2014年12月31日水曜日

映画『パルプフィクション』について「都市伝説」が出回っているけど…ちゃんと原典確認してみようよ!

大晦日はのんびりと年を越そうと思ったんだけど…

ハフィントンポストの記事の
パルプフィクション解釈↓の「聖書」について(以下リンク)

http://www.huffingtonpost.jp/2014/12/29/pulp-fiction-fan-theories_n_6393806.html?ncid=fcbklnkjphpmg00000001

…↑この記事中の
新約聖書と旧約聖書の「混同」が気になり、
指摘しないと
いてもたってもいられなくなり
筆をとった次第です。

このハフィントンポストの記事で…(以下、記事
http://www.huffingtonpost.jp/2014/12/29/pulp-fiction-fan-theories_n_6393806.html?ncid=fcbklnkjphpmg00000001からの引用)
タランティーノ作品で表現されている超暴力は、
もっとジャンゴ的な、正義のためには報復を辞さないイエス・キリストを
聖書が描いていたら、とても自然なものだっただろう。

…とコメントがあるけれども、
もともとジュールズが暗唱していた「エゼキエル書」はそもそも
「旧約聖書」の中にある話でして、
旧約聖書とは、イエス・キリスト生誕前
の古代イスラエルの人々を描いた物語です…
イエス・キリストをそこに
ひっぱり出してはダメです(涙目)

以前に説明した旧約聖書と新約聖書の違い↓
http://riekonaito.blogspot.jp/2012/08/blog-post_19.html

あと、ジュールズが暗唱している聖書の言葉が
聖書の言葉ではなくて、「千葉真一の映画からの引用で
でたらめだ」という指摘もあるけど
こちらも、ハフィントンポストの記事中に
「ちゃんと原典を確認した比較」が出てない。

そこで、今回、本物の聖書を読んで
比較してみましょう。

ハフィントンポストの記事中に指摘が出ていた
「エゼキエル書25章17節」が含まれている
「ペリシテの預言」を
本物の聖書(聖職者からプレゼントしていただいた
旧約・新約両方収録されているタイプで
プロ御用達の聖書です)から抜粋すると以下になります。

(以下は本当の聖書の内容)
主なる神はこう言われる。
「ペリシテ人は復讐し、嘲りの思いをもって大いに仇を報い、
昔からの憎しみにかられて滅ぼそうとした。
それゆえ、主なる神はこう言われる。
わたしは手をペリシテ人に向かって伸ばし、
クレタ人を断ち、海辺に残っている者を一掃する。
わたしは彼らが仇を報いる時、彼らはわたしが主であることを
知るようになる。」(旧約聖書・エゼキエル書・25章より)

つまり、本当の聖書のエゼキエル書
(というか旧約聖書全般)が
「裁く神」のイメージを貫いているのです。

次に、ハフィントンポストに書き起こされていた
『パルプフィクション』のジュールズのセリフとしての
「旧約聖書暗唱」を「リアルな旧約聖書」の内容と
比較してみましょう…(以下はセリフとしての暗唱部分)

心正しき者の歩む道は、心悪しき者のよこしまな利己と
暴虐によって行く手を阻まれる。
愛と善意の名において暗黒の谷で弱き者を導く者は幸いなり。
なぜなら、彼こそは真に兄弟を守り、迷い子達を救う羊飼いなり。
よって我は、怒りに満ちた懲罰と大いなる復讐をもって、
我が兄弟を毒し、滅ぼそうとする汝に制裁を下すのだ。
そして、我が汝に復讐する時、汝は我が主である事を知るだろう。
(映画『パルプフィクション』の中で暗唱されたセリフとしての
 エゼキエル書・25章)

他の映画からの引用を使った
「意訳・超訳」(確かにアレンジしすぎ)では
あるけれども…
(人種の話が出てくるので人種の話題は避けながら
 意は同じくしながらも
 違う言葉に置き換えたんではないか?と考えられる)
エゼキエル書の25章(本物の聖書)の
「ペリシテへの預言」での「裁く神のイメージ」は
実は、映画『パルプフィクション』内でも
大局的には改変されていないんですよ。

