの話題で終わった
ブログ記事はこちらになります。

http://riekonaito.blogspot.jp/2014/04/20145.html

そこで、もう一度仕切り直して、
各誌の傾向(2014年)を見ていこうと思います。

まず以前から、ガラケー化している日本のファッション誌に
風穴を開ける存在として着目してきたエルガール。

昨年の記録:http://riekonaito.blogspot.jp/2012/12/anan20121212.html

この一年で何が変わったか?といえば
編集長さんが交替されたみたいです。

以前の編集長さんは、ネットでファッションを盛り上げていく
方向性にシフトしているというニュースを読みました。

澄川元編集長の近況を伝えるニュースはこちら
http://www.wwdjapan.com/business/2014/02/23/00010213.html

澄川編集長のエルガールは読み応えがあったので
残念ではありますが、これからネットで新しい
ファッションカルチャーをつくっていかれるんだろうなぁ
という期待感も感じます。

というか、皆が雑誌をKindleで買う時代が到来したらば
最初からwebマガジンにして、そこと直接リンクをつないで
直販で買えたら良いのに、と思うことがしばしば
ありますが、もしかしたらそのような日が来ることも
あるかもしれません。その時は、また雑誌の存在意義が
変わる可能性もあるのでは。

ファッションの最先端を走っていた業界の人が
ネットにシフトしたんだから
時代の一歩先はこちらである可能性も出てきたような気がします。

そして、澄川編集長が去ったあとのエルガールを
読んだところ、変化に気がつきました。
GUとコラボ企画をしていたんです。

以前は、「海外カルチャーは面白いけど
実際にこのコーデはどこでアイテムを買って
どうやればいいのか?」という
「ちょっと遠い感じ」がまたそれはそれで面白かったりしたんですが
2014年5月号に「別冊付録」として
GUのカタログがついていて
これが度肝を抜かれました。
まるでエルガールに載っているようなコーデが
そのままGUでできてしまう。めちゃくちゃ安い。
しかも、GUだったら地元にもある!!

数年前、GUで買い物をしたときは
GUのコンセプト自体がよくわからなかったのですが
GUとエルガールがタッグを組んだことで
地方の女の子がエルガールに載っているようなファッションを
楽しめる、というところまで間口を広げてあるのが
最近のGU&エルガールなのかな、と思いました。



あと、エルガール5月号ですが60ページに載っている
個性的な海外モデルさんが、どことなく、ちょろぽんに似ています。
ここのところ整いすぎなモデルさんばかり見ていたので
ハッとする個性を感じるモデルさんに新鮮さを感じました。
ケイトモスが出てきた時の衝撃の
約34倍くらいの衝撃の個性でした。
この個性はこれからブレイクする予感がします。

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あとは…

いったんアンケート結果に戻って考えますが

http://riekonaito.blogspot.jp/2014/04/2014vs.html

このアンケートで明らかにされたことは
ViViとノンノの強さですよ。
そして付録をつけてないのに
健闘しているラルム。

この3点に絞ってみたいと思います。

まず、2010年に圧倒的な強さを誇り、2014年にも
やっぱり読まれているノンノ。



ノンノの特筆すべきは、本田翼の好感度ですよ。
ボーイッシュなのにほどよいガーリーの絶妙なバランス。
もちろんプロのモデルさんだから頭抜けてスペック高いんだが
それでもどことなく「ふつうっぽさ」を醸し出し
かつての「はまじ」ポジションでありそうでちょっと違う。
もっと自然な自然体のように見えます。
(自然な自然体と自然ではない自然体を
分けて考えた場合、ばっさーは最も自然な自然体に見える)
鷹の爪7でハンドドライヤー役をやられていた時は
???だったけれども、まるで奇跡の心地よさを
醸し出すモデルという意味での配役だったのかもしれない。
深い…深すぎる。

鷹の爪7:http://riekonaito.blogspot.jp/2014/04/blog-post_13.html

ふと気がついたんだけど、昔のノンノって
恋愛特集が、もっともっとあったような気が…
この本で調べてみます。




たとえば、この本で1994年のノンノの特集を調べると…

1月5日号「カルトネームで恋の運命を変えられる!」
1月20日号「今年あなたがめぐりあう運命の人」
6月20日号「愛をひきよせるフェロモン占星術」
8月20日号「目尻ほくろと唇ほくろは恋の勝利者になれる!」

…と恋愛と黒魔術を混ぜたような特集が…。

これがかつてのノンノだった。

いっぽう、現在のノンノは恋愛も黒魔術の香りもしなくなった。
とことんアクがなく、どこまでも清々しい。
特に2014年の5月号のノンノ、「トモダチ」特集なのよ。
あとマネーライフや弁当の作り方が特集されているけど
恋愛要素が少ない。まるで読み物がオレンジページっぽい。

なにが正しいのかはわからないけど
たぶん、現在のノンノのほうが「正しいノンノ」っていう
感じがして、とても好感が持てましたし、
時代に合わせているからこそ、
生き残っているんだな、と思いました。

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次にノンノと同じくらい根強いViVi。


ViViに関してはKindle版が出ていないので
紙版を買ってきました。

ViViをパッと見で思ったのは…
モデルがキャラ立ちしてて良い。

とにかく徹底したモデル陣の充実を感じる。

そして、モデルさんが全体的に欧米ハーフ寄りで
国際的な感じがする。

ティナちゃん、エリーローズ、マギー、
トリンドル、そしてローラ。

正直、服が云々よりも
このモデルさんたちが着たらどんな服でも
ものすごいおしゃれに見えるし
ティナちゃんのかわいい写真を
見たりスクラップしてノートに貼ったりする
という楽しみ方ができるので
まるでオトナ向けの絵本ですよ、ViViは。
ローラにセーラームーンのコスプレさせるとか
まさにオトナの絵本。