以前、旧約聖書とパルプフィクションを題材にして
コラムを書いたこともあったので…
http://riekonaito.blogspot.jp/2014/04/blog-post_24.html
ここをスッキリさせておかないと
年が越せないこともあり、指摘させていただきました。

ちなみに、旧約の「裁く神」と新約の神概念の違いを
的確に見ていたのはラッセルとユングで、
この書籍を読めばわかりますよ↓
http://riekonaito.blogspot.jp/2012/12/39.html

超有名どころのブログで
しかもUS版の記事の翻訳だから↓
http://www.huffingtonpost.jp/2014/12/29/pulp-fiction-fan-theories_n_6393806.html?ncid=fcbklnkjphpmg00000001
そこに「もしイエスキリストがこうだったら…」
と書いてあると端から
正しいと思って読んでしまいがちだけど、
旧約聖書と新約聖書の世界観や
両者の神概念の違いを知っていれば
そこはこんがらがらないはず。

聖書を題材にしてサブカルを語るのではれば、
まずはリアルな聖書を読んでみてはどうだろう?
特に旧約聖書を実際に読んでみれば…
日本人が持っている「なんとなく聖書ってこうだろう
と思っていたイメージ」が
少なからずや覆されると思う。

内藤理恵子の読書道:記事ラベル

宗教 鷹の爪 ガールズカルチャー 哲学 若者文化 仏教 映画 文化人類学 ゲーム考 社会学 キャラクター文化 ヤンキー 月刊住職コラム連載 あじくりげ映画コラム連載の掲載報告 アニメ ジェンダー 2014現代文化 仕事について 2014年「世界の宗教」講義録 90年代サブカルコミックエッセイ ヲタク文化 中外日報シネマ特別席掲載のご報告 消費文化論 2012前期哲学(火曜)講義録 2012前期現代文化(木曜)講義録 対談シリーズ テン年代自分崩しの旅 脱力系ネタ 音楽 新聞・雑誌掲載関連 漫画考 2012前期哲学(月曜)講義録 小説 2012後期倫理学(金曜)講義録 2012後期哲学(火曜)講義録 心理学 自分探し 迷走コミックエッセイ 雑学 2000年代自分探しコミックエッセイ 2012後期社会と企業講義 2012前期社会と企業(水曜)講義録 2012後期スポーツと企業講義 2013前期文化人類学(火曜)講義録 とびださない!どうぶつの村 研究論文関連 2013前期 社会と企業 講義録 2013前期現代文化講義録 ポストモダン 日記 美術 2013哲学講義前期 現代思想 1990年代生まれの謎 企業 実用 倫理学 KAWAII文化 アイドル考察 スクールカーストについて ツインピークス祭 ドビ子の微妙な冒険 リンチ監督 旅日記 映画バカヴォンの予習のためにウパニシャッドを読む 私の体験談 そもそも教育って何なんだ?論 インテリア スポーツ美学 ドビ子博士GOを目指す 古墳ギャルコフィー 理恵子のお片付けダイアリー 純喫茶の「純」とは何か 『必修科目鷹の爪』読者限定☆リンク集シリーズ イカ部 オカッパ部 ジャバラネットナイトウ(おすすめのモノのご紹介) 名古屋 経営 経済 いじめ問題 ふつうの日記 まど☆マギ 似顔絵師ドビ子の放浪記 月刊住職連載 さんぽ日記 内藤理恵子イラスト作品集 読書について 『少女革命ウテナ』考察 まとめシリーズ 手芸キット レポートの書き方 寄稿文 ドビ子連続ネット小説「塩辛いちゃん」 何か間違っているオシャレ道 別冊spoon.34 散骨 松田優作ファミリー TV出演ネタ 2013年後期 哲学(火曜)講義録 写真 初音ミク×般若心経 構造主義 買い物道 わび・さび ドビ子が書評を演じます ドビ子アナザーワールド ラジオ出演ネタ

この窓の右端の▼をポチッとするとタイムトラベル