ちょっと気になったのは、まさかのヲタ要素が
ViViにも進出していたこと…

別冊の東京ガイドでティナちゃんがアニメイトを
推していたのだが…















90年代にリアルに真剣に
思い詰めながらアニメイトに出向き、
酸っぱい汗を発散しながら
蔵馬のブロマイドを買っていた私としては
とても複雑な気持ちです。

というか、ライトオタク層の拡大

http://riekonaito.blogspot.jp/2014/03/blog-post_28.html

をひしひしと感じる…。

あと、特筆すべきなのは今号のViViの
ゲストのインタビューが
ViVi読者を完全にdisっていることです…。
批判者すら受け入れるViVi、強すぎです。











これだけ否定的な意見を載せても
びくともしないというくらい強い雑誌なんだと
思うと、むしろ安心感を感じます。

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そしてアンケートで2014年に
新規参入を果たした

http://riekonaito.blogspot.jp/2014/04/2014vs.html

ラルムも買ってきましたよ。













意外だったのは、ラルムのメンタリティーが
予想してたものとは違っていたこと。

かつてのギャル層がこっちにシフトしている。

造形はゴスロリに似ていないこともないんだけど
精神性がまったく違う。

ラルムの精神性を理解するのにてっとり早いのは
リメークされたバージョンの映画『ロリータ』を観ることです。

この記事を参照
http://riekonaito.blogspot.jp/2013/03/2013222.html

↑この記事でロリータジャンルが
小乗仏教と大乗仏教に完全分派したと喩えましたが…

この記事でいう「大乗仏教」のほうのロリが
ラルムの精神性だと思います。

実際、ラルムを読んでみると…

今月号のP47に

「Not Tokyo ロリータファッション」
「かわいすぎず、装飾しすぎない」
「セルジュゲンズブールを取り巻く女の子たちが
ミューズのフレンチロリータ、ナボコフの
映画ロリータがミューズのアメリカンロリータを提案」

…とある。ゴスロリバイブルなどの東京ロリータと
明確に立ち位置を分けている。

他誌がある程度、個性という名の横並び状態
になっている現在、
http://riekonaito.blogspot.jp/2014/04/20145.html

ラルムの創刊はほんとに
タイミングが良いし、ターゲットも明確で凄いと思う。

ラルムがガーリーな様相を呈しているけれども
精神性はどことなくギャルだということは
どこでわかるか?
といえばラルムのミューズ黒瀧まりあさんの
上京ストーリーですよ!!

彼女の上京ストーリー、YAZAWAスピリッツを感じます。











彼女の15歳の思い出
「プリクラが大好きで、近所のショッピングモールに
週4日くらい遊びにいってたよ。その頃の友達とは今も仲良し」
というのはこっち側http://riekonaito.blogspot.jp/2014/03/blog-post_21.html
の世界だな…っていうことが薄々わかる感じだ。
眉毛めっちゃ細いし…。

その彼女がスカウトされて、モデルになり
ガーリーな雑誌でお姫様になる。
これぞ、新世代のギャルのアゲアゲ人生なんだと思った。

旧世代のギャル雑誌には「ギャルを辞めて
努力してキャリアウーマンになった
OBのページ」があった記憶がある。

でも、現在は、「ガーリー」なファッションで自ら
シンデレラになるという「消費による階層シャッフル」が
行われているのかもしれない。
パッと見のギャルは減っているけれど
ギャルのメンタリティを持つ者の総数は減ってない。

ロリータっぽいけれど「東京ロリータではないガーリーさん」が
これからのガールズカルチャーを席巻していく予感がします。

速水氏が『若者の現在—文化—』(日本図書センター)の
P240に「ギャルは固定された存在」との結論を出しているが
それは、もはや違うと思う。



そこのところはギャル雑誌だけ分析していてもわからなくて、
実はギャルは「ガーリーさん」の
ほうにシフトしている可能性がある。

特に、ラルム今月号のP34〜
「まどろみガール」のグラビアが
面白い。撮影場所は夜明け間近な国道沿いで
P36はガーリーなドレスでヤンキー座り、
P37でもヤンキー座り、
P37ではバレエのチュチュをイメージしているのに
背景はなんと「工場」。

しかもP131には「まりあのフェイバリット」としての
「祭」の紹介と、
「まりあがガーリーなダルマをつくる」という企画!
こっち側のスピリット

http://riekonaito.blogspot.jp/2013/03/blog-post_15.html

http://riekonaito.blogspot.jp/2012/04/blog-post_25.html

を感じる企画に好感が持てました。

ちなみにまりあさんが制作したダルマは
編集部に飾ってあるようです。

agehaがロリータ特集をしはじめたというあたりから
http://riekonaito.blogspot.jp/2014/02/blog-post_18.html

「ガーリー」と「ギャル」に何か関係が出てきたかな?と
思ったけど、ラルムを読んで、
「ガーリーファッション」(ゴスロリバイブル側ではないガーリー)
は固定した「ギャル」に流動性を与える
シンデレラ的なものになっていくと確信を持ちました。
(その間ギャルとガーリーをつないだのは
 実はヤンキーのディズニー好き→
 ディズニープリンセスグッズ集めだと思う)
これから、ガーリーカルチャーは東京だけのものじゃなくなって
地方のギャルも参戦してどんどん面白くなってくると思う。

その象徴が今月号のラルムの
「夜明け前の工場を背景にしたチュチュドレス」
に表現されているのだと思う。



ラルム、目が離せない面白さ!!

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